Red Fox

今年前半を振り返って

 今年もあと僅かとなりましたが、今年を振り返る意味で、このブログを始める以前の今年の前半にmixi日記で書き貯めていた中から、割と力を入れたもの、ブログエントリーに出来そうなものを選んで、まとめてアップしました。とは言ってもタイムリーな話題ではないものを最新エントリーには出来ないので、それらを書いた日時の過去ログという形にしています。それでも今年前半の慰安婦問題など、今見てもなかなか考えさせられるものがあります。

 つまりmixi日記でこんな事をやり始めたから、レイアウトや写真の機能に限界を感じて結局ブログを始める事になったといういきさつもありましたw 最初はいろいろ試行錯誤もありましたが、最近は安定してアクセス頂けるようになって来たようで、余り流されずにマイペースでやって行こうとは思っております。

 とにかく分量があるものばかりなので、お時間のある時にでもご一読頂ければと思います。




特集『米軍機による英軍誤爆事件』(2007.2.12-18)
 1. イラク戦争時に米軍が英兵士を誤爆、コックピット生映像がTVに流出
 2. 命中の浮かれ騒ぎは一転して戦慄に
 3. ザ・サン紙の圧力に米国防総省が屈服
 4. 米軍パイロットの実名報道
 5. 未亡人の苦悩
 

 これは、2003年3月のイラク戦争開始直後、米軍パイロットが英軍の小型戦車を誤爆して英兵を死亡させた事件が、今年の2月に英国タブロイド紙のザ・サン紙に戦闘機のコクピットビデオがスッパ抜かれて英米で騒動になっていたのは、日本メディアでは殆ど報じられていませんでしたが、ザ・サン紙の記事6本の翻訳を交えてこの事件を特集をやったものです。




慰安婦問題
 ・安倍首相: 戦争売春に関する新たな謝罪はなし AP通信 (3/8)
 ・安倍首相は日本の戦争セックスの記録を拒絶する NYタイムズ (3/9)
 ・東国原知事 慰安婦発言 2ちゃんねる投稿の検証 (3/16)
 ・シーファー大使 慰安婦「レイプ」発言の検証 NYタイムズ (3/19)
 ・安倍首相 慰安婦問題謝罪記事の検証 ニューズウィーク (1) (4/22)
 ・安倍首相 慰安婦問題謝罪記事の検証 ニューズウィーク (2) (4/23)
 ・米兵は日本の「慰安婦」を利用していた AP通信 (5/1)
 ・ワシントンポスト慰安婦問題意見広告 全文訳 (6/16)

 

 今年前半の話題と言えばやはり慰安婦問題ですが、7月の米下院での非難決議案に先駆けて安倍前首相の発言やらいろいろ話題になる事が多く、海外でも特にNYタムズで記事になっていたので、当時リアルタイムで訳と検証をやる機会が多かったですね。

 今回久しぶりに見直してみてこの問題の根底にあるものを再認識させられたのですが、要するにこの問題の本質は「如何に定義するか、いかに解釈するか」という問題がかなりのウェイトを占めているため、細かい微妙な言い回しが非常に重要になって来て、しかしそれが外国語に翻訳される段階でニュアンスも定義も微妙に変わってしまったり、日本語特有の表現がなかなか理解されなかったりなど、異なる言語でやり取りするには非常に困難な問題であると思いました。

 中でもNYタイムズの大西記者が大活躍でしたが、何がどうなっても安倍前首相を「保守派の息のかかった国粋主義者の歴史修正主義者」で存在そのものが悪という前提一点張りで記事を書いていたので、やはりこの問題に関して欧米に対する情報の窓口が一人の人間に偏り過ぎているという、そういう問題もありました。




その他

 ・バージニア工科大乱射事件−犯人のビデオ (4/20)
 

 4月にアメリカ東部のバージニア工科大学で起こった、33名が死亡した乱射事件の犯人の自殺した韓国人学生が、犯行の合間に撮影してNBCテレビに送付した狂気のビデオの全訳を載せています。


 ・『俺は君のためにこそ死ににいく』アメリカとオーストラリアでは (5/19)
 

