プラスチック保存された本物の人体を展示する『人体の不思議展』という展示会が全国をまわっている話題はこの数年ネットでもよく目にする。
これは「故人の意思による献体」という説明がされていて[>>1]、喫煙で汚れた肺や病巣の臓器が展示されていたりなど、これまでは模型でしか見られなかった人体の仕組みを直に目にして、健康を考えるといういわゆる社会教育的な科学的展示会の性格が前面に出されているもの[>>2]であるが、その一方で、人体標本に不自然なポーズを取らせたりなど興行的な面がある点と、これらが全てアジア系の顔立ちで人体の男女比が著しく偏り、全体的に若く健康そうな人体でこれが全て自然死したとは考えにくいという指摘や[>>3]、妊婦や胎児の標本など、これが本当に「故人の意思による献体」なのか甚だ疑わしいようなものがあるなど、これが怪しい展示会ではないかという話題は以前から日本のネットでもよく出ていた。
動画![]() 『人体展:彼等はどこから来たのか』 ABCニュース報道スペシャル『20/20』 2008年2月15日放送 (18'46") [訳・字幕=岩谷] |
海外でも日本と同様に、ハーゲンス氏の『ボディワールド』に対抗する形で出て来たのが、米国の展示企業プレミア・エキシビション社による中国人標本展で、『人体の暴露展』 (Bodies Revealed) が2004年からイギリスで、同社が開催する『BODIES展』 (BODIES...The Exhibition) が2005年より米国で開始され、それが全米やヨーロッパを展示してまわっているという状況が現在でも続いている。
これらの人体標本展は海外でも大成功で巨額の収益が上がり、知名度が高まるとともに日本と同様に、どう見てもアジア人に見える人体標本の出所が中国である事に懐疑の目が向けられるようになり[>>7]、更に本物の死体を展示する事への倫理的・宗教的な見地から疑問の声も上がるようになっていた。
そういう中、今年の2月15日に米国のABCニュースは、その報道特集番組『20/20』において、米国のプレミア・エキシビション社が開催するプラスチック保存された人体を展示する『BODIES展』で人体や人体パーツに中国の死刑囚が用いられている疑惑を独自の取材によってスクープし、中国に取材班を送ってその所在地が周到に隠蔽されていた人体工場に隠しカメラで潜入、更に元人体闇市場の関係者から米国の展示に死刑囚の死体が流通しているとの証言と、その人物から提供された死刑囚の闇取り引き現場の写真を報道し、全米に大きな衝撃を与えた。
この番組と中国の人体闇市場に関連した記事がABCニュースのウェブサイトに複数掲載されているので、これから数回にわたってそれらの記事とその関連情報を特集しようと思う。
今回は、『20/20』の番組放送の前日に出された予告編のような記事で、ハーゲンス氏が中国から入手した死体に処刑の跡があったため中国の人体市場から撤退したニュース、そして後半にはABC『20/20』のために取材されながら、番組では殆ど使われなかったハーゲンス氏のドイツにある人体工場の写真レポートとその訳を紹介する。
なお、番組放送当日の2月15日に出た『20/20』の番組内容に関連した複数の記事は第二弾エントリーと第三弾エントリーで扱う。
![]() 独占スクープ:中国人人体の闇取引 人体展の発明者によれば、処刑された受刑者が一部含まれている可能性のため中国からの人体使用を中止したとの事 ![]() ABCニュース 2008年2月14日
30以上の都市で数百万人の入場券売り上げがあった人体展は、液状プラスチック処理で保存された人体を見せるものである。それらの皮膚を剥がされ手入れされた人体はフットボールを投げたりポーカーやチェスをプレイするなど様々なポーズを取る。 ABCニュース『20/20』で金曜日に放送されるインタビューでグンター・フォン・ハーゲンス博士は、2006年に中国が商業目的での人体輸出を禁じる法令を出したにもかかわらず、欧米に人体を輸出する中国の企業に地下闇市場から人体の提供があったと述べている。 中国外交部の報道官は、その疑惑に関して調査をしていた事を明かした。
