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ニューヨーク州検察が人体闇市場の調査を開始

 2008年2月15日に、米国のABCニュースが報道特集『20/20』の『人体の展示   しかし彼等はどこから来たのか』で、米国アトランタのプレミア・エキシビション社が運営する疑惑の人体展『BODIES展』(BODIES... The Exhibition) で展示されているプラスティネーション人体標本に中国の死刑囚が用いられている疑惑をスクープし、全米で大きな反響を呼んだ。

 番組では、人体のエンターテインメント利用に疑問を呈する宗教界や解剖学界の声として、統一ユダヤ連盟のラビ・フェルドスタイン副会長や、米国臨床解剖学協会のトッド・オールソン氏、そして人体展規制法案を提出したカリフォルニア州のフィオナ・マ議員のインタビューの他、人体をオンライン販売する企業の存在や、中国で人体売買が禁止されて以降も米国に「プラスチック模型」として輸出され続けている事を突き止め、プレミア社が人体入手元と主張する大連医科大プラスティネーション工場をABCニュースの取材班が探し当て隠しカメラを持って潜入、更に元人体闇市場関係者と称する人物から死刑囚の死体が米国での展示に流れているとの証言と、同人物から提供された死刑囚の死体の取引現場の写真を報道したという、ABCニュースの取材力の高さが印象的な番組である。

 またこの番組には、プレミア・エキシビション社のアーニー・ゲラー代表が出演し、ABCニュースが中国で取材したVTRを見せながらのインタビューが行われ、死体取引現場写真を見て動揺しながらも中国側の説明を繰り返すだけのゲラー代表、そして人体展を主催するプレミア社側が人体の出所を全く把握していない様子も映されている。


 この番組が放送された当日には、番組の予告編のような形で、ニューヨーク州クオモ検事総長のプレミア社への公式調査を報じた記事、『20/20』の放送内容を概略した写真レポート、そしてABCニュースの取材に全面的に協力したと見られる米国の反中共団体の労改基金会の呉弘達代表を紹介する記事と、労改基金会が提供した中国の死刑執行写真数枚がABCニュースのウェブサイトに掲載された。
 同日、更に労改基金会が『中国情報センター』サイトでこの問題に関する呉弘達氏による詳細にわたるコラムと、ABCの番組中で紹介された死刑死体取引現場の写真を発表するなど、2月15日は人体展と中国の闇市場に関する様々な情報が一気に公開された日である。

 このエントリーではまず、ABCニュースのクオモ検事総長の記事と写真レポートの訳、そして労改基金会が公表した死刑死体取引現場の写真9枚を紹介して、残りは次回エントリーで紹介する事にする。

[特集『人体展と中国の人体闇市場』トップページに戻る]





ニューヨーク州検察と中国当局が人体闇市場を調査
人体闇市場に関わったとする人物が、一体200-300ドルでの「人体取引」に関して語る
ブライアン・ロス、ロンダ・シュワルツ、アンナ・シェクター
ABCニュース 2008年2月15日


 中国当局とニューヨーク当局は、米国での展示会に死体を供給している中国人人体の闇市場で、処刑された囚人が取引されている疑いがあるという疑惑に対する調査を開始した。


人体の闇市場の関係者という人物によれば、この写真は処刑された囚人などの人体が実質200ドルで取引されている場所で4年前に撮影されたものだという。その人物は後にこの施設で人体を購入し、そのうち数体は中国国内の医大に送られ、数体が米国の展示に人体を供給している大連の企業に送られたと証言している。
(ABC News) More Photos
 ABCニュースは今夜の『20/20』で、死刑囚を含む死体が人体取引所において一体200-300ドルで取引されているという、人体闇市場の関係者とする人物による証言を報じるが、検事総長による調査はその流れを受けて開始されたものである。

