Red Fox

ブッシズム

 アメリカには大統領をネタにいろいろ皮肉るという「大統領ネタ」の伝統があり、クリントンの時代など、愛人ネタはコメディショーの定番でしたが、クリントンが退任したらぴったり無くなりました。要するに現役大統領という「話題の人」をお笑いネタにするという事に意味があるようです。

 ブッシュが就任して以降はブッシュネタに移行した訳ですが、ブッシュ大統領になった途端に911が起き、そのままアフガニスタン侵攻からイラク戦争と、アメリカが対テロ戦争の時代になったので、ブッシュ大統領に関してはクリントン時代のハレンチネタから一転、戦争ネタと失言ネタがメインであり「ブッシュはアメリカ史上最もバカな大統領」というのが定番です。イラク問題が現在進行の状態で大手メディアではさすがに大統領バッシングは控えめですが(クリントンの愛人ネタの時に比べて)、ネットではかなり盛んです。

 以下はネットで出回っている有名なブッシュVSチンパンジーのパロディ。


I apologize for this latest entry. I can't find a chimp making a face as dumb as this one. - Rich
最近入手したこの写真に対して、ここまでのアホ面チンパンジーを見つけることが出来なかったことをお詫びします。リチャード

 アメリカン・ジョークは、日本人の感覚だとちょっとよく分かりにくいことが多いのですが、こういう子供じみた余りにも下らなさ過ぎるのを笑うみたいなところはあります。

 全般的にアメリカ人はサービス精神があり、いつでも楽しい雰囲気に持って行こうというある意味ポジティブ志向な国民性で、深刻な場面でも「希望を持て」みたいな雰囲気作りをする面はあります。例えば真面目な会議の場でも時折ジョークを交えて笑いを取るなど、雰囲気作りにアメリカ人は結構気を使うのですが、そういう点日本人の気の使い方とはややベクトルが違います。イラク戦争の時代は本来は深刻なのですが、こうやってパロディにして楽しんでウサ晴らしをしてるようにも見えます。

 以下はポスター販売サイトで見つけたブッシュ大統領をパロディにしたマグネットやポスターの数々です。ネタとしてはブッシュ大統領の失言や英語の間違いに関するものが多いのですが、ブッシュ大統領の演説での明言や失言集は「ブッシズム」(Bushism) と呼ばれています。


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ブッシュが聞いてるぞ。豚の言葉を使え。

テキサスの村は馬鹿者を失った

イエスならどうするか? (What Will Jesus Do?)

残念ながら私は妊娠中絶合法化支持ではない。

おりこうな犬

この堅物優等生の応援団長から第三次世界大戦を買うのですか?

「私の魂を救うには遅過ぎますか?」
「ふざけるなもう遅いわ!」

何て事だ、奴は思っていたよりずっと馬鹿だった。

ダクトテープの推奨利用法は、国家安全のレベルを上げるための使用である

どちらがより悪いか?
実習生を犯すのか、それとも国を犯すのか

父は選挙を買ってくれた。そして私が得たものはこの惨めな戦争だけだった。

「私はあなたの神聖さの大ファンです。私はダリーウッドに五回行った事がある」
*ダリーウッドはテネシーにあるテーマパーク

「より多くの輸入が外国から来ている」    ジョージ・W・ブッシュ 
*輸入が外国から来るのは当たり前

家族に食べ物を乗せるのが大変だという事は分かっている」    ジョージ・W・ブッシュ 
*「put food on your family table」の間違い
「(なぜか) あまり聞かれないのが、「子供たちは学んでいるのか」という質問だ 」    ジョージ・W・ブッシュ
*「Are our children learning?」の間違い

それは明らかに予算です。そこには沢山の数字があり黒字を意味する....余った金が表示されます。そうでなければ、剰余金と呼ばれることはない」    ジョージ・W・ブッシュ
*テキサス州知事時代の2000年5月、ロイター通信のインタビューでの発言。予算とは数字であるのは当たり前の話で、常識的に黒字が何であるかの説明も不要。

