毎日新聞 4/21 13:05
安倍晋三首相は、今月末の訪米を前に米国メディアの取材に応じ、いわゆる従軍慰安婦問題について「人間として心から同情する。首相として大変申し訳なく思っている」と改めて陳謝したうえで「彼女たちが慰安婦として存在しなければならなかった状況につき、我々は責任がある」と述べ、日本側に責任があるとの認識を示した。
米誌ニューズウィークと米紙ウォールストリート・ジャーナルの取材に首相官邸で17日、それぞれ答えた。慰安婦問題については首相の「(旧日本軍による)狭義の強制性を裏付けるものはなかった」との発言に米国内から批判が出ており、首相は今月3日のブッシュ大統領との電話協議でも見解を説明、先月の国会答弁で「同情とおわび」に言及するなどしていた。今回の発言は日本側の「責任」も指摘することで、沈静化を図ったものとみられる。
一方で首相は強制性をめぐる過去の自身の発言について「私が初めて述べたものでなく、これまでの政府の見解を述べた」と説明。「ここで事実関係を述べるのはあまり意味がない」としたうえで、「(軍の関与を認め謝罪した93年の)河野洋平官房長官談話を私の内閣では継承している」と改めて強調した。
また、首相は憲法改正に関し「21世紀にふさわしい自分たちの国のかたちを物語る憲法を自身の手で書くことが大事だ」と強調。日米同盟の強化について「法的整備をしなければならない。憲法の関係についても集団的自衛権行使の研究をしなければならない」と述べた。【小山由宇】
◇米メディアに対する安倍首相の発言の要旨は次の通り。◆従軍慰安婦問題◆
慰安婦の方々に人間として心から同情する。そういう状況に置かれたことに、日本の首相として大変申し訳なく思う。(軍による狭義の強制性はないとした過去の発言は)私が初めて述べたのでなく、今までの政府見解だ。ここで事実関係を述べることにあまり意味がない。彼女たちが慰安婦として存在しなければならなかった状況に、我々は責任がある。非常に苦しい思いをしたことに責任を感じている。河野洋平官房長官談話を私の内閣は継承している。
◆拉致、北朝鮮核開発問題◆
拉致問題が解決しなければ、日朝国交正常化はなく、北朝鮮は未来をつくることができない。訪米の際、今後の北朝鮮政策について(ブッシュ大統領と)突っ込んだ話をしたい。
◆憲法、日米同盟◆
時代に合わない条項があり、プライバシーや環境といった盛り込まないといけない新しい価値観もある。21世紀にふさわしい自分たちの国の形を物語る憲法を自身の手で書くことが大事だ。その精神が大事だ。日米同盟をより強化する必要がある。そのため、法的整備をしなければならない。憲法との関係でも、いわゆる集団的自衛権行使の研究をしなければならない。
安倍首相が慰安婦問題に関して「謝罪した」と各紙各局で報道されていますが、上記の毎日新聞をはじめ日本のメディアの報道は全て、アメリカのニューズウィーク紙とウォールストリート・ジャーナル紙のインタビューが元になっているという事なので、一次ソースであるニューズウィーク紙の記事を見てみる事にしました。以下はニューズウィーク紙の該当記事の全文訳です。
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「我々には責任がある」イラン、中国、そして「慰安婦」に関して日本の首相
ラリー・ウェイマウス
ニューズ・ウィーク 2007年4月30日号
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今週、ブッシュ大統領はワシントンへ日本の安倍晋三内閣総理大臣を招待する。小泉純一郎前首相はブッシュ大統領と親交があり、大統領は日本の経済問題に取り組む彼の勇気を賞賛した。筋金入りの国家主義者の安倍首相は最近、第二次世界大戦時に売春婦としてやむを得ず日本軍に従事した中国人や韓国人の女性の苦情を却下するかのような発言で、米国他での論争を引き起こした。ニューズウィークのラリー・ワイマウス記者は先週、東京で安倍首相に憲法改正から中国との新た関係に至るまで、様々な問題に関してインタビューした。
以下はその抜粋:
ウェイマウス:ワシントンで何を達成したいと望んでいるか?
