2011年4月に話題になった「オペレーション・アリガトウ」は、現在でも当ブログで継続して最もアクセスのあるエントリーの一つだが、現在でもこの砂浜の地上文字の残したメッセージは色褪せてはいないようだ。
仙台空港に着陸する米軍機から見えるように滑走路近くの浜辺に津波瓦礫で綴られ、空から目撃した米軍大佐に「最も心を打たれた経験の一つ」と言わせたこの地上メッセージは、その後米軍のみならず海外からの被災地への支援に対する感謝を示そうという一連の「ありがとうムーブメント」の火付け役の一つとなった。
*注:本エントリーにおける被災写真は当時の現場の様子を正確に伝えたいというご本人の意向で提供頂いたものです。後半に掲載している現場写真の一部に津波で死亡した動物の死骸の映像が含まれていますのでご了承ください。
【続きを読む】
スポンサーサイト
トモダチ作戦の米軍が最初の目標としたのが支援物資輸送のハブ空港の確保としての仙台空港の復旧であった事は、米空軍第353特殊作戦群指揮官のロバート・トス大佐の作戦終了時の記者会見でも説明されていた。
実際、津波の直撃を受け使用不能状態だった仙台空港の飛行場機能をわずか3時間で復旧させたのは、沖縄駐留の特殊部隊を動員しての戦場さながらの作戦だった事は当時日本では一部のメディアや個人ブログ等で触れられたのを除き余り報じられていなかったが、今回から数回にわたってその詳細を振り返ってみる事にする。
この空港回復作戦を行ったのは、夜間や悪天候など視界不良の悪条件において敵地への低空飛行での潜入・着陸訓練を受けた飛行隊と、パラシュート降下で敵地潜入をして負傷兵の捜索・救出・応急医療処置を行う落下傘救助隊員、そして地上に管制機能を自前で確保し着陸機を誘導し着陸させる戦闘管制班 (CCT) などから成る空軍の特殊部隊である。
震災のわずか9日前にも、嘉手納基地でのパラシュート降下訓練や低空飛行訓練がアフガニスタンやイラクでの特殊作戦に直結しているとしんぶん赤旗に批判されていたのがこの第353特殊作戦群の第320特殊戦術中隊だ。[>>1]
しかしながら「これまで見た中で最も荒れ果てた空港」と米空軍少佐に言わせた津波後の仙台空港をスピード再開し東日本大震災の復興支援に大きな貢献をしたのが、基地反対派には何かと槍玉に挙げられる嘉手納基地のこの部隊であった。
2011年3月、仙台空港に着陸する米軍特殊作戦機MC-130Pコンバットシャドウ。赤い旗は滑走路の利用可能範囲を示すマーカー。(チコ@ありがとう作戦)
【続きを読む】
「オペレーション・トモダチ」(トモダチ作戦) で仙台空港の復旧作業に携わった米軍特殊部隊の指揮官が、空港近くの浜辺に木材で「ARIGATO」と書かれた地上文字を機上から発見したというニュースが16日に各メディアに報じられ話題になっていた。
報道によれば、米空軍第353特殊作戦群のロバート・トス大佐は4月15日に、嘉手納基地でワシントンDCの報道陣との電話会見において、仙台での任務終了間際の4月3日頃に最後に仙台空港に着陸した時にその着陸間際に浜辺に書かれた「ARIGATO」の文字に気付き[>>1]、「苦しくても感謝の気持ちを忘れない日本人の心に感動した」と語っている。[>>2]
地震発生当時、韓国で演習中だった大佐は急遽特殊部隊を率いて横田基地に戻り、3月16日朝より空港の復旧作業に加わった。[>>3]
当初は瓦礫に埋まって浸水し早期復旧が困難と見られていた仙台空港を「救援物資の輸送拠点として最優先で復旧すべき」と判断し[>>4]、16日に管制機能と滑走路の一部を仮復旧、20日には滑走路を全復旧させ救援物資の輸送ルートを確保し、4月1日には管制業務を日本側に引き継ぎ、6日には米軍の任務が終了、そして13日には旅客便が再開という、この規模の災害では異例の超スピードでの空港再開となった。
【続きを読む】
この記事はブロとも、もしくはパスワードを知っている方のみ閲覧できます
⇒
パスワード入力
⇒
ブロとも申請
3月11日の「東北地方太平洋沖地震」の大震災と津波で犠牲になられた方のご冥福をお祈り申し上げるともに、被災者の方々には心よりお見舞い申し上げます。
突然の天災でありながら有史以来恐らく最大級の天災であり、予定していたテーマは取り合えず先送りにして現在の日本が直面している問題に取り組もうと考えたが、この1週間余りにも多くの情報が飛び交いそれがリアルタイムで刻一刻と更新されるため、大量のデマが流れがちな災害時にツイッターで極力ソースのしっかりした情報を流す事に徹していた。
特に原発の事故に関しては欧米メディアの関心は非常に高く個人の能力では追い切れないほどの数の報道がされており、そのうち印象的な「フクシマ50」に関して書こうかと予定しているが、もう少し時間がかかるため次回に扱う事にして、今回は軽い内容のエントリーにする。
フォックスニュースが渋谷のライブハウスを原発として表示
米国のフォックスニュースが上記の日本の原発の地図に「渋谷エッグマン」を原発の一つとして標記したという珍ニュースが話題になっていたので、その信憑性を調べてみたところ、米国やカナダのメディアで報じられているのでこれはネタでなく本当の事のようである。
実際福島の2つを含む18カ所にある日本の原発のうち9カ所しか載せていないのでそもそも地図としてはいい加減なものだが、ただし九州にある「Sendai」は鹿児島県にある「川内原子力発電所」の事。
この珍ニュースをを最初に取り上げているのは『メディア・マターズ・フォー・アメリカ』という2004年に設立されたメディア監視グループのウェブサイト。
フォックス・ニュースが日本のディスコで原子炉を発見
サイモン・メイロイ
メディア・マターズ・フォー・アメリカ 2011年3月14日 17:53 ET (日本時間 3月15日6:53)
今日放送されたフォックスニュースの「Your World with Neil Cavuto」で、日本の原発の場所の詳細地図が出た。
地図上の一つの名前が場違いに見える --- それは「渋谷エッグマン」
これは国際原子力機関の日本の原発リストにはなく、エネルギー省の国際核安全センターのこの地図Mでも「渋谷エッグマン」はリストされておらず、フォックス・ニュースの地図上のその場所の近辺に原発はない。という事で多少調べてみた。
Googleで「Shibuyaeggman」を調べても何らそれらしい結果はなく、ネクシス検索でも何の実りもなかった。
しかし更に調べてみたところ「エッグマン」とは東京の渋谷というトレンディな場所にあるダンスクラブの名前である事が分った。そしてフォックスの地図では東京に原子炉がある事になっている。
これがエッグマンの写真だ --- 見た通りそれは「The @ SUPER SUITS STORE」の真下にある。2006年にジョニー・ハイファイが出演している。
楽しそうな場所に見えるが、これが原発には見えない。
つまりこれはフォックス・ニュースのビジネス番組「ニール・カヴートのユア・ワールド」 (Your World with Neil Cavuto) で3月14日に放送された番組中で出た地図という事らしい。
【続きを読む】