『人体展』に関する不透明な死体入手ルートと、中国の死刑囚の人体闇市場に関するABCニュースの報道に関する第二弾は、前エントリーで紹介した『人体展』に関する記事の翌日で、ABCニュースの報道特集番組『20/20』の『人体の展示 しかし彼等はどこから来たのか』の放送当日の2月15日に報道された記事を紹介します。
この日の報道で言及されているのは、『20/20』の番組内容が主であり番組の予告編のような記事になっており、中国から発送された人体標本が間違えて一般家庭に送りつけられた事件を機にABCニュースの調査が始まり、その報道の流れを受けてニューヨーク州検事総長と中国当局が正式に調査を開始した点、死体取引ビジネスの関係者が匿名を条件に死体取引現場の写真を提供し、そこで取引されている死体が明らかに銃殺後間もない死体である件、そしてその闇市場から米国での展示に人体が提供されているという証言を行った件です。
また人体展を主催するプレミア・エキシビション社が、人体は中国の大連医科大学の研究室から入手していると公表、大連医科大学はその疑惑を否定するも、ABCニュースは大連医科大学からプレミア・エキシビションへの死体ルートを突き止め、その系列の人体工場に隠しカメラを持って潜入するなど随分と大掛かりな取材を行っています。
ABCニュースの入手した取引明細によれば、これらの死体は「医学教育目的のプラスチック模型」として輸入申告されており、『人体展』が米国の遺体に関する法律をくぐり抜けていた事も言及されています。
![]() ニューヨーク州検察と中国当局が人体闇市場を調査 人体闇市場に関わったとする人物が、一体200-300ドルでの「人体取引」に関して語る
ブライアン・ロス、ロンダ・シュワルツ、アンナ・シェクターABCニュース 2008年2月15日 中国とニューヨークの当局は、米国での公開展示に死体を供給している中国人人体の闇市場で処刑された囚人が取引されている疑いがあるという主張に対する調査を開始した。
身の危険の恐れから匿名を希望しているこの人物は、取引可能な人体を見せられたその施設で自身が撮影した写真を提供した。 彼は二回目の同施設訪問で人体の選定を始めたがその時は写真撮影は出来なかったとの事。その人物によれば、米国で展示されるプラスチック保存された死体を提供している中国の会社に、そこでの人体数体が送られたとの事である。 十数以上の都市で人体ショーを開催したアトランタに本拠地を置くプレミア・エキシビション社に対して、ニューヨーク州検事総長からの召還礼状は木曜日に送達された。 そこでの陳述には、アンドリュー・クオモ検事総長のオフィスが「米国で展示された人体の入手方法に関して公表されている説明が実際虚偽でないかどうか」を調査している旨が書かれている。
プレミア・エキシビション社側はその調査に全面的に協力するとしている。 大連医科大学の唐健武学長はABCニュースに対して、大学側が公開展示のためにプレミア社やその他のいかなる会社にも公開展示のために人体を提供した覚えはないと述べた。 プレミア社の人体展『BODIES...The Exhibition』 への提供は実際は、大連医科大学から30マイル離れた大連医科大プラスティネーション研究所という民間企業によって行われていた。 この企業は医科大学の教授によって運営され、その人物によれば大学は当初は70%の業務を受け持ち人体を提供していたが、悪評判が立ったために最近撤退したのだという。 またそれとは別に、疑惑の人体闇市場への調査をこれまで行っていた事を中国外交部は発表した。それは商業目的での人体の輸出が2006年に法律で禁止されたにも拘らずプレミア・エキシビションに人体が送られたとの疑惑を含む。 外交部の劉建超報道官は木曜日に北京での記者会見で「衛生部は報告に対して注意を払っており、この調査のために政府の関連組織と連携している」と述べた。 プレミア・エキシビション社のアーニー・ゲラー代表はABCニュースに対して、中国人の提供者から受け取った人体の一部が処刑された囚人であるとの疑惑を聞いて驚愕したと述べた。 ゲラー代表によれば、医療スタッフがその件に関する何の証拠も見た事はなく、人体提供業者から「大連医科大学を通過した人体はすべて合法的で引取人のないもの」と保証されたとし、「私達の仕事相手にすらももし実際にそのような結果が起こりうるなら、私達はその件に対し直ちに何か手を打たなければならないという事になる」と述べた。 処刑された囚人の死体がプレミア社の展示に使われていたという確実な証拠はないが、しかし事実としてゲラー氏の会社は死体の身元を把握しておらず、それらが中国から来た引取人のない人体という事を知っているのみである。 プレミア・エキシビション社がニューヨーク市、ラスベガスや世界の少なくとも十数の都市で開催している展示会の人体を見に、数百万人の人々が金を払った。 プレミア社のブライアン・ウェインガー法律顧問はその声明で、プレミア社は「バイアスのない方法において事実が事実を明らかにする事を可能にする徹底的な調査を楽しみにしている」と発表した。 ABCニュースのベス・ロイド記者の協力による。 Ross, Brian, Rhonda Schwartz and Anna Schecter. "N.Y., China Investigating Black Market in Bodies". ABC News, February 15, 2008. [魚拓 1 2]
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以下はABC報道スペシャル『20/20』の2月15日放送の「人体の展示:しかし彼等はどこから来たのか」をまとめた写真レポート。
世界規模で取引される死体
(Photos: ABC News)
ABC News. "Anatomy of worldwide body trade", February 2008. [魚拓]
