日本で中国の毒餃子がかなり大きな問題になっているようですが、このニュースが欧米でどのように報じられているかを見るために、記事を数本訳してみました。勿論これは日本国内の事件であるため日本のメディアが一番詳しく報じており、当事国の中国のメディアの報道の様子も日本のメディアである程度取り上げられているので、これらのイギリスの報道内容で特に目新しいものはないとは思いますが、それでもAP通信やロイター通信などの国際報道機関以外でこのニュースを一番積極的に報じているのが、先日からスパイ問題などで中国への不信感を露にしているイギリスメディアであり、Google英語ニュースで今日の時点で確認出来るものは他には、アメリカ、カナダ、タイ、フランス、オーストラリア、ブルガリア、スウェーデンなどでの報道ですが、『ザ・タイムズ』『フィナンシャル・タイムズ』『BBC』などの大手メディアが取り上げているのがイギリスに顕著です。
それではまず昨年に中国のスパイ問題を特集して扱っていた『ザ・タイムズ』の2月1日の記事です。
![]() From The Times 殺虫剤に汚染された中国産の餃子で数百人の日本人が中毒 リチャード・キンバー (東京特派員) ザ・タイムズ 2008年2月1日 数百人の日本人が殺虫剤に汚染された中国産の餃子を食べた後に中毒症状を訴え、日本各地の病院は、激しい頭痛、目眩や嘔吐に苦しむ人々の対応に追われている。 スーパーマーケットや学校は輸入餃子を回収したが、中には中国産の食品の販売を全て見合わせている商店もある。 安全への懸念から輸出への悪影響の危機に直面している中国当局は、日本政府に対し輸出前の検査では安全基準を満たしていたと再保証するために、中国食品安全局側が汚染の原因を調査を始め、餃子の製造と輸出が中止されている。関係者は輸出前の検査では安全基準を満たしていたと主張している。 肉と野菜の餃子は日本で非常にポピュラーであり、その殆どが冷凍で中国から輸入されている。日本は輸入食品への依存率が非常に高く、中国や米国から大量の輸入をしている。 人々の不安が拡大する中、日本政府は対策のための緊急会議を招集した。このスキャンダルはかつて最高の安全基準を誇った日本のメーカーの不祥事に続いて起こった。 この餃子の輸入業者は日本たばこ産業の子会社であり、23種類の製品の餃子の大規模な回収を始めた。昨日、商品回収に関するニュースが日本中に広まった時、全てのメインテレビ局は視聴者に対し冷凍餃子を食べないように警告を発した。 日本政府は、食品安全問題に関して中国との会談を行い、中国に調査団を送って餃子がどのように汚染されたかの原因を突き止める事で消費者に安全を再保証するように試みている。「国によってそれぞれ異なる安全基準があるとは思いたくありません。しかし『99%安全』であれば中国側では大丈夫であるという認識なのかもしれなせん。クレームにも拘らずこれらの事件は起こっており、私達は中国当局に何が起こったかの調査を求めています」と町村官房長官は述べた。 日本の野党は、中国食品の安全に対しより厳しい政策を取らないように政府を批判している。民主党の羽田雄一郎議員は「日本人は餃子が大好きで、これは人々の生活を脅かすことです」と語った。 中国にとってこの問題は、ペットフード、歯磨きやおもちゃなどの輸出の安全に関連する、以前から続いている一連のスキャンダルに更に追い打ちをかけるものであり、これは製造安全規格の改善に関してますます中国政府への国際社会からの厳しい目が向けられるものである。先月中国は輸出の安全に関するキャンペーンが成功したと発表したばかりである。 国民的現象2006に日本に輸入された餃子は40500トン 全国一の餃子消費量を誇る「餃子の街」宇都宮に年間80万人の「餃子巡礼者」が訪れる 東京のフードテーマパークの池袋餃子スタジアムに餃子専門店が12店が出店している ソース: japanguide.com; Quick Frozen Foods International |
