追記のお知らせエントリー
エントリー「『ザ・コーヴ』の調査」(2011-6-9) に以下を追加したので、リーダーズサイトや集積サイト経由の方が気付きにくいのでお知らせエントリーを立てる。
このエントリーでは『ザ・コーヴ』の米国公開の1年後の2010年8月26日に「SachemoV」名義のYouTubeチャンネルにアップされた、この映画の「テレビ番組『わんぱくフリッパー』のヒットでイルカ人気が高まり、欧米のイルカ水族館産業のイルカ生体捕獲の需要が高まったため日本の太地町でイルカ捕獲が始まり、販売用に選ばれなかったイルカは副産物として食肉利用するようになった」という主張は事実無根の虚偽であるという反論動画を扱ったが、不明だったこの動画の作者と思われる人物の書き込みを見つけたため以下に追記をした。
追記 (2012.3.5)
動画の作者のスタンス
YouTube上の動画やユーザーチャンネル「SachemoV」にはこの動画の作者に繋がる情報は提供されていなかったが、この動画の公表の3日後の2010年8月29日の日付で米国のイルカ保護団体の『海洋動物ウェルフェア』のウェブサイトにこの動画の解説文が掲載されており、恐らくこのジョン・ダインリー氏がこの動画の作者ではないかと思われる。
実際このダインリー氏は動画の作者を名乗ってはいないのだが、この解説の内容は動画の主張と基本的には同一でありながら動画よりも詳しい内容になっているため、作者以外が書いたとは考えにくい内容である。 この解説の基本的な主張は、追い込み漁で捕獲された鯨類が米国に輸入された事実はなく、『ザ・コーヴ』の「イルカパークの利用者が日本のイルカ漁を支えている」という主張が事実無根だという、動画と全く同一である。
このジョン・ダインリー氏は現在は動物学コンサルタントという肩書きだが、過去にはイルカやアシカの調教師、アザラシ飼育員、水族館マネージャー、動物園の動物行動課など、動物園・水族館や研究施設の現場のキャリア出身の人物の飼育動物のスペシャリストであり、基本的な立ち位置はオバリー氏の反水族館系の「野生に帰せ」という動物リベラルとは真逆の立場である。
また、ダインリー氏は追い込み漁に関して肯定的ではないが、それが食用であったり害獣駆除である点は認めなければならないというスタンスであり、イルカ漁擁護でもなければ反イルカ漁でもないという第三者の水族館サイドからのオピニオンである。
『ザ・コーヴ』と、水族館用に獲得された動物海洋動物ウェルフェア 2010年8月29日
日本の捕鯨の村である和歌山県太地町で毎年行われるイルカ&クジラ漁を暴露する映画『ザ・コーヴ』は2009年に受賞したドキュメンタリーである。
追い込み漁は歴史的に新しい物ではなく、日本に加えてソロモン諸島、フェロー諸島やペルーなどでもこの方法で猟が行われる(又は行われて来た)。
太地の追い込み漁は350年以上存在して来たと考えられている。
実際『ザ・コーヴ』はこの論争の的になっている猟を初めて記録した物ではなく、それはナショナルジオグラフィック等の雑誌や1970年代半ばのジャック・イヴ・クストーのテレビシリーズなどで長年ハイライトされて来た。
その多くはこの猟の方法に関して懸念をし、その倫理性、道徳性、そして動物福祉の観点において疑問を呈していた。
しかしながら、論議の的になっているこの映画の一つの見地とは、近年はこの漁において小パーセンテージの動物が殺されずに、公共水族館や海洋パークで生きたまま展示されるために選ばれているという事である。
2007年 (『ザ・コーヴ』が制作された年) の公式記録では日本で1万3170頭のイルカと鯨が捕殺されている事が示されている。
そのうち1239頭が追い込み漁で捕獲され、90頭 (7.3%) が水族館用に生け捕りされている。
他の年の数字の変化に関してはこちらで見られる。
残念ながら、映画制作者側は水族館やパークへの動物の供給がこの猟の第一目的であり、それが無くなる事で猟自体が無くなると示唆している。
『ザ・コーヴ』の登場人物の一人が、イルカが動物園で人間に飼育される事に強烈に反対しているアニマルライツ活動家のリック・オバリーである事から、それは特に驚く事ではない。
更にこの映画は、猟で捕獲されたイルカが米国など世界中の国に運ばれ、そういったパークの訪問者が実際は日本のイルカや鯨の殺戮を支えている事になっているという、根本的に事実無根の事を示唆している。
実際、米国 (とヨーロッパ本土) で飼育されている一般的な鯨類の大半は飼育下の繁殖によって供給されており、従って野生からの捕獲によって動物を獲得する必要がない事が説明されるべきである。
太地などの猟で捕獲された動物は通常はアジアと中東の水族館に供給されており、近年でも2010年に日本の追い込み漁からトルコに15頭が輸入されている。
この数に加え、米国動物園水族館協会 (AZA)、欧州水生哺乳類学会 (EAAM)、国際海洋動物調教師協会 (IMATA)などの海洋動物飼育関係や、シーワールドなどのパークといった数々の動物学関係組織が、追い込み漁に反対しそれらを非人道的と見なすという声明を明らかにしている。
2011年時点で、米国では未だかつてたった一度だけ追い込み漁の動物が保有された事がある。
それは元々米海軍の海洋哺乳類プログラムによって香港のオーシャンパークから1987年に輸入されたオキゴンドウである --- 2000年にそれはハワイ海洋生物学研究所に輸送された。
追い込み漁で捕獲されたオキゴンドウを米国の海洋パークに輸入する試みが1993年にあったが、そういった操業は非人道的であるとみなした米国海洋漁業局によって阻まれ、それは追い込み漁による更なる動物を米国に輸入する事を事実上禁止する事になった。
またその他にも活動家達は、カリフォルニアのシーワールドが現在飼っているゴンドウクジラの一群に加えるために日本の水族館で飼育されているゴンドウクジラの輸入許可を得ている事を指摘した。
2003年に単独で座礁して救出されたこの動物が解放に適さないと考えられた物である事が指摘されるべきである。
この動物が計画的捕獲でも追い込み漁で捕獲された物でもない事が説明されるべきである。
『ザ・コーヴ』を観る人は誰もが以下の2つの事実を留意する必要がある:
(a) 日本の追い込み漁の第一の動機は「害獣駆除」および食料問題である。これらの動物は漁師の競争相手とみなされ、この猟は数百年も行われており、動物園や水族館用の動物は近年の開発でありその数は少なく、もしこれが停止しても悲しい事に猟は続けられるだろう;
(b) 1980年以降ヨーロッパ本土に、1989年以降米国に追い込み漁からの動物は輸入されておらず;これらの地域で展示されている動物は飼育下での繁殖プロブラムから来ている。
以下は、日本の追い込み漁とアジアや中東以外の水族館で飼育されている鯨類に関して、『ザ・コーヴ』の制作者などの不正確な言明に関する2部から成るコメンタリーである。
注記:『ザ・コーヴ』の日本社会への影響に関する興味深いオピニオン動画はこちら:
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