昨年の3月に始まった北京五輪聖火リレーが、ロンドン、パリ、長野を含む世界各地でチベット支援派によって抗議運動のターゲットになり、ロンドンでは途中で何度もバスで移動したり、パリでは聖火リレー自体が途中で切り上げになるなど、IOCと中国側にとっては全世界の前で恥さらしとなり散々な目にあったその次の経由地、北京聖火リレーの北米での唯一の経由地がまた米国のリベラル運動のメッカであるカリフォルニア州のサンフランシスコであり、ここでも大掛かりな反対運動イベントが聖火リレーに先駆ける数日間に渡って行なわれましたが、今回はSFTのプロテスト実行隊の過去の活動を軸に米国のフリーチベット運動の背景に関して扱ってみます。
この抗議運動の中、サンフランシスコの聖火リレーの2日前には、ニューヨークが本部で世界中に支部を持つチベット支援団体
『Students for a Free Tibet』 (SFT) のメンバーの米国人7人が
ゴールデンゲートブリッジの橋の路面から40mの高さに「一つの世界、一つの夢、フリーチベット」と書いた横断幕を設置する抗議活動 が行われ3時間後に警察に拘束されています。
このうち橋に登った実行隊の3名のうち、橋の上にワイヤーで吊り下がった状態で携帯電話でローカルニュースのインタビューに応じるなどこの抗議活動のフロントマン的役割を担ったローレル・スザーリン氏は、この1年前にもエベレスト山のベースキャンプで横断幕を拡げ中国を批判する声明を衛星中継で発表 して中国当局に拘束された事のある人物。
上写真:2008年4月6日、ゴールデンゲートブリッジに横断幕とチベット国旗を設置しているローレル・スザーリンさん (Fox News) [A]
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昨年の春、チベット動乱や北京五輪聖火が欧米で強力な反対運動に会ったりなどチベット問題が世界の注目を浴びた当時、世界各地に支部を持つ米国のチベット支援団体「Students for a Free Tibet」(SFT) の活動に関する特集エントリーを組みましたが、シリーズ第一回のエントリー で扱った2007年4月25日のエベレスト山ベースキャンプにおけるSFTのプロテストの後の中国当局による55時間の拘束に関して、プロテストメンバーのうちテンジン・ドルジェ氏とローレル・スザーリン氏自身による体験談がネット上に公開されているので、今回はそれらの体験談を中心にエベレストのプロテストに関して更に詳しく扱ってみようと思います。
2006年10月にチベットからネパールに国境を越えようとしたチベット人の一団が中国の国境警備隊に射殺された様子がルーマニア人に撮影され世界にショックを与えたその半年後の、2007年4月のパンチェン・ラマの誕生日に、亡命チベット系米国人のテンジン・ドルジェ氏がエベレストでチベット国歌を斉唱する様子が生中継でネット配信された事で、その翌年の世界規模でのフリーチベット運動への喚起となったこれは象徴的なイベントです。
そしてこれは北京オリンピックの1年4ヶ月前という、中国にとってみれば国際的評判に神経質になっているというその時期に、「チベット問題」という中国ではタブーになっている問題に触れた米国人活動家がどのように扱われたのかが非常に興味深い内容となっています。
トップ写真:2007年4月25日、エベレスト山ベースキャンプでのSFTのプロテスト。 (Students for a Free Tibet) [A1]
テンジン・ドルジェさん本人によるエベレスト抗議の体験談
エベレストから衛星中継カメラの前で声明を発表し、エベレストのプロテストのフロントマン的役割を果たしたチベット系米国人のテンジン・ドルジェSFT副代表が、プロテストの様子から中国当局による55時間の拘束に関して、この時の体験を『中国人権フォーラム』に寄稿しています。
これは翌年2008年3月のチベット動乱の時期に刊行されたもの。
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当ブログではこれまでSFTの活動のうち代表的なものを数点扱いましたが、昨年4月8日のサンフランシスコのゴールデンゲートブリッジの横断幕抗議のエントリーが仕上げないままになっていたので、続きのエントリーに必要な情報のため今回仕上げてアップする事にしました。これは昨年の4月に書いたエントリーです。
激しい抗議活動に見舞われた4月6日のロンドン、7日のパリでの聖火リレーの次の経由地、9日のサンフランシスコでの聖火リレーに先立つ7日に、ゴールデンゲートブリッジ (金門橋) に「One World One Dream, Free Tibet 2008」と書いた2枚の巨大横断幕が橋の路面から50m、海面から120mの高さに張られる抗議活動が行なわれた事は、今回はさすがに日本のメディアでも取り上げられています。