 5月に公開された映画『俺は君のためにこそ死ににいく』の封切り当時に、この映画に関して報じられた、ロイター通信とオーストラリア放送協会の記事2本を紹介。




それではよいお年をお迎え下さい。来年も宜しくお願い致します。

警官が突き落とされ重傷、中国人2人を逮捕

駅ホームで警官突き落とす 重傷、殺人未遂で2人逮捕
共同通信 2007年12月23日 17時51分更新版


 警官が突き落とされ重傷を負った、JR御茶ノ水駅の現場=23日午前9時30分、東京都千代田区 (Photo: 共同通信)
 22日午後11時20分ごろ、東京都千代田区のJR御茶ノ水駅のホームで、警視庁地域部通信指令本部の男性警部補(49)が男2人に突き落とされた。警部補はホームに進入してきた下りの普通電車にひかれ、右大腿(だいたい)部切断、頭部骨折などの重傷。駅員が2人を取り押さえ、警視庁神田署が殺人未遂の現行犯で2人を逮捕した。

 調べでは、2人は中国籍で調布市調布ケ丘、会社役員李志(41)と国分寺市富士本、会社員金権(31)の2容疑者。

 2人は「電車内で大声で話していたのを注意され口論になった。振り払っただけで突き落としていない」と容疑を否認。逮捕時、2人は酒に酔っており、同署は詳しい経緯を調べている。

 目撃者の話などから、3人は別の下り快速電車に乗っていたが、御茶ノ水駅でもみ合いながら降車。ホーム上でもつかみ合いをしていた。普通電車がホームに進入し3人に近づいてきた直後に、2人は警部補を突き落としたという

 警部補は110番受理を担当。22日は日勤を終え、青梅市の自宅に帰宅途中だった。

共同通信 in 日刊スポーツ. 駅ホームで警官突き落とす 重傷、殺人未遂で2人逮捕, 2007年12月23日 17:51.
in 中日新聞. 駅ホームで警官突き落とす 重傷、殺人未遂で2人逮捕, 2007年12月23日 10:51. [魚拓]
in 日経新聞. 駅ホームで警官突き落とす・殺人未遂で2人逮捕, 2007年12月23日 11:12. [魚拓]

 この事件は、例えばmixiニュースでは読売新聞と毎日新聞の記事が取り上げられていて、これに合計200を越す日記が書かれていたりなど随分反響があるように見えますが、それらの記事の後の23日夕方以降に各紙各局でより詳しく報道されているので、ネット上で確認出来る記事に一通り目を通してまとめてみました。

 まずTBSの14:37の報道によると、この警視庁の49歳の男性警部補は「警視庁地域部に勤務」となっていますが、昨夜以降の朝日新聞東京新聞の報道によると、この男性警部補は、警視庁通信指令本部第一指令課で110番の受理担当となっています。

 一方、10:01の読売新聞や上記の共同通信の記事では、犯人の2人はかなり酒に酔っていたと報道されていますが、その後の時事通信読売新聞TBSでは3人とも酒を飲んだ状態と書かれており、これが酔っぱらい同士の諍いというニュアンスになっています。

 大抵の報道では、駅員の目撃情報や犯人の取り調べから、電車内で中国人容疑者が大声で話しているのを警部補に注意され、車内で揉み合いになりそのままホームに出たという点では同じ内容ですが、上記の共同通信では「電車がホームに進入し3人に近づいてきた直後に、2人は警部補を突き落とした」と、明らかに殺意があったと思われる状況が書かれており、それは10:01の読売新聞にも同様の記述があります。

 これは勤務中の制服着用の警官を線路に突き落としたという事件ではなく、中国人の犯人が相手が警部補だとは認識していなかったと思われますが、これは明らかに殺意があった殺人未遂事件である事に違いはないでしょう。本人達は故意ではないと言ってるようですが、中国人が取り合えずそう言うのはお約束のようなもんです。

 犯人に関しては、19:29の読売新聞によると「調布市調布ヶ丘3、コンサルティング会社役員の李志(41)、国分寺市富士本1、同社員の金権(31)の両容疑者」となっています。



【続きを読む】
日頃ランキングにご協力頂きありがとうございます。

シェルとロールスロイスに中国のスパイ攻撃(英紙タイムズ)

 前エントリーで、イギリス経済の中枢部に人民解放軍、つまり中国政府が関与していると見られるコンピューターハッキングによる産業スパイのニュースが、今月1日に英タイム紙で報じられた記事を紹介しました。