 身の危険の恐れから匿名を希望しているこの人物は、取引可能な人体を見せられたその施設で自身が撮影した写真を提供した。

 彼は二回目の同施設の訪問で人体の選定を始めたが、その時は写真撮影は出来なかったとの事。その人物によれば、米国で展示されるプラスチック保存死体を提供している中国の企業に、そこで入手した人体の数体が送られたとの事である。

 数十の都市で人体ショーを開催したアトランタのプレミア・エキシビション社に対して、ニューヨーク州検事総長からの召喚礼状は木曜日に送達された。

 その令状には、アンドリュー・クオモ検事総長のオフィスが「米国で展示された人体の入手方法に関して公表されている説明が実際虚偽でないかどうか」を調査していると書かれている。

 プレミア・エキシビション社側はその調査に全面的に協力するとしている。
 プレミア社は公式声明において、入手した人体の全ては中国の大連にある大連医科大学のプラスティネーション研究室から提供されたものであると発表している。

 大連医科大学の唐健武学長はABCニュースに対して、大学側がプレミア社やその他のいかなる会社にも公開展示のために人体を提供した覚えはないと述べた。

 プレミア社の人体展『BODIES展』 への人体の提供は、実際は大連医科大学から20km離れた「大連医科大プラスティネーション研究所」という企業によって行われていた。

 この企業は大連医科大の教授によって運営され、同教授によれば、大学は当初は70%の業務を受け持ち人体を提供していたが、悪評判が立ったために最近撤退したのだという。

 また一方で、疑惑の人体闇市場への調査をこれまで行っていた事を中国外交部が発表した。それは商業目的での人体の輸出が2006年に法律で禁止されたにもかかわらずプレミア・エキシビションに人体が送られているとの疑惑を含むものである。
 外交部の劉建超報道官は木曜日に北京での記者会見で「衛生部はこの報告に対して注意を払っており、この調査のために政府の各関連組織と連携している」と述べた。

 プレミア・エキシビション社のアーニー・ゲラー代表はABCニュースに対して、中国の人体提供者から受け取った人体の一部が処刑された囚人であるとの疑惑を聞いて驚愕したと述べた。

 ゲラー代表によれば、医療スタッフがその件に関する何の証拠も見た事はなく、人体提供者から「大連医科大学を通過した人体は全て合法的で引取人のないもの」と保証されたとし、「私達の仕事相手にすらももし実際にそのような結果が起こりうるなら、私達はその件に対し直ちに何か手を打たなければならないという事になる」と述べた。

 処刑された囚人の死体がプレミア社の展示に使われていた事を裏付ける決定的な証拠はないが、しかし事実としてゲラー氏の会社は死体の身元を把握しておらず、それらが中国から来た引取人のない人体という事を知っているのみである。

 プレミア・エキシビション社がニューヨーク市、ラスベガスや世界の少なくとも十数の都市で開催している展示会の人体を見に、数百万人の人々が金を払った。

 プレミア社のブライアン・ウェインガー法律顧問はその声明で、「(プレミア社が) バイアスのない方法において事実が事実を明らかにする事を可能にする徹底的な調査を楽しみにしている」と発表した。

 ABCニュースのベス・ロイド記者の協力による。

[訳=岩谷] (原文:英語)
*本翻訳の転載には許可を必要としないが必ず出典元を明記の事。
Ross, Brian, Rhonda Schwartz and Anna Schecter. "N.Y., China Investigating Black Market in Bodies". ABC News, February 15, 2008. [魚拓 1 2]

 クオモ検事総長の調査結果と法的取締に関しては、第6回エントリーで扱う。

 以下はABC報道スペシャル『20/20』の2月15日放送の「人体の展示:しかし彼等はどこから来たのか」をまとめた写真レポートである。
 ここでは、前日の写真レポートで掲載されたグンター・フォン・ハーゲンス氏のドイツの人体工場のシーンを除いた、『20/20』の番組内容が紹介されている。

