2008年8月の北京オリンピックに先駆けて世界規模で起こったフリーチベット運動。その起爆剤の一つとなった、2007年4月25日に行なわれたエベレスト山のチベット側ベースキャンプでの中国政府へのプロテストに始まり、様々なプロテスト活動やキャンペーンを行なって一躍注目されたチベット支援団体『Students for a Free Tibet』の代表的な活動に関して、このシリーズは英語サイトの情報やYouTubeの動画を交えながら紹介をした。これは当時日本では殆ど報じられていなかったものである。
SFTは亡命チベット人を中心人物に置きながらも、そのメンバーの大半は欧米の若者からなるグループで、2007年4月のエベレスト山での横断幕抗議や同年8月の万里の長城に垂れ幕を下げたり、オリンピック開催中の北京でも垂れ幕やDie-inプロテストを行なうなど、中国国内でも様々な抗議デモンストレーションを行なって当局に拘束されるなど、拘束や逮捕を厭わない捨て身の作戦ながらも、その活動方法は非暴力ダイレクトアクションの原則に乗っ取った派手なキャンペーンでメディアを利用して世界に訴えるという手段、そして情報統制国家の中国においても衛星中継などハイテクを駆使して当局が取り締まる前にインターネットに動画を流してしまうという、近年では盛んになって来たネットによる「情報ゲリラ」の先駆け的存在と言える。
目次:
1.
エベレストに「Free Tibet」横断幕 SFTの抗議活動 (2008.3.26)
2.
万里の長城に「Free Tibet」垂れ幕 SFT抗議活動 (2008.3.29)
3.
SFTのドルジェ氏がIOCのロゲ会長に直談判 (2008.4.1)
4.
「チベット自由の聖火」がオリンピアを走る (2008.4.18)
5.
金門橋に「Free Tibet」横断幕 SFTの抗議活動 (2008.4.22)
6.
中国で拘束されたエベレスト抗議メンバーの体験談 (2009.6.3)
7.
米国のフリーチベット運動の裏にあるもの (2009.6.5)
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昨年の3月に始まった北京五輪聖火リレーが、ロンドン、パリ、長野を含む世界各地でチベット支援派によって抗議運動のターゲットになり、ロンドンでは途中で何度もバスで移動したり、パリでは聖火リレー自体が途中で切り上げになるなど、IOCと中国側にとっては全世界の前で恥さらしとなり散々な目にあった。
そしてその次の経由地、北京聖火リレーの北米での唯一の経由地がまた米国のリベラル運動のメッカであるカリフォルニア州のサンフランシスコであり、ここでも大掛かりな反対運動イベントが聖火リレーに先駆ける数日間に渡って行なわれたが、今回はSFTのプロテスト実行隊の過去の活動を軸に米国のフリーチベット運動の背景に関して扱ってみる。
この抗議運動の中、サンフランシスコの聖火リレーの2日前には、SFTのメンバーの米国人7人が
ゴールデンゲートブリッジの橋の路面から40mの高さに「一つの世界、一つの夢、フリーチベット」と書いた横断幕を設置する抗議活動 が行われ3時間後に警察に拘束されている。
このうち橋に登った実行隊の3名のうち、橋の上にワイヤーで吊り下がった状態で携帯電話でローカルニュースのインタビューに応じるなどこの抗議活動のフロントマン的役割を担ったローレル・スザーリン氏は、この1年前にもエベレスト山のベースキャンプで横断幕を拡げ中国を批判する声明を衛星中継で発表 して中国当局に拘束された事のある人物である。
上写真:2008年4月6日、ゴールデンゲートブリッジに横断幕とチベット国旗を設置しているローレル・スザーリンさん (Fox News) [A]
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昨年の春、チベット動乱や北京五輪聖火が欧米で強力な反対運動に会ったりなどチベット問題が世界の注目を浴びた当時、世界各地に支部を持つ米国のチベット支援団体「Students for a Free Tibet」(SFT) の活動に関する特集エントリーを組んだが、シリーズ第一回のエントリー で扱った2007年4月25日のエベレスト山ベースキャンプにおけるSFTのプロテストの後の中国当局による55時間の拘束に関して、プロテストメンバーのうちテンジン・ドルジェ氏とローレル・スザーリン氏自身による体験談がネット上に公開されているので、今回はそれらの体験談を中心にエベレストのプロテストに関して更に詳しく扱ってみようと思う。