 このタイム紙の報道にはまだ続きがあり、前記事では「ヨーロッパの最大級のエンジニア会社の一つと石油大企業」が中国からサイバー攻撃に会ったと書かれていましたが、2日後の記事ではそれが、ロールスロイス社とロイヤル・ダッチ・シェル社である事が書かれており、ロールスロイス社へのスパイはNATOの軍事機密目的、シェル社に関してはアフリカの油田開発に関わる情報、更にシェル内での組織的な中国人工作員の活動など、より具体的な内容が書かれています。

 このニュースは国内では同日のAFP通信[1]で一部紹介されています。




From The Times
シェルとロールスロイスの企業秘密が中国のスパイ攻撃を受けている
2007年12月3日 ザ・タイムズ紙 (英国)
ジェームズ・ロシーター


世界最大の旅客機エアバスA380に搭載されたロールス・ロイス製の超大型エンジン(2007年3月24日撮影)。©AFP/Bryan McManus
 ロールスロイス社とロイヤル・ダッチ・シェル社が中国のスパイ活動の被害に会っている事が、本紙の調査で分かった。

 情報筋によれば、このイギリス最大の技術企業と、世界で第二位の多国籍系石油会社の機密の商業情報を獲得する作戦が今年の初めに行われたと言う。

 大企業のコンピューターシステムへの侵入など、英国経済の中枢に対するスパイ活動を中国政府機関が支援していると言う英国保安部による警告に続いて、ロールスロイス社とシェル社に対するスパイ攻撃に関するニュースは伝えられた。

 ロールスロイス社のコンピューターネットワークに不正アクセスした中国が背後にいるコンピューターハッカーの攻撃は、保安部関係者に「もう少しで(システムを)破壊する所であった」と言わせた事からも、その様子は伝わって来る。ロールスロイス社のエンジンは、世界の多くの主要航空会社に使用されており、英軍や米軍などNATOの多くの加盟国の軍用機にも採用されている


 英国とオランダの合弁企業であるシェル社は、テキサス州ヒューストンでスパイのアラームに対処し、中国のアフリカにおける事業のために、シェル社の機密の価格情報を得る国家規模の諜報作戦で、シェル社で働く中国国籍の従業員がその作戦に利用されたと、情報筋は本紙に語った。


世界最大の旅客機エアバスA380の納入会見に出席したロールス・ロイスのジョン・ローズCEO(2007年10月15日撮影)。©AFP/LIONEL BONAVENTURE
 アフリカ諸国の大規模に埋蔵する石油の新たな油田の開発は、西欧の発達した経済の支援が必要で、それは国際石油会社の競争のターゲットになっており、急速に経済発展をする中国がそこに参入している。中国には膨大な石炭の埋蔵があるが、石油とガスには乏しい。


 ロールスロイス社のコンピュ−ターサーバーへの不正アクセスは「バーチャル攻撃」と呼ばれていると情報筋は言う。「中国の人民解放軍の(情報)活動はかなり前からあるが、最近特に活発化し、彼等はロールスロイス社内部のITシステムに不正アクセスしようとした」と語った。

 情報局保安部のジョナサン・エヴァンス長官は、「中国政府機関」による攻撃に晒されている銀行、会計士オフィスや企業のトップやセキュリティ責任者の300人に非公開の書簡を送ったと、本紙は今週末報道した。

 国家基幹防護センターのウェブサイト上のその概要には「書簡の内容は以下の内容をハイライトする:中国政府機関が支援する電子的な攻撃により、英国経済が打撃を被る可能性および、その攻撃が最新鋭のITセキュリティシステムを破るように設計されている事への長官の懸念」と書かれている。ロールスロイス社が、エンジン設計図や修理コードなど最重要機密情報を中心にして、そこに何重ものファイアーウォールでプロテクトしているのはその他多くのネットワークと同様の事である。

 ロールスロイス社のネットワークへの不正アクセスは、ウィルスに含まれたソフトウェアコードの特製トロイがサイトにダウンロードされた後に起こり、それは同社のITサーバー内部の情報を外部流出させた

 当初その不正アクセスは英国国内から行われたと考えられていた。しかしロールスロイス社のネットワークは北欧や米国など国際規模で広がっている。

 情報筋は「彼等は完全には内部に侵入しなかったが、それが十分に大きな攻撃であった事が懸念の材料である。探知される以前に彼等は「重要でない情報」とされる物を得ただけである」としている。