   世界規模で取引される死体


人体ビジネスへの『20/20』の三ヶ月に及ぶ調査は、そのグロテスクな処理法からその起源までを辿った。本物の人体が皮膚を剥がされ手入れされ、プラスチック漬け保存されている。
写真は、その営利展示会の一つで、肉体運動における筋肉の働きを見せる複数のポーズを取る死体。 (ABC News) [魚拓]


プラスティネーション発明者のグンター・フォン・ハーゲンス博士の、ドイツとポーランド国境にある人体加工工場の、いわゆる「死体受け取り室」は、そのプロセスの開始場の一つである。ここに献体される人体はヨーロッパ人とアメリカ人である。しかしハーゲンス博士は、欲張りがこの技術を何か非難の対象に変えてしまったのだと考えている。
彼はABCニュースに対し「展示会が企業利益のためにハイジャックされたようなもの」と語った。 (ABC News) [魚拓]


人体展示の大手主催者は、中国北部にあるこの荒廃した建物を所有する企業から入手した人体を貸し出している。道路に腐敗したゴミを散らかしている郊外にあるこの建物で、これまで周到に隠蔽されていたものをABCニュースの隠しカメラが捉えた。 (ABC News) [魚拓]


ミシガン州グランド・ラピッズにあるこの家に住む人々に何かの間違いで小包が配達されたのを受けて、ABCニュースの人体ビジネスへの調査は開始する事になった。 (ABC News) [魚拓]


最近フランスから米国に引っ越して来たラーマンドさんは、組み立てキットのテーブルを受け取る事になっていたが、気泡緩衝材に包まれた小包が一緒に届けられた。 (ABC News) [魚拓]


気泡緩衝材に包まれた小包の中身はプラスチック保存された人間の頭部であった。
ルディビン・ラーマンドさんはABCニュースに対し「私は仰天して持っていた物の全てを落っことした。夫の顔を見て『今、私が何を見たのかあなたも見た?』と聞いた」と語った。
ラーマンド夫妻は警察に通報、その人間の頭部が中国で発送された事を警察はすぐに突き止めた。 (ABC News) [魚拓]


この保存された人間の頭部はミシガン州トラヴァース市のコーコラン・ラボラトリー社に届けられる筈であった。 (ABC News) [魚拓]


そのコーコラン・ラボラトリー社のウェブサイトで、プラスチック保存された人体を販売している様子が、ABCニュース『20/20』の調査で発見された。 (ABC News) [魚拓]


コーコラン・ラボラトリー社のウェブサイトには、中国からの人体をオンラインで販売している事だけでなく、同社がプレミア・エキシビション社に人体を提供している事も言及されていた。 (ABC News) [魚拓]


アメリカ臨床解剖学協会の次期会長のトッド・オールソン教授は、人間の遺体の扱いを厳しく取り締まる州法と連邦法をないがしろにしている人体ショーを、会員と共にボイコットしている。
教授はABCニュースに対し「つまり、5番街を歩いている時に、デパートのショーウィンドウにそのような物が飾られているとしたらと想像して欲しい」と語った。 (ABC News) [魚拓]


『20/20』が入手した発送明細では、人体展示の主要主催者の一つのプレミア・エキシビション社への提供業者が、遺体に関する法律をいかにくぐり抜けていたかを見る事が出来る。
明細の左側で人体は、医学教育目的のプラスチック模型と申告されている。
オールソン教授はそれは正確ではないとし、『20/20』に対し「これはマネキンでなく人間である」と批判した。 (ABC News) [魚拓]


しかしオールソン教授は、展示されている人体が中国のどこから来たのかを正確に知る事が更に大きな問題であると述べた。彼等は一体誰であるのか、いや、“あった”のか?
数千人の若い中国人が様々な罪状で処刑されている事実に対し、オールソン教授はそこに重大な疑念を持っていると言う。
彼はABCニュースに対し「彼等が政治犯であったケースを憂慮している。そのような罪状で処刑された遺体かもしれない」と語った。
そして、ABCニュ-スのチーフ調査特派員のブライアン・ロス記者率いる調査チームは真相を解明するために中国に向かった。 (ABC News) [魚拓]