この抗議活動を行なったのは「Students for a Free Tibet」のメンバーで、2007年4月のエベレスト横断幕抗議に始まり、同年8月の万里の長城での垂れ幕抗議は当ブログでも扱いましたが、その他にも6日のロンドンではウェストミンスター橋に 、7日のパリではシャンジュ橋 に「Free Tibet」の垂れ幕を下げたりなど、彼等が指針としている「非暴力的手段による抗議活動」とは、派手なデモンストレーションによるメディアを利用したキャンペーン活動であり、そういう意味では、中国当局に拘束される前提でのエベレストや万里の長城での抗議活動と、命綱一本で海面から120mの高さに横断幕を張るという非常に危険なデモンストレーションは、彼等の活動を非常に象徴するものとなっています。
以下は地元局のKGOテレビがヘリコプターから撮影した横断幕とSFTメンバーの様子。東京湾の半分の面積のサンフランシスコ湾の入り口の幅はわずか3kmで潮の流れも速く、貼られた巨大横断幕にかかる風圧も相当なものに見え、巨大な海に対して120mの高さに釣り下がっているちっぽけな人間という、絵図としてはなかなか凄いものがあります。
フリーチベット横断幕 --- ゴールデンゲートブリッジ、サンフランシスコ (1'13") (音声なし)
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3月24日のWBC日本チーム優勝の当日、カストロ発言と称するコピペが2ちゃんねるを中心に広まった件に関して再度続報。
この「スパニッシュ原文」と「日本語訳」から成るカストロコピペの「スパニッシュ原文」は、「日本語訳」をエキサイト翻訳した機械翻訳であり、日本語が先に書かれた事が明らかであるため、これは100%ニセモノと確定している件は前エントリー で言及しました。
前エントリーではまた、その特徴が2ちゃんねる版と異なるカストロコピペが、2ちゃんねるに最初に登場したのとほぼ同じ時間帯にmixi投稿され、そのうちmixi日記は2ちゃんねるよりも少し早い時間帯である件に関して、それらのレイアウトや文字化けなどの特徴に関して分析検証を行いました。
その結果、mixiに投稿した人物 (X氏と表記) が2ちゃんねる以外の場所でカストロコピペを入手した可能性が非常に濃厚と見られたため、直接問い合わせを試みました。
X氏は明和水産で見付けたと証言
X氏によれば、カストロコピペは画像掲示板サイトの『明和水産』 の「ニュース速報板」で見付けたとの事。
X氏の証言に従って調べてみたところ、明和水産の『野球掲示板』 で、日本優勝の29分後の3月24日15:08に立った『'09WBC決勝戦 日本vs韓国 祝勝会場』というスレに16:01に書き込まれたカストロコピペを発見。これはなぜかGoogleやYahoo他複数の検索エンジンでも絶対に引っかからなかったもの。
'09WBC決勝戦 日本vs韓国 祝勝会場
172 名無しさん (2009/03/24(火) 16:01:07 ID:amv4L9N2) 原文(スパニッシュ) Bendigo WBC la victoria recta de Japón que derrotó dos veces sinceramente nuestra Cuba. Nuestra Cuba se derrotó en un preliminar, pero es derrota que es derrotado por el equipo mejor del mundo. Estoy orgulloso que fui derrotado por el Japón mejor de mundo. Felicitaciones en un amigo eterno, los ciudadanos japoneses sinceramente. Fidel Castro 日本語訳 我がキューバを2度も破った日本国のWBC連覇を心から祝福する。 我がキューバは予選で敗退したが、世界一のチームに負けての敗退だ。 世界一の日本に負けたことを誇りに思う。 永遠の友、日本国民の皆様心からおめでとう。 フィデル・カストロ
X氏も具体的なスレ名までは記憶になかったようですが、その証言通りのスレが見つかり、それがX氏の日記より早い時刻であって、更にこの時間帯にまだ2ちゃんねるにはカストロコピペが出回っていなかった事から、X氏が明和水産から情報を得たという証言は裏付けられます。
ここでは16:01の時刻で書き込みがされており、これはWBC日本優勝14:39の1時間22分後、2ちゃんねるに最初に登場した16:16の15分前、そしてX氏のmixi日記の10分前というタイミング。
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3月24日のWBC日本チーム優勝の当日、カストロ発言と称するコピペが2ちゃんねるを中心に広まった件に関して前エントリー で検証を行いました。以下はネット上で確認出来る一番古いもので、日本の優勝時刻 (日本時間3月24日14:39) の1時間37分後の16:16に2ちゃんねるの野球総合板に書き込まれたもの。
【2009】WBC日本代表総合スレPart229
786 :名無しさん@実況は実況板で :2009/03/24(火) 16:16:31 ID:OUceaOJA
原文(スパニッシュ)
Bendigo WBC la victoria recta de Jap?n que derrot? dos veces sinceramente nuestra Cuba.