安倍:私は、日米同盟が唯一不可欠のものであると信じている。そしてこの関係を更に強固なものにするのに私の訪問が役立てば良いと思う。
ウ:北朝鮮の核開発計画に関する先の合意に関してどう思うか?
安:私はこの合意を歓迎するが、重要なことは北朝鮮が核兵器を捨てるために具体的な方法で行動するということだ。
ウ:1970年代に北朝鮮に拉致された日本人17人の問題が解決されるまで、アメリカ主導の取引に日本政府は参加しないと表明したことにより、日本が脇に置かれてると感じるか?
安:この問題では、日本と米国は完全に連携しており、この問題が未解決のままである限りは、六カ国協議の目的は達成されないだろう。拉致問題に進展がなければ、日本が北朝鮮へのエネルギー支援に参加しないことを全ての参加国が理解している。進展があれば、日本はより大きい貢献をすることができる筈だ。
ウ:あなたは何をもって進展と定義するか?
安:進展の問題に関しては、現段階で北朝鮮は誠実な対応をしていない。この問題の解決による日朝関係の正常化がない限り、北朝鮮が自らの未来を作ることは出来ないと考えている。
ウ:今までのところあなたは中国との関係改善には成功している。先週中国の首相が東京に来たが、これは過去7年間で中国の首脳の最初の訪問になる。
安:昨年の私の訪中の際に、共通の戦略上の国益を基にした相互メリットのある関係を樹立することを、中国の指導者と合意した。環境問題、エネルギー問題、北朝鮮問題、東アジアの発展、国連改革問題など、取り組むべき多くの問題がある。そして私たちの協力は日中だけでなく、アジアや全世界の利益になると考えている。
ウ:あなたはより強健な軍を求めていると言われている。それは自衛に限った憲法9条を変更すると言うことか?
安:憲法が制定されてから60年以上が経ち、時代にそぐわない条項もある。そしてご承知のとおりこの憲法は占領下において作成されたものである。国の形を反映した21世紀にふさわしい憲法が、私達日本人自身の手によって作られることが重要であると考えている。
ウ:ご承知のとおり「慰安婦」に関するのあなたの発言は米国内で反感を引き起こした。 韓国人、中国人その他の女性に、日本兵に性的に奉仕をさせるプログラムが帝国軍にはなかったと、本当にそう信じているのか?
安:戦時中の慰安婦として連れて来られた人々に対して、心の底から同情の意を伝えなければならない。一人の人間として私は同情を表し、そしてまた日本国首相として彼女たちに謝罪しなければならない。20世紀は世界中で人権が侵害された世紀であり、その点に関しては日本にも責任がある。私たちは自らの歴史を謙虚に受け止め、自らの責任を常に考えなければならないと考える。
ウ:帝国軍が女性たちを強制したと、今はそう考えているのか?
安:戦時中の慰安婦問題に関して、私の内閣は河野談話 [1993年に売春宿への日本の責任を部分的に認めた] を引き続き継承するとこれまでも表明して来た。当時の状況において慰安婦の苦労と苦しみを女性たちに強制した責任を私たちは感じている。
ウ:ワシントンの後に中東に行く予定だそうだが、核拡散というイランの脅威をどのように考えるか?
安:中東訪問の際には、特にイラン問題に関して中東各国の指導者と平和と安定の保障に関して議論したいと思う。今日の日本はイランと良い関係にあり、問題の平和的解決のために、イランの人々に伝える努力をしたいと思う。
ここで毎日新聞とニューズウィークの慰安婦の部分を比べてみます。
毎日新聞:
慰安婦の方々に人間として心から同情する。そういう状況に置かれたことに、日本の首相として大変申し訳なく思う。(軍による狭義の強制性はないとした過去の発言は)私が初めて述べたのでなく、今までの政府見解だ。ここで事実関係を述べることにあまり意味がない。彼女たちが慰安婦として存在しなければならなかった状況に、我々は責任がある。非常に苦しい思いをしたことに責任を感じている。河野洋平官房長官談話を私の内閣は継承している。