プレミア・エキシビション社の代表と、同社の最新発表の声明とウェブサイトによれば、ショーの人体は全て中国の大連医科大学から来たものだとされている。
しかし大連医科大学の学長は電話インタビューでいかなる関わりも否定し、米国での展示にいかなる人体も提供した事はないと主張、プレミア・エキシビション社との関わりをきっぱりと否定した。 (ABC News) [魚拓]


しかしプレミア・エキシビション社が人体を入手していた実際の場所は、大連医科大学から25キロ離れた所にある民間会社の大連医科大プラスティネーション社である事をABCニュースは突き止めた。 (ABC News) [魚拓]


ABCニュースのチーフ調査員のブライアン・ロス記者は、死んだ動物や人間の体に作業を行っている技術者の様子をとらえるため、隠しカメラを回して内部に入った。 (ABC News) [魚拓]


この企業は医科大学の教授によって運営されているが、それは独自の展示会を開催し、プレミア・エキシビション社へのプラスチック化人体のリースで高い収益をあげている営利企業である。 (ABC News) [魚拓]


商売は繁盛しているように見えた。一つの部屋では新たな人体のセットが発送の準備が整っていた。 (ABC News) [魚拓]


工場の管理者がブライアン・ロス記者に付き添って建物の外に出た。彼は人体がどこから来たかを知らないと言っている。その後、会社を経営する教授がABCニュースに対して、死刑囚の死体は使用していないと念を押して来た。 (ABC News) [魚拓]


しかしその日の夜遅くのミーティングで、元従業員がABCニュースに対してそれとは異なる証言をした。彼は中国当局によって投獄される恐れから身元を隠す事にかなり念を押していた。
現在はライバル企業で働く元従業員は死体を選ぶのが彼の仕事で、その恐らく少なくとも1/3が処刑された囚人であったと証言した。 (ABC News) [魚拓]


彼が元従業員である事の証明として、彼が仕事で使ったという書類と人体闇取引で撮影した写真を提示し、以下の数点の写真を我々取材班に提供した。 (ABC News) [魚拓]


その人物によれば、この写真と次の一つは、別な市で4年前に撮影され、処刑された囚人は実質およそ一体200ドルで取引されていたそうだ。
これらの人体は一部が各大学に行き、他の一部は米国での展示用にプラスチック化するために大連の企業に届けられたという。 (ABC News) [魚拓]


元関係者によれば、取引可能な人体を見せられた施設への初回訪問では写真を撮影したが、二回目の訪問で死体を選び始めた時に写真撮影が許可されなかったそうだ。 (ABC News) [魚拓]


プレミア・エキシビション社のアーニー・ゲラー代表はこれらの写真を見て仰天したようだが、ABCニュースに対し死刑囚は含まれていないと取引業者に保証されたと述べた。ゲラー氏はそれに加えて、医療スタッフがその件に関する何の証拠も見た事はなく、もし何かあれば彼等が黙っている筈はないと主張した。
処刑された囚人の写真を手にしたゲラー氏は、ABCニュースのブライアン・ロス記者に対し、「これらの写真を見て驚愕しており、私達の取引相手にすらももし実際にそのような事が起こりうるなら、私達はその件に対し直ちに何か手を打たなければならない」と述べた。 (ABC News) [魚拓]


1970年代にプラスティネーション技術を発明したグンター・フォン・ハーゲンス博士は『20/20』の取材に対し、数年前に中国で入手した数体が死刑囚の可能性が見られたため、それらを火葬処分し公開展示に用いた事はないと涙ながらに語った。
ハーゲンス氏は「中国からの標本を扱う事は金輪際もうあり得ない。私は距離を置かなければならない」と語った。 (ABC News) [魚拓]


