この『セカンドステージ』とは2005年6月に始まった45歳以上をメイン読者とした定年退職を照準にして生活や趣味やマネープランなどの人生設計のテーマを扱っている生活設計サイトで、「大人のブログ探訪」は様々な幅広いジャンルのブログを週一回のペースで紹介しているコーナーで、何かしらの「こだわり」をテーマにしているブログが軒並み揃っている。 この記事を書いた岡部敬史さんは、『別冊宝島』編集部出身で現在ブログ評論家として著書発表や講演活動、評論記事執筆などを行っていらっしゃる方である。 |
大人のブログ探訪『Red Fox』(日経BP「セカンドステージ」2008年7月3日)
http://secondstage.weblogs.jp/blog/2008/07/red-fox-ea64.html
当ブログがどうして熟年層をターゲットとする「こだわりブログ」コーナーに紹介される事になったのがいささか驚きであったが、岡部さんが当ブログを見つけたきっかけが恐らく先月の、秋葉原の通り魔殺傷事件の英タイムズの記事についた読者コメント欄の訳を扱ったエントリー『秋葉原の無差別殺傷事件、英米ではどう見られているか 英タイムズ紙の読者コメント』で、これはそこでの英国人や米国人などの書き込みをそのまま訳して載せたものである。
それが日経BPでは「生の声」と表現されており、思い起こしてみれば10数年前初めて海外生活を始めた時に、「今まで日本で見て来たテレビや新聞や本から入って来る外国の情報は全て他人の価値観のフィルターを通って編集・翻訳された2次情報であって、知識と理屈で理解出来る事と、実際に自分がそこにいて直接体験するのは丸っきり意味合いが違う」と、一種のカルチャーショックを感じた事が『Red Fox』の「こだわり」の原点であったかなとは思った(尤も最初に住んだのがアメリカでワースト10に治安が悪い地域だった事も大きかった訳ではあるが)。
一部の読者の方には「毎回エントリーが長い!」と不評の当ブログではあるが (笑)、その「生の声」や「原典」になるべく手を付けずにそのまま、自分の見解はニュートラルな解説程度か分析的なものに留めて、その原典自身が語るものを見るというスタンスがブログ開設時から一貫してやっている事であり、自己分析してみればそこら辺がその「こだわり」なのかもしれない。
岡部氏がもう一つ言及しているのが、当ブログで数度にわたってシリーズで取り上げた「自由チベット学生組織 (STF)」による万里の長城の「自由チベット」垂れ幕抗議を扱ったエントリーである。
これに関しては、日経BPでも「こういったニュースバリューが高い情報を知らなかったことが、一番ショッキングかもしれない」と書かれているように、不思議なほどに日本のメディアでは殆ど取り上げられないニュースである。
結局日本のメディアが報じないという事は、日本の視聴者が関心を持たないバリューのニュースであるという事なのか、メディアが報じないから視聴者が関心を持たないのか鶏が先か卵が先かみたいな話になってしまうが、一個人ブログであるからこそ視聴率やスポンサーの意向を気にしないで自分が注目したものを興味の赴くままに調べて行く事が出来るというのがまた個人ブログの勝手気ままな醍醐味である。
『大人のブログ探訪』の取材で聞かれた質問でも、特に「ブログを始めたきっかけ」「楽しかった事」「心に残っている思い出」「思い入れの強いエントリー」など、いざ真面目に考えてみると何を答えて良いのか一瞬答えに困るようなものもあったが、やはり原点を考えてみるというのは時々は必要な事だと再確認するきっかけにはなった。いつの間にか惰性に流され義務感に縛られがちになり原点を忘れ自分を見失ってしまうというのはよくある事ではある (笑)