ハーゲンス氏によれば、中国で受け取った人体のうち処刑された囚人と疑わしい外傷のある複数を火葬しなければならなかったそうだ。それらの人体は教材として中国の医大によって手配されたとのこと。中国の大学から受け取った全ての中国人の人体は教材として利用し、公開展示に利用した事はないとハーゲンス氏は述べた。 ハーゲンス氏は「中国の標本を取り扱う事はもうあり得ない」と述べた。中国にある彼の工場は現在動物標本のみを扱っているとの事である。 ヨーロッパの複数の新聞に「ドクター・デス」と呼ばれたドイツ人の博士は「人体展が組織的な利益のためにハイジャックされたのではないかと憂慮している」と語った。 ハーゲンス氏によれば、現在ボルティモアやミルウォーキなど各地で開かれているショーで用いられている人体は、展示に用いられる事を生前に希望したヨーロッパ人のドナーであると述べた。 ハーゲンス氏はその主張の裏付けとしてドナーの資料を『20/20』に提供した。 ポーランド国境の町、ドイツのグーベンにある人体工場で行われたインタビューで彼は「それらのドナー達は私達の活動の範囲を正確に理解していた」と語った。 ハーゲンス氏はインタビューで、「プラスティネーション」処理はそもそもは医学部のための標本として1975年に開発されたと語った。 1995年に東京で最初の公開展示を行って以来世界各地で行われたショーで数百万ドルの収益を上げ、それは大きな論争を引き起こした。 アトランタのラビ・ルイス・フェルドシュタイン師 [ユダヤ教] は「エンターテインメントのために痛ましいポーズを取る死体を見る事で人々が楽しんでいる」と批判し、それは「かつて生きていた人生への尊重」のスタンダードへの冒涜であると見解を出している。 今月初めにカリフォルニア下院は、それぞれの人体が「インフォームド・コンセント」に基づいて提供されたものであるとの証明を必要とする法律を上院に通過させた。 この法案の提唱者であるフィオナ・マ議員は「皮膚は剥がされ体の各部分は露出し、その展示で誰かが数百万ドルを儲けているような、このような形で身内が展示される事に家族が同意したとは、中国人の血を引く一人の人間としてそのような事は考えられない」と語った。 ハーゲンス博士はカリフォルニアの法案を強く支持する事、そしてそれが世界中でのスタンダードになるべきであると語った。「特にドイツ人として、[私達の国の] ナチスの過去に鑑みて、非倫理的な罪悪へのいかなる些細な疑いをも回避するために自制しなければならない」と述べた。 [訳=岩谷] (原文:英語) (写真とリンクは元記事付録)
*本翻訳の転載には許可を必要としないが必ず出典元を明記の事。 Ross, Brian, Rhonda Schwertz and Anna Schecter. "Exclusive: Secret Trade in Chinese Bodies". ABC News, February 14, 2008. [魚拓 1 2]
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以下はテレビニュースをまとめたABCウェブの写真レポート。『人体展』の展示標本の写真のため、ややグロ画像注意。
この写真レポートは2月15日に放送されたABCニュースの報道特集番組『20/20』の『人体の展示 しかし彼等はどこから来たのか?』のために取材され番組内では一部しか紹介されなかったハーゲンス氏の工場での取材を中心に紹介しているもので、放送された『20/20』でメインで扱っているのは、中国からの死刑囚の使用の疑いがかかっているプレミア・エキシビション社の人体展『BODIES展』とその人体提供業者の大連医科大プラスティネーション社に関しての調査である。
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(Photos: ABC News) [訳=岩谷] (原文:英語)
*本翻訳の転載には許可を必要としないが必ず出典元を明記の事。 ABC News. "Human Bodies on Display: Where Do They Come From?", February 2008.