カリフォルニア州下院のフィオナ・マ議員は、展示される人体が全て「インフォームド・コンセント」によるものとする証明を義務とする法案を提唱した。法案は下院を通過し上院での審議に進んだ。
ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ検事総長と米国税関は独自の調査を開始した。 (ABC News) [魚拓]

(Photos: ABC News)
[訳=岩谷] (原文:英語)
*本翻訳の転載には許可を必要としないが必ず出典元を明記の事。




ABCニュースに提供された9枚の銃殺死体取引現場の写真


大連医科大の随鴻錦教授の元助手とされる人物からABCニュースに提供された、銃殺死体の取引現場の写真。(Laogai Research Foundation/ABC News) [A]
 死体取引ビジネス元関係者からABCニュースに提供されたという写真のうち9枚は、『20/20』の放送当日に、米国の反共メディア『中国信息中心』(China Information Center)のサイトの『観察』(Observe China) で公表されている。

 写真を提供した労改基金会の呉弘達代表によれば、これらの写真は昨年後半に提供されたの事である。
 この呉氏による記事にはABCニュースでは言及されていなかった中国側の人体ビジネスの情報がより詳しく書かれており、非常に興味深い内容なのでこれは次回エントリーで訳を紹介する。


 以下は呉氏の記事の関連部分の抜粋の訳である。それぞれの写真の下部に書き込まれた中国語の説明の訳を付けてある。

 問題の9枚の写真は当ブログにおいては、ABCニュースのウェブサイトに掲載されている2枚のみ小さめのサイズで表示しているが、その他は正視に耐えないレベルの物のためクリックで見られるように設定している。



中共の収益の「初試み」--- プラスティネーション人体標本制作に死刑囚を利用
呉 弘達
中国信息中心『観察』 2008年2月15日


(抜粋) 2007年後半に以下の9枚の写真を受け取った。この9枚の写真はこれらの死体が病死したのではなく死刑犯である事を人々に明確に訴えるものである。彼等が銃殺されたのは歴然としており縄は解かれておらず、頭部被弾後直ちにビニールシートでくるまれ、一台の小型トラックが彼等を吉林省の某部門に送り届ける。写真では若い女性の一群がその様子を眺めている。
 そのうち一体の死体は洗浄されて手術室に運び込まれ、そして頸部大動脈を選び出されている。

 司法警察の刑執行での心臓や頭部直撃では臓器摘出は明確に不可能である。私達が把握している状況では、司法警察は特殊銃弾を用い頭部を往々にして粉砕、頭の半分が消し飛ぶに至る。
 この犯罪者の鼻の左側に銃弾の跡が一つあるのみで、司法警察が十分な「文明」を執行したのは歴然である。この死体には別な用途があったという事になる。(中略)

 2008年2月、ABCニュースの記者がついにこの9枚の写真にまつわる真実の扉を開き、その取材で撮影者に辿り着いた。
 その人物は元々は隋鴻錦氏の死体収集専門の助手である。彼は「大連医科大学生物プラスチック化研究所」の空白の紹介状を持って、中国各地の裁判所を奔走し、死刑囚の死体を購入していた。死体一体は300人民元。
 死体は随時隋鴻錦氏の研究所に送り届けられプラスティネーション処理された後、「それらの物」は生き生きと中国や米国で人々と再対面した。中国の死刑囚は臓器を「寄付」する事でこの偉大な「社会に返報」をし、今日もまた一つの新しい貢献を増やしたのだ   「献身」はプラスティネーション人体事業でミイラ標本製造と外国での展示会を支え、国家のために多くの紙幣を儲けている。(後略)