Nuestra Cuba se derrot? en un preliminar, pero es derrota que es derrotado por el equipo mejor del mundo.
Estoy orgulloso que fui derrotado por el Jap?n mejor de mundo.
Felicitaciones en un amigo eterno, los ciudadanos japoneses sinceramente.
Fidel Castro
日本語訳
我がキューバを2度も破った日本国のWBC連覇を心から祝福する。
我がキューバは予選で敗退したが、世界一のチームに負けての敗退だ。
世界一の日本に負けたことを誇りに思う。
永遠の友、日本国民の皆様心からおめでとう。
フィデル・カストロ
結論から言えば、この「日本語訳」をエキサイト翻訳に突っ込めばこの「スパニッシュ原文」が一字一句そっくりそのまま出て来る ため、これが日本人作のガセネタである事は100%確定 しています。
この情報は前エントリーのコメント欄でkozaruさんに提供頂きましたが、調べてみたところ、以下のようにWBC優勝当日の夜には既に2ちゃんねるで指摘されています。
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3月24日のWBC日本チーム優勝に関してまた2ちゃんねる発でデマとおぼしき書き込みが出回っていると『玄倉川の岸辺』 さんからご連絡を頂きまして、私も調査を行ってみたのですが、丁度その時期に非常に多忙だったためエントリーにまとめる時間が取れなくて時期遅れになりましたが、調査結果をまとめます。
『玄倉川の岸辺』さんには昨年の「善光寺が発した静かな怒り」コピペの調査エントリー の際にお世話になりましたが、以下今回の『玄倉川の岸辺』さんのエントリーから抜粋。
カストロ議長、WBC日本チームを祝福 …?
玄倉川の岸辺 2009年3月24日
(前略) 2ちゃんねるで見かけたカストロ議長からのメッセージ。
いやー、さすがカストロ、潔く負けを認めるなんて男らしいぜ!
フィデルもシャッポを脱いだ(死語)世界最強の日本チームは誇らしいですね!!!!!
…でも、これって本物だろうか?
スペイン語は読めないけれど、私のカンでは99%ネタに違いないと思う。
誇り高いカストロが特に必要もないのに日本チームのヨイショをするとは思えないし、Googleの言語設定をスペイン語・英語にして検索してもソースが見つからない。
なによりも全体的な発想(「世界が認めた日本の強さ・正しさ」を誇る)が一年前ちょっとした話題になった「善光寺が発した静かな怒り」コピペとそっくりだ。特に気になるのが「日本国のWBC連覇」という言いかた。 野球を心から愛するカストロ議長なら「日本チーム」が主語になるはずで、いきなり「日本国」が出てくるのは変だ。「国家」を「野球」の上に置く非野球ファンの発想のように思える。
私はF1レースが好きなのでF1に置き換えると、仮にオーストラリアGP(29日開幕)でトヨタのトゥルーリが優勝したとして、「日本の勝利だ」などと抜かす奴がいたら「こいつは本当のF1ファンじゃないな」と思う。なによりも「トゥルーリおめでとう、トヨタチームおめでとう」とがんばった人を称えるのが本物のファンであり、「日本国の名誉」などお呼びじゃないのである。(以下略)
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中華系の日本語メディア『サーチナ』の【中国のブログ】 というコーナーを最近よく見ていますが、これは中国語のブログや掲示板から毎日1エントリー前後を日本語に翻訳して紹介しているもので、これは恐らく翻訳されて日本で紹介されるという前提では書かれていないものであり、中国人の比較的本音や生の声が見られる興味深いコーナーです。
またこれは日本のYahooニュースとリンクしていて、読者コメントが書き込めるようになっています。
それで、一体何が興味深いかと言うと、ここで紹介されているブログエントリーの多くが揃って、中国人の自戒的な物言いで中国人の悪い所を指摘して日本を見習えという論調のものであり、これは恐らく100ある反日ブログエントリーの中に1つはあるかもしれない親日系を選んで紹介しているものと思われますが、それにしても結局のところ自戒的な文面の中に日本への対抗意識と高慢さが滲み出ていたり、好意的に日本を見ているにもかかわらず中国人特有の強烈な思い込みによる日本像の域を出ていなかったり、噂や風説や誤報など間違った情報を前提で書いているものが多いという印象です。