「失敗に対立するものとして彼等が成功を成功を引き継ぐ事を、野心が実現する事を願っている」    ジョージ・W・ブッシュ
*ここで用いられている単語「succeed」(引き継ぐ) はそれ自体が既に「成功したものを引き継ぐ」との意味を持ち、普通は誰も失敗を引き継ぎたいとは思わない訳で、常識的にはこの文章自体が不要。

 実行リスト
アフガニスタン
イラク
 イラン
 民主党支持州
 カナダ

戦争はあと4つ

馬鹿は修理出来ない

ブッシュとチェイニーは蜜月の仲

従うな

低能

ブッシュ
「人生の選択は何か?」
彼が我々の大統領だ!
*「What are life choices about?」の間違い

見ろよポピー!
僕にだって大統領が出来るんだ!

恐れよ!
何故ならパラノイアは愛国的であるからだ。

ブッシュは嘘を言った
数千人が死んだ

今言う事は
「さあ自由だぞ!」
それとも

「残りは皆殺しにしようか!」

大統領
嘘自動販売機

発言には気をつけろ!
(ブッシュが聞いてるぞ)

「最初にはっきりさせておきますが、貧乏人だから殺人鬼とは限らない   ジョージ・W・ブッシュ

「私が決定者であり、私が何がベストかを決定する!」
ブッシュ
これが我々の大統領だ!

ベトコンからヒューストンを救うためには、大柄でマッチョなチキンホークが必要である。
*Chikenhawk: 戦争など軍事活動に大いに賛成しているが従軍して戦地に赴いたことがない政治家

「彼等は私を過小評価をしている」    ジョージ・W・ブッシュ
*「misunderestimate」という単語は存在しない。「misunderstand」(誤解) と「underestimate」(過小評価) が混じってしまった模様。

戦争、それは何に役立つか?
A: 復讐 B: 政治的支配
C: 何の役にも立たない D: 石油
「嫌だ、観衆には聞きたくない..」

ドー! ダービャであと4年
『デイリー・ミラー』
一体どうしたら5905万4087人がそこまで愚かになれるのか?
*「ダービャ」はマスコミが名付けた小ブッシュのニックネーム。「59054087人」は2004年の選挙でブッシュに投票した人数

アメリカは
拷問はしない
「自由のくすぐり」

任務完了せよ!

59017382人
アメリカ人が間違う事はない

彼は彼の全てを捧げた。
だからサッカー少年のママ達はオフロードを楽しめる。
*第二次大戦のプロパガンダポスター風のパロディ。後ろにはフォードのリンカーンナビゲーターSUVの新車が見えるブラックジョーク。

一年前の今日、その言い訳を作るための時間に終止符が来ている
ブッシュ
彼が我々の大統領だ!
*現在完了系は現在の事を表し、「一年前」という過去は過去形になる。これは時勢の間違い。

「私を一度欺く者には恥あれ・・・私を騙し−もう二度と騙されない   ジョージ・W・ブッシュ
*テネシーの諺「私を一度欺く者には恥あれ、私を二度欺くことあらば、私に恥あれ」を舌がもつれて言えなくて更に言い間違った有名なエピソード。

『デイリー・ミラー』
トニー・ブレア首相とジョージ・ブッシュ大統領へのバレンタインデーのメッセージ
愛し合いなさい
戦争ではなく
*西欧のバレンタインデーは「愛の記念日」であって、日本などアジア各国に見られるようなプレゼントをあげる日ではない。
訳:Red Fox

 それにしても凄まじいまでのパロディの嵐ですが、アメリカの大統領は相当神経が太くないと勤まらないですね。(笑) ただし世界におけるアメリカの位置や影響力を考えれば、それだけ責任の重い立場ではあります。

 安倍前首相は就任以前から異様なまでの日本のマスコミのバッシングがありましたが、アメリカのこういうパロディはどこか笑いとユーモアを残してるのに対し、日本のメディアや野党にはこういうウィットさがないから陰湿な印象ばかり目立ちます。いずれにしても国のトップは並の神経じゃ勤まりません。