付録写真:死刑囚の死体がプラスティネーション人体標本に利用されている。

1. 四人の死体。手縄は解かれていない。


2. 患部はビニール袋で隠されている
3. 衣服を全て切り開く
4. 流れ落ちた鮮血が地面に満ちている
5. 水で洗い流し、商品を運ぶトラックは立ち去る


6. 七人の女性が存分に楽しんでいる
7. 死体は実験室に上げられる
8. 弾孔は前頬に貫通
9. 頸動脈を選び出す
(全部の写真を見る) [グロ写真注意]


編者註:今晩 (2月15日) 米国東部時間10時、ABC放送が「中国の死体闇取り引き」の独占スクープを放送する。お見逃しなく。

   『観察』にて初出 転載は出所を明記のこと。
2008年2月15日 (金)
本ウェブサイトのURL: http://www.observechina.net

[訳=岩谷] (原文:中国語)
*本翻訳の転載には許可を必要としないが必ず出典元を明記の事。
呉弘達. 『中共的創收“創舉”――利用死囚犯屍体制作塑化人体標本』. 観察 (中国信息中心), February 15, 2008. [魚拓]
呉弘達. 『中共利用死囚屍体制作塑化人体標本』. 看中国, February 15, 2008. [魚拓]

 この最後の写真で「頸動脈を選び出す」と説明されているが、プラスティネーション処理の最初に血管から保存液を注入し全身の血液と入れ替えるという作業を行うため[>>1]、つまりこの死体がこれから臓器摘出ではなくプラスティネーション処理をされる事を意味する写真となる。


 ABCニュースは「大連医科大学→プレミア・エキシビション社の人体展」というルートと、「銃殺処刑死体が1/3含まれる取引人体の一部が米国での展示のために大連の工場に送られた」と、この二つの点を完全には繋げずにぼかして報道している。

 しかし、労改基金会の説明では、この写真を提供した「元関係者」とは大連医科大の隋鴻錦教授の元助手で、大連医科大で死体収集の仕事をしていた人物[>>2]であり、つまり大連医科大プラスティネーション社の代表の助手が2004年に集めた死刑囚が1/3含まれる死体が、大連医科大プラスティネーション社で加工され、その一部がプレミア・エキシビション社の展示に来ているという事になる。

 また、この隋鴻錦教授は1994年から1年半ドイツのハーゲンス氏の工場で研修を行った後、1996年に大連医科大学にハーゲンス氏を客員教授に招き、更に1999年に「大連市対外招商引資プロジェクト」としてハーゲンス氏の工場を大連に誘致し、隋教授がそのプラスティネーション協会大連工場の責任者を務め、中国での人体調達窓口になったものの、ハーゲンス氏に法外な報酬を請求、更に隋氏が独自に人体標本を製造し中国国内で販売を始めたために2000年にハーゲンス氏と決裂し、2002年に大連医科大プラスティネーション社を設立、そして中国のプラスティネーションの権威の座に上り詰めた人物である。[>>3]


 詳しい情報はこれから後のエントリーで更に言及する事にするが、2008年5月にニューヨーク州のクオモ検事総長が調査結果を発表し、詳しい背景などが随分と明らかになっておりその詳細は第7回エントリーで、それからハーゲンス氏と隋教授の確執と決裂に関しては第9回エントリーで扱う。

 次回エントリーは、ABCニュースの中国国内での調査に全面的に協力したと見られる労改基金会の呉弘達氏の紹介の記事と、呉氏が中国国内の人体ビジネスに関して更に詳しく言及したコラムを紹介する。




~人物~

ブライアン・ロス
ABCニュースチーフ調査員


(ABC News) [B]
 ブライアン・ロス記者 (*1948) は1974年から20年間NBCニュースの記者を務めた後、1994年からABCニュースの調査員を勤めているジャーナリスト。