以下の記事は、先月湖北省武漢の武漢大学で日本の着物を着て桜見物に来た中国人母娘が学生に罵倒された事件に関して、なぜ日本で桜が愛されるのかを分析しているエントリーで、それが日本に関する知識不足からことごとく誤認と思い込みのみで書かれている頓珍漢な内容になっているという一例。
【中国のブログ】日中で違う桜への思い「なぜ中国人は桜に敏感か」
サーチナ 2009年4月6日10時30分配信
春が訪れ、桜が咲き誇っているが、中国では桜は日本を連想させる植物であるという。このブログは中国人はなぜ桜に敏感で、日本人はなぜ桜を愛巣の課を考察するものである。[魚拓]
春が訪れ、桜が咲き誇っているが、中国では桜は日本を連想させる植物であるという。このブログは中国人はなぜ桜に敏感で、日本人はなぜ桜を愛巣の課を考察するものである。以下はそのブログより。
友人や家族と一緒に桜鑑賞に行ってきた。桜園には私達以外にも多くの人が鑑賞に訪れており、非常ににぎやかだった。
関連写真:そのほかの中国人に映る日本に関する写真
美しく咲き誇る桜を見ていると、先日武漢大学で発生した事件をふと思い出した。その事件とは武漢大学で和服を着た二人の女性が、周りの人間から「出て行け!」と追い立てられたというものである。
この事件に対し、中国のインターネット上では「それでこそ愛国だ」という意見が主流となっており、「これが民族的気骨」だとする者も存在した。
なぜ中国人は桜に敏感で、日本人は桜を愛すのだろう?桜は花が咲いて散るまでの期間は非常に短い。桜の美しくも儚い散り際が「凄惨・悲壮・感傷的・献上」などの思いを抱かせるのだろう。
また、桜は武士道とも深い関係がある。武士道とは自由や民主といったものに命を捧げるものではなく、天皇に忠誠を尽くすものである。 美しくも儚い桜に自分たちの人生を重ねていたのだろう。
また、第二次世界大戦では無数の日本人青年たちがその犠牲になり、日本人に深い傷をもたらした。桜も「散華」という言葉とともに軍国主義を連想させるとして、日本各地で乱伐の憂いにあった。現在、日本各地の桜の多くは戦後に改めて植えられたものだと言う。
第二次世界大戦から60数年が経過したが、桜は何も変わらず、変わったのは人間である。未だに数多くの問題が存在するものの、私は桜に対し、「儚い人生なのだから、皆が楽しく友愛に溢れた生き方ができるよう」諭す存在であって欲しいと思っている。
周恩来が日本に留学していた当時、自ら桜を植えたことがあったという。その桜は後から「周桜」と名づけられたそうだ。 周恩来は日中両国の人民に対する輝かしい未来を願いながら、日本の土地に桜を植えたのだと、私はそう信じている。
(出典:成都買房人的博客 意訳編集)
写真はイメージ。北京の公園で咲き誇る桜を見に訪れた人々。(編集担当:畠山栄)
(漢字変換ミスは原文ママ。原文は後に訂正。魚拓参照)
ここで「意訳編集」と書いてあるのは、元サイトの文章から若干カットがあったり順序が入れ替えられるなど編集が加えられているという事です。
記事中には元サイト『成都買房人的博客』 のリンクが提示してあり、作者は「左有松」という名前と写真が出ているので、文責はしっかりしている記事ではあります。[魚拓]
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1937年(昭和12年)7月29日午前2時過ぎに北京の東の通州 (現在は北京市通州区) で起こった「通州事件」。これは7月7日の盧溝橋事件から日中が本格的戦闘状態に突入した8月13日の第二次上海事変の間に連続して起こった日本人襲撃斬殺事件で最大規模のものであり、当時通州にあった冀東防共自治政府 の中国人保安隊が、通州に居住していた日本人と朝鮮人の軍人と民間人230人を残虐な方法で虐殺した事件。
7月25日の廊坊事件 、26日の広安門事件 に続いて起こったこの日本人大量虐殺事件は当時日本でも大々的に報道され、それによって対中世論が一気に悪化したと、当時を知る方はそのように話しています。