関連エントリー:
私が決定者(ブッシュ大統領への風刺替え歌) (2006.6.7)
世界貿易センターのパロディ (2006.6.3)






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コメント

私から見るイメージは、少しトロイが実直嘘を突き通せない感じです。
だからパロディ化されても怒らない。
フフンの誰かさんよりは、愛嬌があります。
マスコミもアサヒるマスコミよりは、このくらいはご愛嬌です。

  • 2008/01/26(土) 14:48:35 |
  • URL |
  • ねねこ
  • [ 編集]

ねねこさん

ブッシュ大統領はすぐに顔に出るので、ある意味正直な人なんだとは思いますよ。まあでもここら辺の明言のビデオがYouTubeに幾つかアップされていますが、コメント欄は悪口と罵倒の雨あられなんですが、アメリカ人は怒りながらも結局自国のためには団結するので、そういう点、わざわざ外国とのトラブルを作り出してまで徹底的に足を引っ張る日本のメディアとは違いますね。

  • 2008/01/26(土) 16:57:27 |
  • URL |
  • 文太
  • [ 編集]

文太さん、こんにちは。

さ、猿責めwこういった力業のギャグはアメリカのお家芸ですねw

宗教家を出すわりにはネタとして徹底していなかったり、父権やゲイで罵倒したポスターも数点ありますが、これらの製作者、手段はデモクラット・心はリパブリカン、といった所でしょうか。
恐らくは彼らの侮蔑の対象である紋きり調のネオコン的価値観が見え隠れするので、ギャグならぬ本気として見た場合でも「ねじれ」が楽しめますw

  • 2008/01/27(日) 11:47:16 |
  • URL |
  • ぐい呑み
  • [ 編集]

わちにんこです。
日本のはどう見ても特定アジアのそれに合わさっているようにしか思えません。
公人を叩き潰し続けて病気で倒れたり死んでも更にやり続けます。
安倍ちゃんの時が良い例で総理を辞職して療養に入っている時も
糞マスゴミ共は陰湿で悪質な批判報道を辞めませんでした。
特亜特有の死者に鞭を打つ文化をマスゴミが継承しているのです。
批判と言うのは実はその批判をした人間の本性がわかるものだと思います。
いずれにしても日本のマスゴミこそ批判され続けるべき存在でしょうね。

  • 2008/01/27(日) 12:22:39 |
  • URL |
  • 七神
  • [ 編集]

ぐい呑みさん

アメリカの場合は現在は共和党が保守で民主党がリベラルみたいな構図になっていますが、実際は民主党も政権を担って来た保守政党であって、そうすると一体「保守」(conservatism) の定義は何なのかが多様化し過ぎていてよく分からなくなりますが、例えばオーニシ記者のように、紋きりに「日本の保守主義者=戦前美化=悪」という、アメリカの大手紙がどうしてそういう馬鹿げた論調を掲げているのかが既に矛盾に満ちていますね。

そう言えば安倍前首相は左巻きから見たら、悪の権化のように扱われていましたが、そういう点、アメリカでもブッシュを批判していなければ戦争主義者のレッテル貼りをされてしまうような、そういう似た様な現象は見られますね。でも権力批判をしてれば恰好いいみたいな若者が多いのは国際共通ではあります。

  • 2008/01/27(日) 17:21:48 |
  • URL |
  • 文太
  • [ 編集]

七神さん

現在アメリカにおける反ブッシュと言うのは主にアンチキリスト教保守層と反戦が合わさった性格がありますが、日本の場合反保守は「アンチ天皇」「アンチ旧態依然とした日本」「反米」「戦前否定」という方向に行くので、そうするとその手段・道具として特亜と手を組むという構図に見えます。実際南京虐殺記念館の建設には日本の旧社会党が絡んでいたという情報もあります。

実は日本国内の諍いのために特亜が利用されているというのは、韓国はともかくとして中国はそれを絶対に認識しているので、どうもお互いに利用し合っているようには見えますね。特に「反米」が「親中」に流れるという傾向もあります。