2006年10月にチベットからネパールに国境を越えようとしたチベット人の一団が中国の国境警備隊に射殺された様子がルーマニア人に撮影され世界にショックを与えたその半年後の、2007年4月のパンチェン・ラマの誕生日に、亡命チベット系米国人のテンジン・ドルジェ氏がエベレストでチベット国歌を斉唱する様子が生中継でネット配信された事で、その翌年の世界規模でのフリーチベット運動への喚起となったこれは象徴的なイベントである。
そしてこれは北京オリンピックの1年4ヶ月前という、中国にとってみれば国際的評判に神経質になっているというその時期に、「チベット問題」という中国ではタブーになっている問題に触れた米国人活動家がどのように扱われたのかが非常に興味深い内容となっている。
トップ写真:2007年4月25日、エベレスト山ベースキャンプでのSFTのプロテスト。 (Students for a Free Tibet) [A1]
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『Students for a Free Tibet』 (SFT) のテンジン・ドルジェ事務次長が去る3月24日、ギリシャでの灯火式直前にジャック・ロゲIOC会長を捕まえて、チベット問題に関して直談判を行ったニュースに関して今回は取り上げてみる。
24日にギリシャのオリンピアで行われた北京オリンピックの採火式の開会式に「国境なき記者団」のメンバーが手錠をデザインした五輪旗を持って乱入した事件は日本でも欧米でも随分報じられていましたが、現地時間午前11時の開会式に先立つ24日朝に、IOCの会議が行われていてロゲ会長が滞在しているアマリアホテルに、ドルジェ氏が直接押し掛けてチベット問題に関して中国に働きかけるように促している。
ドルジェ氏は昨年の4月にエベレストで抗議活動 をやって以来、チベット人権問題の活動家として英語メディアでよく名前は目にするが、昨年8月の北京オリンピック1年前のカウントダウンの際に、SFTのラドン・テトン代表が北京でロゲ会長に接触を試みてけんもほろろにされた という伏線は前エントリー で扱った。
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北京オリンピックの灯火式から縁起の悪いニュースが入って来ている(笑)
北京五輪採火式、中国国営テレビ局の生放送に幽霊?
大紀元時報 2008.3.30 8:23
【大紀元日本3月29日】北京五輪を通して国威宣揚と共産党当局の政権維持を狙い、中国国営の中央テレビ局・五輪チャネルは3月24日、ギリシャで行う北京五輪の点火儀式場面を生放送で中国全土に送った。しかし、北京市長がスピーチを始めた直後に発生した、儀式場に突入したフランスの「国境なき記者団」の抗議による騒動は、音声をカット映像も出席のVIPらに切り替えられ、中国国民には伝えられていない。
昨年末に同チャネルの設立儀式で起きた司会者の妻が乱入して夫である司会者の不倫を全国中に暴露しながら、北京五輪は価値観が崩壊した中国には不適切だと揶揄した。この不祥事を教訓に、今回の点火儀式の生放送は、同チャネルが電波の伝送時間差を使って映像のフィルターリングを行っている。 しかし、人間の計算は天の計算に及ばず、呪われたように、同テレビチャネルが放送したギリシャ人「巫女」が採火式を行うまで登場する場面に、ナチスドイツの将校を連想させる幽霊の姿が4秒間ほどはっきり映っている。目の錯覚と解釈しがちだが、奇妙にも「巫女」の進行を注視しているように見え、その顔は「巫女」の進行によって動いている。
同映像は中央テレビ局五輪チャネルのサイトでも見られる(2分1秒ごろ、右側の「巫女」の右下に注目)。
http://space.tv.cctv.com/act/video.jsp?videoId=VIDE1206355312284906
中央テレビ局のウェブページから削除、または消された場合、動画投稿サイトYoumakerでも見られる。
(2分50秒ごろ、画面右下に注目)
* YouMakerの埋め込みはSafariやOperaなど幾つかのブラウザに対応していないため、再生されない場合は元サイトで見る事が出来る。
ギリシャで行う夏オリンピックの採火式は、1936年にナチス・ドイツ時期のベルリン・オリンピックで初めて行われた。儀式場は昨年8月、森林の火災により被害を受けたが、その後修復された。虐殺者の血まみれの宴会として、ベルリン・オリンピックを想起させる北京五輪採火式に現れたナチスの亡霊は、まさか天が世界に送った一つの警告ではないだろうか。
(報道・肖 シンリ)
(08/03/30 08:23)
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