 米シェル社は、ヒューストン本社(テキサス州)における「特殊利益グループ」の存在を摘発した。それは中国国籍を持つ従業員グループで仕事の後に頻繁に会合を持っていた。しかしそのネットワークグループは「中国人リクルートの最前線」であった。

 それは中国国内に家族を持つ従業員がターゲットにされる「社会工作員」という形を取っており、彼等は「母国の利益のために」支援をするように言われ、「それは一種の脅しであり、中国人従業員は情報を漏洩するようにプレッシャーを与えられていた事を、このヨーロッパの石油会社はスパイの活動に気付きそれを暴いた」と情報筋は語っている。ロールスロイス社とシェル社は本紙の取材に対しコメントを避けた。

 プライスウォーターハウス・クーパーズ社の鑑識技術組合のギャロッド・ヘガーティ会計士は、どの会社のITネットワークへの不正アクセスも、ネットワーク上での総攻撃を難しくするために「ファイアーウォールと何重ものセキュリティシステムに守られた強固なものであるべきである」と語った。

Rossiter, James. Secrets of Shell and Rolls-Royce come under attack from China’s spies. Times Online, December 3, 2007. [魚拓]
訳:Red Fox

 なるほど、家族を人質に脅された中国人従業員が工作員になって産業スパイを行ったという、まるで映画のような話ですが、やはりエネルギー問題がネックのようですね。東シナ海の海底資源問題では日本と摩擦を引き起こしている中国ですが、経済成長を続ける中国にとって増え続けるエネルギー需要はかなり深刻な問題である事は想像に難くありません。その中国はアフリカ進出を目指してる訳ですが、シェルにスパイ活動を行ったと言うのもありそうな話ではあります。

【続きを読む】
日頃ランキングにご協力頂きありがとうございます。

英情報局保安部は中国のサイバースペーススパイの脅威を警告(英紙タイムズ)

 英国情報局保安部のエヴァンズ長官が英主要企業のトップら約300人に警告の書簡を送ったとの記事が、今月初めに産經新聞時事通信で報じられていますが、その情報ソースはいずれも英紙タイムズなので、元の記事を全訳してみました。


From The Times
情報局保安部は中国のサイバースペーススパイの脅威を警告
独占:情報局保安部長官が、英国企業にシステムが中国からの攻撃に晒されていると書簡を送る

ジョナサン・エヴァンズ長官は、銀行、会計士オフィスや企業のトップやセキュリティ責任者に非公開の書簡を送った。
2007年12月1日 ザ・タイムズ紙 (英国)
リス・ブレークリー、ジョナサン・リチャーズ、ジェームズ・ロシター、リチャード・ビーストン

 英国経済の中枢に、中国政府機関に支援されたスパイ活動が行われているとして、政府は公然と中国を批判している。それは銀行や金融企業のコンピューターシステムを含む。

 その空前の警戒で情報局保安部 (MI5) の長官は、「中国政府機関」による攻撃に晒されている銀行、会計士オフィスや企業のトップやセキュリティ責任者の300人に非公開の書簡を送った。ウェブベースのスパイ活動への関与で政府が中国を直接批判するのは初めてと見られる。エヴァンズ長官からのこのような警告が大っぴらに出されるのは、深刻な外交問題を引き起こし、年明けのゴードン・ブラウン首相の公式な訪中に影を落とす可能性がある。


 タイムズ紙に掲載されている情報局保安部の警告の概要は、政府のウェブサイトで発表された。そこではエヴァンズ長官が企業トップに対して「電子スパイ攻撃について警告」と書いている。

 国家基幹防護センター (Centre for the Protection of the National Infrastructure) のウェブサイト上のその概要には「書簡の内容は以下の内容をハイライトする:中国政府機関が支援する電子的な攻撃により、英国経済が打撃を被る可能性および、その攻撃が最新鋭のITセキュリティシステムを破るように設計されている事への長官の懸念」と書かれている。

 その上で更に「中国とのビジネスに強力な経済的・商業的な理由がある事は認めるが、経営陣はそのリスクを把握する必要がある」と警告されている。

 そのサイトへは、通信、銀行、水道、電力会社など国家の重要な根幹を担っている企業だけがアクセス出来る。この書簡は中国国内でビジネスを行う英国企業は、非公開の商業情報を盗むためにネットを利用している人民解放軍のターゲットになっていると警告している。昨夜内務省は、それは私信が漏洩したものだとしてコメント出来ないとした。駐ロンドン中国大使館の広報担当は、大使館が英国当局から何ら苦情を受けていないためその件は知らないとコメントした。