ただあの日本の左巻き特有の陰湿さは中国にもそういう要素は強いので、ある意味似た者同士ではあります。ただ既得権争いとはその時点で十分「保守的」となる訳で、そういう観点からだと日本の大手メディアも「保守」となります。よく分からないですねw

  • 2008/01/27(日) 17:22:58 |
  • URL |
  • 文太
  • [ 編集]

恐らく初めて書き込みさせて頂きます。
ブッシュ妄言集、先日古本屋で見かけて買いました。100円でした(笑) 日本語での「妄言」の下に、小さく英語で原文が書いてあるので、「へぇ、英語ではこんな表現を使うのか」と、どちらかと言えば妄言よりそちらに惹かれて買ったのですが、ブッシュは本当にアホですね。少なくともそう見えます(笑)

クリントンの時代に散々不倫や何かが叩かれていたのは何となく覚えていますが、これがアメリカの伝統だとは初めて知りました。小泉を「ブッシュの妾」なんて揶揄するのがヒダリによく居ましたが、それよりは数倍愛せる伝統ですね。

  • 2008/01/27(日) 21:26:29 |
  • URL |
  • がばちょ
  • [ 編集]

何年か前にがばちょさんが挙げているブッシュ妄言録を読んだのですが、腹抱えて笑い転げた記憶がありますw
「私はテキサスだ」とか「カナダとメキシコの国境関係は良くない」とかw

なんというか、某色ボケ大統領の負債がなく911もなかったら愛すべきおバカとして記憶された気がw

  • 2008/01/27(日) 22:05:46 |
  • URL |
  • 祥平
  • [ 編集]

がばちょさん

去年の7月にブログを始めて以来がばちょさんのコメントは初めてですよ。嫌われてるのかと思ってましたw

言語と文化は切り離せない訳ですが、こういう風刺を見るとその国の文化が分かりますね。教科書では学べない事とはこういう文化的な面です。

例えば文法の間違いと言っても、単数複数とか時勢のちょっとした間違いであって、この手の間違いはリアルタイムの口語ならアメリカ人も結構やるし、例えば博士課程の留学生などちゃんと英語が書ける人でも喋らせれば間違いだらけです。でも英語という言語においては実際それは「恥ずかしい初歩的な間違い」で、一国の大統領がそれではという風刺ですね。

私が渡米したのはクリントン時代なので、それ以前のパパブッシュやレーガンの時代にどうだったのかはリアルタイムでは知りませんが、恐らく今のようになったのは少なくともベトナム戦争以降の伝統ではないかと思います。

特に第二次大戦後のアメリカ大統領でも例外中の例外はケネディで、ケネディ家が「アメリカのロイヤルファミリー」と形容されるほど彼はある種神格化された存在で、風刺ネタになる事はないように思います。

  • 2008/01/28(月) 12:30:36 |
  • URL |
  • 文太
  • [ 編集]

祥平さん

このエントリーのパロディでも幾つかあるのが、説明不要の事や当たり前の事をわざわざ言ったり、文法の間違いで頓珍漢な意味になったりなど、笑いネタには事欠かない点はある意味クリントンとは双璧ですねw

そういう点パパブッシュやレーガンやカーターなどそこまで面白いネタがないので、アメリカの大統領ネタはこの10数年で飛躍的に発展というか、政治風刺からバカ系ネタにシフトしたのではないかと思います。

例えば:
「カナダとメキシコの国境関係は改善した試しがない」
"Border relations between Canada and Mexico have never been better."
http://www.whitehouse.gov/news/releases/2001/09/20010924-7.html

これは911の2週間後の2001年9月24日の、カナダ首相との共同声明としての会見の一部ですが、文脈から考えれば、カナダとの国境とメキシコとの国境のセキュリティに関して言っている訳ですが、そこだけ取り出せば全然別な意味の文章になってしまうというネタですね。

この手のブラックジョークや文章の意味を読み替えたりなどの言葉遊びは『不思議の国のアリス』にも通じるイギリス流風刺辺りからの流れなのかなという気もします。

  • 2008/01/28(月) 12:31:11 |
  • URL |
  • 文太
  • [ 編集]

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