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![]() 中国でハーゲンス氏に死体を調達していた大連医科大の隋鴻錦教授の著書『人体世界』の頭部血管標本の写真に弾孔らしき穴がある事が労改基金会の呉弘達氏に指摘されている。 (Observe China) [>>8] |
ここで批判をされているのは「故人の尊厳」という観点からの倫理的問題が当然含まれるが、しかし捜査でまず問題にされたのは、「医学教育目的」という名目で輸入された人体がエンターテインメントとして展示され巨額の収益を上げているという点と、その人体がどこから来たかを主催者側が把握をしていないという点である。
ハーゲンス氏は1996年に大連医科大の客員教授として招かれ、かねてから人体をエンターテインメント使用している事でヨーロッパで批判されていたハーゲンス氏は、中国の人件費の安さと人体入手が法的に規制されていないという条件から中国に進出[>>9]、大連医科大学の隋鴻峰教授の誘致で1999年に大連に人体工場を開き、技術指導をして大連医科大側に人体の調達を任せていたところ、そこに死刑囚が紛れ込んでいただけでなく高額な報酬を要求され、最終的に2000年に大連医科大側と決裂している。[>>10]
そして、ハーゲンス氏からプラスティネーション技術を習得した中国人が、人体工場を設立して特許お構いなしに人体標本の製造を始め中国国内で海賊版人体展を開催し始め[>>11]、2002年に日本では南京蘇芸生物実験工場で製造された人体標本を用いた『人体の不思議展』が開始、2004年には大連医科大プラスティネーション社製造、同年プレミア・エキシビション社主催の人体展『人体の暴露展』 が英国ブラックプールで開始、そして2005年に大連/プレミア社の『BODIES展』がアトランタで開始という流れになっている。
~人物~
グンター・フォン・ハーゲンス
![]() (Body Worlds) [A] |
グンター・フォン・ハーゲンス氏 (*1945) はアルトスカルデン (現ポーランド領スカルミリョーネ) 出身、東ドイツ育ちのドイツ人解剖学者で、父親が元ナチス親衛隊の料理人。24歳の時にチェコとオーストリアの国境を越えて西側への亡命を試み2年間投獄された後に、西ドイツで博士号を取得という波瀾万丈の半生を送った人物で、1977年にプラスティネーションを発明し翌年に特許を取得。
1995年に東京で『人体の不思議展』(Body Worlds) を開始して以来人体展示を世界の各都市で開催し、ポーズを取った人体標本や妊婦の標本の展示、また2002年にイギリスのテレビで生放送の人体解剖を放送し、いろいろ物議を醸し出す事を好んで行う人物である。
ラビ・ルイス・フェルドスタイン
統一ユダヤ連盟研究分析部門副会長
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番組内では特にユダヤと言及されていないが、彼の肩書きの「ラビ」がユダヤ教宗教指導者を意味するため、アメリカの番組においては説明不要という事である。
関連サイト・関連記事
唸声中国/死刑囚の遺体を人体標本に(衝撃写真注意) (唸声の気になるニュース 2008.2.17)中国、闇の死体マーケットの存在 (エルエル 2008.2.21)
関連記事:
2006年8月に、ニューヨーク・タイムズが米国で初めて、中国発の人体の出所の怪しさを報じ、プレミア・エキシビション社がそれらが「引き取り人のない死体」と言及され、ハーゲンス氏と隋鴻錦氏の確執に関して報じられた記事。

中国が展示用ミイラを製造
デビッド・バーボザ
ニューヨーク・タイムズ 2006年8月8日
![]() Ryan Pyle for The New York Times
中国の大連で、世界中の博物館で展示するための人体パーツを準備する工場職員 |
【大連 (中国)】この沿岸都市の輸出製品製造業エリアの裏側に隠れている物。それは現代ミイラ工場としか表現出来ないものである。
Multimedia![]() 動画:中国の恐ろしい新工業 ![]() Ryan Pyle for The New York Times
中国の大連のプラスティネーション協会で展示用人体を準備する職員。このような施設は中国で近年に数カ所オープンしている。