 その書簡を見たKPMG社のマーティン・ジョーダン主任会計士は「例えばある英国企業が中国国内の土地や会社や資産などを買収しようとしてる情報を中国側が掴んでいたなら、英国企業側がそれを買収するために幾らの資金を準備しているかの正確な詳細を入手するために、如何なる手段をも用いるだろう」と述べた。


 中国の攻撃によって最近危険に晒された企業は、ヨーロッパの最大級のエンジニア会社の一つと石油大企業であるとの情報をタイムズ紙は掴んでいる。しかし情報局保安部の警告に詳しい情報筋によると、その攻撃対象はロンドン市内に拠点を置く大企業に限った事ではなく、中国相手のごく小さな業務を扱う市内の法律事務所やその他のビジネスですら、潜在的ターゲットとして調査されているとの事だ。

 また、その書簡を見た安全保障の専門家は、中国人グループによって使われる技術は、特定企業のネットワークへハッキングして機密データを外部流出するように作られたソフトの「カスタム・トロイ」であり、情報局保安部の書簡は、中国トロイを特定するための「サイン」のリストと、攻撃に用いられたインターネットアドレスのリストが含まれていると言う。


 英国の政府と軍のコンピューターシステムが、中国やその他の国からの攻撃に晒されている事への大きな教訓が、今週の警告となっている。それは、中国のスパイ活動が「米国テクノロジーへの一つの最大のリスク」と米国で表現されたほど大規模であったと、先月米国議会で報告された矢先の事であった。

 その(米国の)報告書を書いた一人であるオックスフォード大学のイアン・ブラウン教授は、その攻撃はホワイトホール(英国の官庁街)のパスワードを解読を試みたもので、それを逆探知したら中国からのものであったと語った。その報告書では、中国はインターネットでのスパイ活動と攻撃が最も盛んな国であるとし、またその他の120カ国も同様の手口を使ってるとしている。

 英国のコンピューターシステムを防御している国家機関である国家基幹防護センターは、このサイバー攻撃で引き起こされた脅威は莫大であるとしている。


 世界各国の防衛省はデジタル戦争の未来に関するマニュアルを書き直している。今年米国は政府や民間システムへの3万7000回のハッキングの試みがあり、サイバー戦争への対策として米国空軍に4万人の新ユニットが配備された。

 この仮想犯罪報告書は、(ハッキングが) 興味本位の調査から、多額の資金を持ち組織立った軍事的・経済的・技術的なスパイ活動にまで発展した事を突き止めたとしている。

Blakely, Rhys, Jonathan Richards, James Rossiter and Richard Beeston. MI5 alert on China's cyberspace spy threat. Times Online, December 1, 2007. [魚拓]
訳:Red Fox

 中国の政府が関与したとするハッカー攻撃は今年8月にドイツのシュピーゲル誌が報じたり、英フィナシャルタイムズが9月に米国防総省のコンピューターネットワークが中国軍のハッカーに占領されたと報道、フランスのル・モンド紙がやはりフランス首相府へのハッカー攻撃を報じ、10月22日にはドイツ政府高官が中国によるサイバースパイ攻撃を非難、先頃は米タイム誌が中国の産業スパイを特集したりなど、欧米諸国のメディアでは中国の産業スパイを報じる動きが最近活発化しています。

【続きを読む】
日頃ランキングにご協力頂きありがとうございます。

『イマジン』の話

 『パワー・トゥ・ザ・ピープル』関連で、かの増田都子氏も登場するBBS『イマジン!!』のトップに、ジョン・レノンの『イマジン』をモチーフにしたと思われる文章があります。

イマジン!!

想像してごらん。国家なんてなく、
平和を求めて今日を精一杯生きている人々がいるだけだって。

国や宗教の違いのために、死んだり殺しあったりすることをなくすのは、
それほど難しくはないはず。

みんなが、この世界を分かちあって仲よく生きていきたいと、
夢みていることがわかれば…
イマジン. Teacup BBS. [魚拓]

 ベトナム戦争の時代の1971年に書かれたジョン・レノンの『イマジン』は、反戦平和主義と反国家主義のある種のバイブルのような存在の曲で、一部ではレノン自身がそのアイコン (偶像・崇拝) 的存在になっている感がありますが、実際にレノンが書いた詩は以下です。

ジョン・レノン『イマジン』 (1972年2月 マイク・ダグラス・ショーより)
John Lennon - Imagine (Live) (Mike Douglas Show) (3'23")

Julito1978. Imagine - John Lennon (Live). YouTube, October 23, 2007.