しかしザ・タイムズは赤福など日本のメーカーの賞味期限誤表記や偽装に関して暗に触れていますが、毒物混入と賞味期限を同列に扱う方がどうかしています。そういう辺りがやはり捕鯨問題で日本を敵視するイギリスメディアらしいなという気がしなくもないのですが。 次はイギリスの大手経済紙の『フィナンシャル・タイムズ』の2月1日更新版の記事です。 |
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中国産の餃子が日本をパニックに陥れる
ジョナサン・ソビー(東京特派員)、ジェフ・ダイアー(上海特派員)
フィナンシャル・タイムズ 2008年1月31日 8:45 最終更新:2月1日 5:20
日本で少なくとも10人が殺虫剤が混入した冷凍餃子を食べた後中毒症状を訴え、そして更に数十人増える可能性があり、中国の危険な食品に関して国中が消費者のパニックに見舞われている。町村官房長官の1日の報道機関への説明によると、東京で餃子を食べた175人の日本人が中毒症状を訴えたとの事である。
そのパニックによって、福田康夫首相が31日に緊急会議に閣僚を招集した。彼が事件を「恥」と表現した後に。福田首相は「輸入食品に関してすらも注意をする必要があると、私に出来る事はそのように人々に言う事くらいである」と述べている。
町村官房長官は、食品安全に関する中国の姿勢に疑問を持ち、日本が中国からの輸入食品の検査を強化する可能性に言及した。
その餃子は日本たばこ産業の子会社によって販売されていたが、同社は直ちに天洋食品の冷凍餃子23品目を回収した。また、日本の他の食品販売業者は中国東北部の河北省の天洋食品の工場で生産された商品の販売を取りやめた。
この事件は昨年に起こった鉛塗装と欠陥タイヤのおもちゃなど、一連の中国の輸出品安全スキャンダルをまた更新する事になった。6月に日本では、産業化学物質を含んだ中国製の歯磨きが数百万本回収されている。この最新の事件は、中国の加工食品による中毒では日本で最初のケースである。
その10人の中毒は昨年12月下旬に確認されていたが、今週になるまで事件とは関連付けられていなかった。日本のメディアによれば更に80人近くの人が、31日に天洋食品の餃子を食べた後に目眩と吐き気を催したと訴えたとの事だ。
中国の製品安全局は、それは日本当局と共同管理であり企業が自主検査を行っており、日本に輸出された同製品のサンプル検査では殺虫剤の痕跡は検出されず、餃子は輸出前の安全検査を通過したと語ったと、新華社通信ではそのように伝えられている。
中国は食品と薬品の安全の改善を目的とした一連の取り組みを始め、昨年末には偽薬品や危険食品を撲滅するために800人近くが逮捕されたと中国政府は発表している。
中国製の食品輸入への管理強化は国内の食品価格にインフレを引き起こす可能性がある。日本貿易振興会によれば、2006年の中国からの食品輸入総額は82億ドル [約9020億円] であり、日本の輸入食品の17%を占める。
Copyright The Financial Times Limited 2008
日本における中国産の餃子の恐怖 BBC 2008年1月31日 (木) 11:12GMT
その冷凍餃子は中国河北省の天洋食品で生産されたものである。 日本政府関係者は、殺虫剤が製品に混入されたかパッケージ内に加えられた形跡があるとしている。中国側は輸出前の検査では殺虫剤は検出されていないとしながらも、製造停止を命じた。 問題は日本の報道で大きく取り上げられた事によって人々の不安をかきたてた事であり、政府はこの問題に関して議論する緊急閣議を開いた。 安全の恐怖問題は10人が餃子で中毒症状になった30日に始まった。餃子とは挽肉と野菜を含んだ薄生地包みを焼いたものである。 報告によると、5歳の女の子が重態で病院に収容されたとの事だ。未確認情報によると31日夜までに数十人に同様の症状が見られたとの事である。 日本側で販売を行っているジェイティフーズは餃子や同メーカーで製造された製品を回収している。 日本の町村信孝官房長官は中国当局に対し調査を依頼し、「中国側の食品安全の甘さが懸念材料である」と述べた。 中国の劉建超外務省報道局長は、2回分の生産の事前検査では安全が確認されたとし、「調査結果が発表される前に説明するのは論理的ではない」と彼は語った。 最近数ヶ月で、中国産の製品は安全の脅威を何度も起こしている。しかし日本国内にも問題があり、昨年製菓企業が賞味期限を誤表記した事を認めている。 |