 ロス記者は2005年にコンゴの国連平和維持軍による性的虐待を報じた『20/20』の報道で2005年度優秀国際調査報道賞を受賞、2004年には民主党と共和党の大会に参加した企業の金と政治の結びつきを調査した『マネートレイル』シリーズや、イラク戦争帰還傷病兵の社会問題を『プライムタイム』で取り上げ国防総省の状況改善の言質を取ったり、2001年の911に関してテロ攻撃と炭疽菌攻撃に関する調査を行い、モハメッド・アッタが世界貿易センター攻撃の提唱者であった事を発見するなど、政治や国際問題を中心にレポートを行っている。



アーニー・ゲラー
プレミア・エキシビション社代表

 プレミア・エキシビション社のアーニー・ゲラー代表は現在67歳、同社の前身の時代の1981年より約27年にわたり同社の代表など管理職を務めている人物。ABCニュースの『20/20』の放送の数週間後の3月に「引退の時である」として代表を辞職したものの、しかし引き続き理事会議長を務め事実上会社のトップの地位を維持し、理事会の承認を受け8月21日に再び代表に就任している。

 ゲラー氏は1993年5月から1995年5月まで同社の社長、1995年5月より役員、1999年11月に社長に再就任、2007年9月から2008年3月に最高責任者 (CEC) を務め、2008年8月に再就任。ゲラー氏は現在のジェームズ・S・ヤフィ理事の叔父になる。



トッド・オールソン
アメリカ臨床解剖学協会リストサーブ理事

 トッド・オールソン教授の肩書きは番組中では「アメリカ臨床解剖学協会の次期会長」となっているが、現在はアメリカ臨床解剖学協会リストサーブ理事という立場。それからイェシーバー大学アルバート・エインシュタイン医科大学解剖構造生物学教授という肩書きもあり、イェシーバー大学はユダヤ系神学校なので、この方もユダヤ系という事だろう。他にはロンドン動物学協会科学フェロー、ニューヨーク州医科大連盟解剖学委員会の委員長などの肩書きもある。

 1946年カリフォルニア州ロングビーチ出身、カリフォルニア大学バークリー校で脊椎動物古生物学で学士を取得、英国のバークレーのセント・トーマス医科大で人体解剖形成学で博士号を取得。ロンドン大学ユニバーシティカレッジで4年間教鞭を取った後、1979年からニューヨーク市医科大学の生物医学教育学科で教授に就任、1989年からイェシーバー大学アルバート・エインシュタイン医科大学で臨床解剖学を教えている。



フィオナ・マ
カリフォルニア州議会下院議員、カリフォルニア民主党院内幹事


(Wikipedia) [C]
 この法案を提出したフィオナ・マ (馬世雲) 議員は1967年ニューヨーク生まれの華僑二世。エンジニアの父親と教師の母親の家庭に育ち、ロチェスター工科大学の会計学で学士号、ゴールデンゲート大学で税務学で修士号、ペパーダイン大学でMBAを、そして公認会計士の資格を取得。

 ジョン・バートン前カリフォルニア知事のオフィスで働き、2002年に民主党カリフォルニア州サンフランシスコ第四区代表となり、2006年11月にカリフォルニア州の下院議員に初当選。

 これまでに子供用品に用いられる化学物質への規制、州の幹線鉄道の計画、夫婦別姓、医療問題に取り組んで来た政治家で、現在はカリフォルニア民主党議会幹事、予算委員会、芸術・エンターテインメント・スポーツ・旅行・インターネットメディア委員会、衛生委員会、治安委員会、税務委員会、州議会会計委員会などのメンバーとして活動している。



呉弘達
労改基金会代表


(ABC News) [D]
 ABCニュースの中国での取材に全面的に協力したと見られる労働改基金会の呉弘達代表は、中国の強制収容所と人権問題の調査を行う人権団体『労改基金会』の代表で、自身もスパイ容疑で19年間中国の労働改造所 (労改) で投獄生活を送り、1979年に解放された後に渡米し米国籍を取得、それ以来中国の死刑囚からの臓器窃取など人権蹂躙の問題に関する活動を行い、2002年にノーベル平和賞候補にもなった人物。