Imagine there's no Heaven
It's easy if you try
No hell below us
Above us only sky
Imagine all the people
Living for today
想像してごらん、天国はないと
想像はその気になれば易しいこと
足下に地獄はなく
頭上には空があるだけだと
想像してごらん 全ての人々は
今日のために生きていると
Imagine there's no countries
It isn't hard to do
Nothing to kill or die for
And no religion too
Imagine all the people
Living life in peace
想像してごらん、国々がないと
想像は難しいことじゃない
殺したり死んだりする理由はないと
宗教もないと
想像してごらん 全ての人々は
平和に暮らしていると
You may say that I'm a dreamer
But I'm not the only one
I hope someday you'll join us
And the world will be as one
皆は僕のことを空想家と言うだろう
でも僕ひとりだけではないのだよ
いつか君達も共になることを願う
そして世界は一つになる
Imagine no possessions
I wonder if you can
No need for greed or hunger
A brotherhood of man
Imagine all the people
Sharing all the world
想像してごらん 所有はないと
想像出来るかどうか分からないが
飽食も飢えも要らないのだと
人類は兄弟なのだと
想像してごらん 全ての人々が
全世界を共有していると
(訳:Red Fox)


ここでBBS『イマジン!!』の冒頭文をもう一度見てみましょう。
イマジン!!
想像してごらん。国家なんてなく、
平和を求めて今日を精一杯生きている人々がいるだけだって。

国や宗教の違いのために、死んだり殺しあったりすることをなくすのは
それほど難しくはないはず。

みんなが、この世界を分かちあって仲よく生きていきたいと、
夢みていることがわかれば…
イマジン. Teacup BBS. [魚拓]



『イマジン』レコーディング時期のレノン。英バークシャー州の自宅の録音スタジオにて (1971) (Imagine...All The Outtakes)
 似ているようでかなりニュアンスが違います。原詩では想像するのは難しくない」が、BBS『イマジン!!』ではなくすのはそれほど難しくないはず」と主題が「想像」から「実行」に変わり、「今日のために生きている/平和に暮らしている」「平和を求めて今日を精一杯生きている」探求的になり、「全ての人々が全世界を共有している」「この世界を分かちあって仲よく生きていきたいと夢みていると、主体的でむしろ所有的になっていますが、実際レノンはもっと達観しています。

 要するに原曲は、乱暴な言い方をすれば単なる独り言に過ぎないものが、この作品がある意味独り歩きした要因はつまり、これが能動的な政治運動讃歌に拡大解釈されたからという事。レノンの原曲は観念的で受動的な「想像してごらん」のユートピア思想でしかないのが、それが「実行してごらん」の活動家思想に変化した時点で原詩の意味は既に失われていると言えます。

 実際レノン本人は自分自身が特定の思想や政治運動に関わる事を嫌っていたようです。



John Lennon (1971)
(Photo from Amazon.com)
 ジョンレノンは1970年前後の数年間ベトナム戦争に関する平和運動をやっていて、『イマジン』はその中で作られた作品であることは確かなのですが、歌詞自体には「反戦」という直接的な表現はなく「宗教の否定」など内面的テーマの比重が高い詩である事が分かります。

 「天国も地獄もない」「今日のために生きている」と言うのはむしろ「死後の審判」など宗教の否定、「殺したり死んだりする理由」とは国や宗教という「枠組み」を指し、そして「飽食や飢えも要らない、人類は皆兄弟なのだ」は、人種問題と国家間格差のことを指しているように思えますが、宗教も国家も人種もいずれにしても彼にとっては「枠組み」であり、当時アメリカでは黒人公民権運動があったり、まだアラブやアフリカの多くが植民地だったりなど人種差別がまだ根強かった1960年代に国際結婚をしたレノンにとっては「枠組み」は大きなテーマであったのかもしれません。

 また、「いつか君達も共になることを願う」はこの詩においては「一緒に想像しよう」と言っているに過ぎない訳です。

【続きを読む】
日頃ランキングにご協力頂きありがとうございます。

ホームページ アフィリエイト レンタルサーバー FC2ブログ 専門学校