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一連の無票の建物の中では、数百人の中国人の労働者が組み立てラインに座ったり、人体を手入れ、解剖、保存、再処理を行い、国際的な展示会マーケットのために準備している。
化学保存料のホルマリンで満たされたステンレス容器の中の死体の頭の覆いを作業チームが持ち上げ始めた時、一人の中国人管理者が「カバーを外せ。顔を見よう。顔を見せろ」と言った。
この作業の立案者はドイツ人科学者のグンター・フォン・ハーゲンス博士 (61) で、彼のショー『ボディワールド』は世界で過去10年間で2000万人を魅了し、保存された皮膚のない人間の死体のはっきりした筋肉と丈夫な組織で2億ドル以上を稼いだ。
しかし今、数百万人の人々が『ボディワールド』と同様の展示会を見に押し寄せ、不気味な新しい地下産業が中国に現われた。
政府の取締りは殆どなく、安値な医大労働や、入手し易い死体や臓器の豊富さに --- その多くが中国とヨーロッパから来ているように見える --- この数年間で少なくとも中国に10箇所の人体工場がオープンしている。これらの企業は展示会からの注文で定期的に応じ、日本、韓国や米国に保存死体を発送している。
人体ショープロデューサーの熾烈な競争は、著作権窃盗と、臓器やその他人体パーツの盛んな地下取引の繁栄を許していると評判の国家における不正人体取引競争への非難を引き起こした。
ここ中国では、誰が人体ビジネスにいて、人体がどこから来るかを見付けるのは容易ではない。中国で人体展を開催する博物館は決まって、誰が人体を供給したかを突然「忘れた」と言い、公安当局者達は人体に関して彼等が何をしたかのストーリーを定期的に変え、そして大学はそのキャンパスでの人体保存実施の存在を最初は認めたものをその次には否定したりする。
人権活動家達はそれらの展示を、精神病患者や死刑囚の体を使っているフリークショーであると批判している。6月にここから300キロ北東の丹東市では警察が農村で10体の死体を発見した。政府によればこれらの人体は、人体保存ビジネスに不法に関わった外国人が融資した企業に使用されたとの事。
不法人体取引の拡大の懸念から、中国政府は7月に人体の売買を禁止する新法を発令し、研究目的以外の人体標本の輸出入を制限した。しかしその法律が工場にどのように影響するかは不明確である。
マンハッタン南のサウスストリート・シーポートで現在開催されている『BODIES展』を創設した世界最大の展示企業のプレミア・エキシビション社は、その新法をまだ見ていないとし、コメントを拒否した。
フォン・ハーゲンス氏は、彼がヨーロッパで研究所を運営し、展示では中国人の人体よりもヨーロッパでの献体を主に使用しているため、新法が彼の業務に差しさわる事はないとし、新法を歓迎するとしている。
新法では、中国人の人体が米国での展示用に輸出される事を防ぎ、数千万ドルの損失が生じる可能性がある。
1990年代にタイタニック号の引上げ品の展示を始めたアトランタの上場企業のプレミア・エキシビション社は、最近中国からの人体の安定供給の保証に対して2500万ドルを支払う事に合意している。人体調達に関する新しいリスクや、市場が飽和する見通しにかかわらず、プレミア社は人体ショーが世界に広がる事に未だに賭けている。
プレミア社のアーニー・ゲラー代表は「弊社の人体ショーは恐らくタイタニック展を凌ぎ、恐らくそれは半分の時間でそれを達成する」と述べた。(中略)
ワシントンにあるコンサルティング企業のインフォーマル・ラーニング・エクスペリアンス社で博物館展示を扱っているロバート・ウェスト氏は「それは驚異的ショーであり、このような物は1980年代の恐竜ロボット展以来見た事はない」と述べた。この産業は人体の出所への疑問に常に付きまとわれる。プレミア社は、公安局が医大に与えた引き取り人のない死体を使用しており、死刑囚や不自然な死因のものは一つもないと表明している。
![]() Ryan Pyle for The New York Times ダチョウを持った職員と一緒の、施設長の科学者グンター・フォン・ハーゲンス博士。
![]() Ryan Pyle for The New York Times
神経と血管を露出した手。
