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『人体の不思議展』の謎の主催者

 『人体の不思議展』で展示されている中国製の人体標本は「生前の意思による献体」と主催者側は説明しているが、日本の『人体の不思議展』が中国で社会問題になり南京蘇芸生物保存実験工場が公安警察の取調べを受けるなど事件となった2003年当時の中国での報道を見たところ、日本に輸出された人体の出所が全く謎であり、これが献体との説明が成り立たない事は前回の2エントリーで扱った。

 また同展示会は実質的な運営者、つまり人体標本の法的所有者および企画運営者の実体が表に出て来ない非常に不思議な運営体制であるが、今回はその謎の運営団体に関して扱ってみる。

画像:2003年の東京展のチケット (人体の不思議展実行委員会/日本アナトミー研究所) (クリックで実サイズ) [A]

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主催には地元メディアが名を連ねる


2007年の長野展。主催はNBS長野放送/信濃毎日新聞社/キョードー北陸。 (クリックで拡大) [B]

 1999年にグンター・フォン・ハーゲンス氏の『人体の不思議展』(Body Worlds) が契約トラブルで日本から撤退した後[>>1]、中国から人体標本を調達して2002年に開始した現在の『人体の不思議展』であるが、その全国ツアー展示会の主催は各展示会ごとに、各地元の新聞社や放送局などのメディアが名を連ねるという形式で行われている。[>>2]

 その中で、過去の展示の記録を遡ってみると、主催や後援には各開催地の地元メディアや組織や医師会等が名を連ねている中、開催場所を問わず主催や企画運営でコンスタントに登場する名称が「日本アナトミー研究所」「マクローズ」「イノバンス」「人体の不思議展監修委員会」「人体の不思議展実行委員会」である。

 しかしこれらのコンスタントに登場する組織はどれ一つとしてウェブサイトを持たず、展示案内に記載されている問い合せ先の電話番号も各開催毎に設けられた臨時のものであり、企業概要等の情報も示されず、これらがどういった形態の組織なのかも、『人体の不思議展』のウェブサイトや展示案内、各展示の主催者である各地元メディアの宣伝においても言及される事はない。

 そして上記で挙げた組織をそれぞれの名称で検索をしても、『人体の不思議展』以外の業務実態が見つからないため、これらは人体展専門に作られた企業又は組織と見られ、企業情報もその実体も表に出て来ない謎の主催者なのである。

 いずれにしても『人体の不思議展』とはどこの誰が運営しているかが示されていない正体不明の展示会という形でこの8年ほど運営されているのである。


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