「日本のメディアが騒ぐのが悪い」と言いたいようですが、BBCはどう見ても中国側に立って報道しているようにしか見えないのは気のせいでしょうか。被害拡大を防ぐために報道するのは当然の話。それともダイアナ妃を追い回したイギリスのタブロイド紙のようなゴシップメディアと同列に見ているのでしょうか。
BBCも日本の賞味期限の件を取って付けたように書いていますが、ジエチレングリコール入り風邪シロップや歯磨き、鉛塗装のおもちゃ、メラミン入りドッグフード、殺虫剤入りの餃子など、どうしてこの人達は明らかな毒物混入の数々と賞味期限を同列に扱うのか、これは比較の対象外であります。尤もBBCの場合は2005年に一方的な確信犯的反日記事を書いている前科が既にあるメディアではあります。
次は「e News 2.0」という、これもイギリスのネットメディアの記事です。
中国製の冷凍餃子で日本で10人が中毒になる ソフィア・キーナン eNews2.0 (英国) 2008年1月31日
日本の当局は、兵庫県に3人と、東京のそばにある千葉県で7人が水曜日に胃痛、嘔吐、および下痢の症状を起こし入院したと発表した。厚生省は5歳の女の子が重体であると発表している。 新華社通信によると、日本の政府関係者が入院した人々の嘔吐物とパッケージを検査したとの事である。翌31日には中国国家質量監督検験検疫総局 (AQSUQ) の王大寧輸出入食品安全局長は、人体に影響を与える量のメタミドホスは検出されなかったと発表している。メタミドホスは有機リン殺虫剤である。 王局長は、日本の当局は同時に生産された餃子2000パック以上を検査したが殺虫剤の痕跡を見つけなかったとつけ加えた。天洋食品は日本のみに餃子を輸出しており、この事件を受けて日本への輸出が全て回収されている。 中国の品質監視担当は31日、日本で中毒を引き起こした疑惑の冷凍餃子のサンプルの検査では危険な薬物は発見されなかったとしている。 AFP通信によると、中国の劉建超外務省報道局長は「(輸出の前に) 製造側は (豚肉) 餃子の生姜とキャベツを検査して基準を満たしている事を確認している」と語ったとのことだ。 日本側の輸入及び販売は日本たばこ産業の子会社のジェイティフーズは、市場から餃子を回収する事に同意している。 歯磨きやおもちゃ、ペットフードや海産物にすらも中毒物質が含まれていると報告された昨年の輸入警戒を受けて、中国で4ヶ月間の品質安全キャンペーンが12月に始まったにも拘らず、現在の状況は中国の安全対策に関する疑問を再び引き起こしている。 警察は現在状況を調査している。ロイター通信によると、毒物が混入したのが中国と日本のどこで起こったかどうかを日本の政府関係者は確認していないとの事だ。同情報筋によれば、昨年には日本の食品メーカー数社がクッキーや餅に関する生産日と賞味期限を誤表記を認めているとの事である。 © 2007 - 2008 - eNews 2.0 All Rights Reserved |
とりあえずイギリスではこんな感じです。これらの記事に続いて今日の英語メディアは中国側の主張の方を記事にしているようです。
それにしても、こちらのアジア系スーパーで冷凍餃子はよく買っていて、いつでも多少高い値段の日本のメーカーのものを選んでいたのですが、ひょっとして全部中国製だったのなら高い値段出しただけ意味がなかったようです。
関連エントリー:
・毒餃子の天洋食品 蒸し器で人間を蒸す 女性従業員死亡 (2008.2.6)
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