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ゲラー代表は「弊社は直接 (人体入手に) 携わっていないが、道徳的に法的に正しい事を望んでいる」とし、「私達は全体のプロセスを辿り、そこに死刑囚の可能性はない」と述べた。
しかし、大連の税関局と大連医科大学の関係者は、プレミア社への供給者が人体を入手し海外での展示に輸送した事を示す記録がないと言っている。
大連医科大の広報のメン・シャンツー氏は「それらの人体がどこから来たかが分らない」と述べた。
大連で1999年に最初に大規模人体保存工場を開いたハーゲンス氏は、新法を受け入れるとしている。
ハーゲンス氏のプラスティネーション協会とプレミア社の激しい競争は、著作権と『Body World』の名称の権利に至るまで全てにわたって法廷に持ち込まれた。それぞれがライバルに対し、中国から人体を得る非倫理的な行動に関わっているとお互いに主張している。
ハーゲンス氏は「全ての模倣展示会が中国から来ており、その全てが引き取り人のない死体を使用している」と述べた。
プレミア社の代表のゲラー氏はハーゲンス氏に反論する。「彼は全身人体標本が全て献体と言っているが、臓器は献体でない可能性がある。彼が言っている事を注意深く聞いてほしい」
この緊張状態の理由の一部は、プレミア社の独占的人体供給者が、ハーゲンス氏の大連に於ける事業の総経理 (社長) であった隋鴻錦氏である事である。ハーゲンス氏の総経理として働きながら隋氏は秘密に大連で自分自身の人体事業を行ったために隋氏を解雇したと主張している。
大連で人体工場を運営する隋氏はインタビューを拒否した。
ハーゲンス氏は中国での競争相手への調査を行っているという。中国に工場を開くその他の外国企業と同様に、プラスティネーション協会が中国人の企業家の犠牲になったからである。彼等は「模倣」ショーを始め人体マーケットに参入しているが、人体は適切に保存されていないという。
これを問題にするために、ハーゲンス氏は大連の施設に二人のジャーナリストを招待し、それが中国での人体保存の最初の中心地であると言った。
また彼はこのビジネスをなぜ始めたかも話した。東ドイツで育ち、亡命を試み20代で投獄され、その後西ドイツに来てそこで医学学位を得たという。
1970年代に、水分をポリマーやプラスチックと置き換えて死体を保存するプラスティネーションという方法を考案した。彼は「プラスティネーション人体」とともに世界のツアーを始め、最初の展示は1995年に日本で開かれ、そこで300万人が訪れた。
最初の頃は、ヨーロッパで人体標本を見せる事は困難であったという。彼はドクターデスとかドクター・フランケンシュタインと呼ばれ、ヨーロッパのメディアは彼をナチスの殺人収容所のヨーゼフ・メンゲレ医師と比較した。
そしてハーゲンス氏は中国に来て、そこで安い労働力、熱心な学生、人体入手への政府の制限が余りない事を見付け、基本的のは彼の実験と医学研究目的のためにそれらを用い、展示用ではなかったという。
ハーゲンス氏は、彼の元総経理の隋氏に関して「ここに来た時、中国人の人体に何の問題も生じないと彼は言って、引き取り人のない死体を使う事が出来ると言った。今それは問題があるが、その時は何の問題もなかった」と述べた。(中略)
大連のおよそ260人の職員が年間約30体の人体を処理する。職員達はまず人体を解剖して皮膚と脂肪を取り除き、そして人体の液体成分を化学ポリマーに入れ替える機械に人体をいれる。彼等は月に200~400ドルを稼ぐ。
ポジションルームという大きいワークショップでは、約50人の医大卒業生が死体に作業を行う:死体の脂肪を取り除き、座ったり立ったりの姿勢にして、ギターを持たせたりバレーを踊るような恰好にして死体を生きているようなポーズにする。
ハーゲンス氏は「私の元総経理ですらも『死人を死んだ馬に乗せるポーズに本当に出来るのか?」と言っていたが、これが本当のクオリティだと決めた」と語った。
*本翻訳の転載には許可を必要としないが必ず出典元を明記の事。
脚註:(脚註を見る)
写真:
- ^ Body Worlds. "Dr. Gunther von Hagens, Body Worlds".
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