まだ死体も全部は片付けられていない事件4日後の8月2日、生々しい状況下での通州事件の生存者による座談会が行われ、それが昭和12年10月号の月刊『話』に掲載されています。盧溝橋事件から3週間、そしてその11日後の第二次上海事変に始まる日中の8年にわたる泥沼戦争に入る直前の現地の混乱した状況下でのリアルタイムでの生の証言、そして日中が本格戦闘に入って間もない同年9月発売の月刊『話』に掲載されたこの座談会はまた、その当時のリアルタイムの臨場感を持って伝わって来るものがあります。
なおこの座談会は運良く難を逃れた無傷の生存者のものであり、『東京裁判却下 未提出弁護側資料』 に見られるような現場に駆けつけた軍関係者の目撃証言の凄惨さとは違った角度でありますが、歴史的事件の体験談だけでなく、事件4日後の時点での現地在住民間人が何を見聞きして知っていたか は、これは超一級の貴重な記録です。
この記事が掲載された月刊『話』は現在の週刊文春の前身。
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先月1月5日に南極海で調査捕鯨を行っている捕鯨船団の目視専門船「第二共新丸」の乗組員が行方不明になり、その捜索活動をシー・シェパードの「スティーブ・アーウィン号」が妨害したという件と、インドネシアのスラバヤ港が捕鯨船の修理のための寄港を許可せずに退去命令を出したとのニュースがロサンゼルスタイムズで報じられたのが1月15日。
今回はこの記事のコメント欄についた33のコメントの訳を紹介します。LAタイムズのウェブサイトはコメントの付けられる記事のコーナーがあって、それが「LA Times Blog」というコーナーになっていますが、これが「Blog」と呼ばれているのはコメントが付けられるという以上の意味はないようです。
日本の捕鯨船団が反対の波の高まりに耐える
ロサンゼルス・タイムズ 2008年1月15日 1:32 PM
南極海で日本の捕鯨船団が被っているのは、それはカルマか不運か、はたまた単に不幸な境遇なのか?
シー・シェパード 船の乗組員によって執拗に追跡されて来た3隻の捕鯨船団は既に乗組員一名を失っている。 不明の乗組員は船外へ転落しておぼれたと見られる。
ダメージを受けた船の一つである勇新丸は最近インドネシアの東ジャワ州のスラバヤ港から、プロペラ修理をする前に立ち去るように命じられた。大規模な商業捕鯨 が国際的に非難されているため オーストラリアとニュージーランドはそれらの船の寄港を許可していない。
捕鯨船へのいかなるサービスも断るようにオーストラリアから要請されているインドネシアも今や同様の対応を取ると見られる。
シー・シェパードによれば、(西オーストラリアのフリーマントル市の) ピーター・ターリャフェリ市長から、スラバヤ港当局とスラバヤ市のバンバン・ドウィ・ハルトノ市長に対して要請があったと言う:
「フリーマントル市はクジラの不法殺戮を支持しておらず、これまでも外交プロセスで日本政府に常に働きかけて来た。私は第二勇新丸が貴港でプロペラ修理を必要としていたのは氷によるダメージだと信じている。不法活動を続けるための修理のためこれらの船が我々の漁港に入る事をフリーマントル市は支持しない。フリーマントル市の市長として、貴港がこの船の修理を許可しない事をお願いする。そうすれば第二勇新丸は不法捕鯨に加わる事は出来なくなる」
今のところ、今期割当ての935頭のミンククジラと50頭のナガスクジラの追跡を実行可能な船は2隻しかない。
-- ピート・トーマス
写真 (上):1995年、日本の捕鯨船工場で処理されるミンククジラ (Greenpeace)。(下):カリフォルニア南部沿岸を泳ぐミンククジラ (Eric Martin/For the Los Angeles Times)
訳:Red Fox (原文:英語)
この記事が出た翌日に2ちゃんねるに訳が出て、Part7までスレが立つなど2ちゃんねるでは随分と大きな反響があった割には、このインドネシア寄港拒否のニュースは日本のメディアでは報じられている形跡が全くなく、2ちゃんねる読者以外には余り知られていないようです。
実際、このインドネシアの寄港拒否のニュースは、LAタイムズはシー・シェパードの流した情報のみで書いている 記事であり、このニュースに関してはオーストラリアのメディアでは結構報じられているので、その検証に関しては次回にでももう少し具体的に扱おうかと思います。