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人体闇取引現場の銃殺死体の写真
このABCニュースで言及されている死体取引ビジネス関係者からABC放送に提供されたという写真のうち9枚は、アメリカに本拠地を置く華僑等による反共団体『中国信息中心』(China Information Center) [中国情報センター] のサイトの『観察』(Observe China) で見る事が出来ます。その記事によればこれらの写真は昨年後半に提供されたの事。
以下はその写真を掲載した『Observe China』の呉弘達氏による記事の関連部分の抜粋の訳と、それぞれの写真の下部につけられた中国語の説明の訳です。
ご覧になる場合、これらが銃殺死体の生々しい無修正の流血映像である事をご理解のうえ、ご覧になりたい方のみ自己責任でお願いします。
![]() 中共の収益の「初試み」--- プラスティネーション人体標本制作に死刑囚を利用 呉 弘達 中国信息中心『観察』 2008年2月15日 (抜粋) 2007年後半に以下の9枚の写真を受け取った。この9枚の写真はこれらの死体が病死したのではなく死刑犯である事を人々に明確に訴えるものである。彼等が銃殺されたのは歴然としており縄は解かれておらず、頭部被弾後直ちにビニールシートでくるまれ、一台の小型トラックが彼等を吉林省の某部門に送り届ける。写真では若い女性の一群がその様子を眺めている。そのうち一体の死体は洗浄されて手術室に運び込まれ、そして頸部大動脈を選び出されている。 司法警察の刑執行での心臓や頭部直撃では臓器摘出は明確に不可能である。私達が把握している状況では、司法警察は特殊銃弾を用い頭部を往々にして粉砕、頭の半分が消し飛ぶに至る。この犯罪者の鼻の左側に銃弾の跡が一つあるのみで、司法警察が十分な「文明」を執行したのは歴然である。この死体には別な用途があったという事になる。(中略) 2008年2月、ABCニュースの記者がついにこの9枚の写真にまつわる真実の扉を開き、その取材で撮影者に辿り着いた。その人物は元々は隋鴻錦氏の死体収集専門の助手である。彼は「大連医科大学生物プラスチック化研究所」の空白の紹介状を持って、中国各地の裁判所を奔走し、死刑囚の死体を購入していた。死体一体は300人民元。死体は随時隋鴻錦氏の研究所に送り届けられプラスティネーション処理された後、「それらの物」は生き生きと中国や米国で人々と再対面した。中国の死刑囚は臓器を「寄付」する事でこの偉大な「社会に返報」をし、今日もまた一つの新しい貢献を増やしたのだ 付録写真:死刑囚の死体がプラスティネーション人体標本に利用されている。
編者註:今晩 (2月15日) 米国東部時間10時、ABC放送が「中国の死体闇取り引き」の独占スクープを放送する。お見逃しなく。
呉弘達. 『中共的創收“創舉”――利用死囚犯屍体制作塑化人体標本』. 観察 (中国信息中心), February 15, 2008. [魚拓]
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この最後の写真で「頸動脈を選び出す」というのは、プラスティネーション処理の最初に、血管から保存液を注入し全身の血液と入れ替えるという作業を行うため、つまりこの死体がこれからプラスティネーション処理をされるという意味の写真と見られます。
ABCニュースは「大連医科大学→プレミア・エキシビション社の人体展」というルートと、「銃殺処刑死体が1/3含まれる取引人体の一部が米国での展示のために大連の工場に送られた」と、この二つの点を完全には繋げずにぼかして報道していますが、これは関連情報を総合すれば銃殺死体がプレミア社の展示に流通していた可能性はかなりの確率であり、その詳細は次回エントリーで扱います。
追加 (2008年9月)
このエントリーの記事と写真レポートの基になったABCニュースの報道特集『20/20』のビデオに字幕をつけたので、関連情報としてこのエントリーにも掲載します (詳細は9月20日のエントリー)。
Part 1 (8'57") Part 2 (9'48") 訳・字幕:Red Fox
Google Video. "Fiona Ma talks about AB 1519". February 20, 2008.
YouTube. "Bodies: The Exhibition ABC's 20/20" (Part 1) (Part 2). Posted by closecourse. March 8, 2008. (テキスト版) |
特集『人体展と中国の人体闇市場』
1. プラスティネーション発明者が中国から撤退 (2008.7.25)
2. ニューヨーク州検察と中国当局が人体闇市場の調査を開始 (2008.8.1)
3. 中国人人権活動家が人体展示に関して深刻な問題を提起する (2008.8.9)
4. 『20/20』の報道を受けて、議員達が人体展に関する徹底調査を議会に要求 (2008.8.20)
5. 『20/20』の報道の後、人体展の責任者が辞任 (2008.9.2)
6. 人体輸入取引規制法案を全米21人の議員が支持 (2008.9.8)
7. ニューヨーク州検事総長による人体展への厳重取り締まり (2008.9.13)
8. 「人体展:彼等はどこから来たのか?」米ABC"20/20"の特集番組 (2008.9.20)
9. 大連のプラスティネーション死体企業の調査 (2008.9.28)
10. ペンシルバニア州で人体展禁止法案を検討 (2008.10.14)
11. カリフォルニア州の人体展禁止法案 (2008.11.9)
12. プレミア社の献体同意書はニセモノだった (2008.12.22)
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世界規模で取引される死体











