 1992年に米国労働総同盟・産業別組合会議 (AFL-CIO) の援助で設立された『労改基金会』は、中国の労働キャンプの死刑囚が移植用臓器の供給元になっている問題を調査し情報提供を行う団体として知られている。

 呉氏はまた、2006年に蘇家屯病院における法輪功学習者からの臓器窃取の疑惑に関する調査レポートを手がけ、また2008年6月には米国議会と中国研究機関の「中国に関する議会政府委員会」で中国の労働改造所に関する証言を行った他にも、英国議会、ドイツ、オーストリア、EU議会、国連などで証言を行うなど現在国際的に影響力のある人物である。



アンドリュー・クオモ
ニューヨーク州検事総長


(TopNews) [E]
 アンドリュー・クオモ検事総長 (*1957) は本業は弁護士で、政治家としてのキャリアもあり、これまで父親のマリオ・クオモ元ニューヨーク知事の補佐、ニューヨーク市ホームレスコミッション議長、クリントン政権閣僚として米国住宅都市開発長官を勤め、2007年よりニューヨーク州検事総長に就任している。特にホームレス問題のエキスパートとして知られ、NPO『特権なき住宅供給事業』を創設している。

 ニューヨーク検事総長としては、知事オフィスによる警察への監視に関する調査、大学ローンの適正さの調査、Facebookの安全性に関する調査、死刑反対などの仕事が知られている。

 なお、クオモ氏の弟がABCニュース『20/20』のジャーナリストのクリス・クオモ氏であり、この関係でクオモ氏がプレミア社の調査を請け負ったという事ではないかと思われる。



初稿:2008年8月1日、序文と末尾文書き直し:2009年8月4日


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関連サイト・関連記事

唸声中国/死刑囚の遺体を人体標本に(衝撃写真注意) (唸声の気になるニュース 2008.2.17)
中国、闇の死体マーケットの存在 (エルエル 2008.2.21)
米ニューヨーク州司法当局 死体闇市場を徹底捜査へ (大紀元 2008.2.25)




脚註:(脚註を見る)



写真:






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コメント

お疲れ様です。何年か前に人体の不思議(だっけか?)展を見に行ってしまって今になって
後悔しています。
当初は本人または遺族の希望により検体になったのかと思って好奇心で見に行ったのですが
今にして思えばおかしな事もいくつかありました。
先ず写真撮影が不可。しかも写真撮影してはいけないという表示が無いにも拘らずです。
あと何故か日本人じゃないようなスタッフも多かったのも・・・
なんにせよ人間の死を冒涜するものとして許せません。

  • 2008/08/04(月) 22:04:05 |
  • URL |
  • 七神 #-
  • [ 編集]

七神さん

実際に見に行ったのであれば、、どういう状態で展示されていたのかも具体的にご存知ですね。

当時読んだ記事によれば、一般客が実際に人体標本を手で触る事が出来、それで痛んだ部分は補修して使っているとかで、それなら完全に「消耗品」扱いという事になります。消耗品という事は、修理に耐えなくなればバラバラにして再利用するか破棄するかであって、仮に故人の意思での献体であったとしても、かつて人格を持っていた人間の遺体を医学目的でも何でもない見世物場で消耗品として用いているのであれば、それは故人にとっても遺族にとっても余りにも酷い扱いでしょう。
http://allabout.co.jp/children/infanteducation/closeup/CU20020821A/

写真撮影が不可というものは、美術館や博物館であれば光で展示物が褪色するのを防ぐ目的か、興行収益に悪影響を与えないためか、または証拠写真が出回るのを嫌ってかなどいろいろ考えられますが、撮影禁止の表示がなかったのであれば、それが主催者側の意向ではない可能性もありますね。

  • 2008/08/06(水) 18:14:37 |
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  • 文太 #gJtHMeAM
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