一方で、第二共新丸の行方不明になった乗組員の捜索をシーシェパードが妨害したというニュースは産経新聞やAFP、朝日、日経が報じています。LAタイムズの記事ではまるでシーシェパードの追跡で乗組員が犠牲になったような書き方 ですが、行方不明になった件とシーシェパードは実際は関係なし。
以下はこの記事についた読者コメント。捕鯨関係になるといつもの如く、感情的で絶対的・断定的・非科学的・非論理的なクジラ愛護のコメントが続くのはいつものお約束。
中にはグリーンピースのデイブ・ウォルシュ氏らしき人物が登場したり、日本の捕鯨を資料を挙げながら論理的に擁護するコメント、ベジタリアンの主観的動物愛護、自然主義者の信仰じみた論理破綻コメント、そして日本人の視点からの抗議で全くそれが通じていないコメントなど、いろいろ興味深い発言のてんこ盛りなので、以下に33のコメントの全訳を紹介します。
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去る2月6日に当ブログが「スゴブロ2009」 のベスト20で14位に選ばれたとの発表がありました。これはもともと『このブログがすごい!』 (宝島社) という書籍で行われていたブログランキングが2007年からウェブサイトに移行したもので、昨年当ブログを日経BPに取り上げて頂いた 関係でお世話になった岡部敦史 さんが運営されているので、そのご縁で今回も取り上げて頂いたのではと思います。
ここでトップ20に入っているブログはテーマやジャンルはとにかくまちまちで、これに順位を付ける事が果たして可能なのかとは思いますが (笑)、それぞれが個性的と言うかテーマがはっきりしているものが多いですね。ある意味印象的なのは20位の『Googleマップ ストリートビューのまとめ』 ように一時的に運営されていた、ブログというよりもむしろウェブサイトのようなコンセプトの物が入っている事とか。これは読者クリックのランキングサイトではあり得ない。 (笑)
当ブログに関しては以下の事が書かれています:
アメリカ在住の作者が、ニュースを多角的に分析するブログ。秋葉原で起こった連続殺傷事件の翌日にアップされた「秋葉原の無差別殺傷事件、英米ではどう見られているか 英タイムズ紙の読者コメント」という記事では、表題にもあるように、海外の新聞を翻訳することでこの事件が海外ではどう見られていたかを報じていた。こういった世界の視点を絡めたニュース解説がブログで読めるのは実に貴重。力作です。
そういえば昨年前半は、『「善光寺が発した静かな怒り?」2ちゃん発の怪文書 』 、『秋葉原の無差別殺傷事件、英米ではどう見られているか 英タイムズ紙の読者コメント』 、それから『毎日新聞「変態ニュース」打ち切り、英語圏読者の反応は?』 など、特に英語圏読者のコメントを翻訳したものなど、狙った訳でもないのに異例にヒットしてまとめウィキサイトにも載ったエントリーが幾つかあり、その関係で他にもメディア取材を受けた事もありましたが、それはそれとしてこのブログを知って頂くきっかけにはなりました。
うちのような、更新も頻繁ではないし、マニアなテーマが多いし、読むのに忍耐が必要な (笑) 地味なブログは、巷のランキングサイトではなかなか目立たない存在にしかならないのですが、更新頻度が条件になるようなクリックシステムでは漏れてしまうようなこだわりブログにスポットを当てる『スゴブロ』のような企画はむしろ意義深いものと思います。
ちなみに『スゴブロ』の選考基準に「ニュースなどを取り扱う二次情報系のブログよりも、自身の体験や考えを綴る一次情報系のブログを優先して選ぶ」とありますが、うちの場合はニュース記事を扱う事は多く二次情報に変わりはないのでいいのかなとも思いますが (笑)、特に政治系やニュース系ブログに多い「記事を1本持って来てそれに対して見解を述べる」的なやり方は敢えて避けてはいました。
でも一方で、ブログを読むという事はやはりそのブログのカラーがなければ面白くも何ともないと以前読者の方に指摘された事もあって、極力コンセプトにカラーを出す事に重点を置いていました。
昨年手がけたのは『人体展と中国の人体闇市場』や『Students for a Free Tibet』の特集などテーマを絞ったエントリーが多いですが、一応心がけているのが「日本語資料だけでは手に入らない情報」で、特に日英中の三か国語の情報を集めて何が見えて来るかという、結局リサーチ系になっている感じです。
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