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『人体展』に関する不透明な死体入手ルートと、中国の死刑囚の人体闇市場に関するABCニュースの報道に関する特集、今回は問題の番組、ABCニュースの報道スペシャル『20/20』の今年の2月15日に放送された「人体の展示:彼等はどこから来たのか」のビデオを紹介します。
この番組の放送以降アメリカで人体展の不透明な人体流通に関する社会的関心が高まり人体展批判ウェブサイトにアクセスや問い合わせが殺到し、プレミア・エキシビション社の株価が暴落、その数週間後にプレミア社のアーニー・ゲラー代表が辞任をし、その取材の動きを受けて放送に先駆けてニューヨーク検事総長が調査を開始し、中国外交部が独自の調査をしていた事を発表するなど、この時期に随分と慌ただしい動きになるなど、少なからぬ社会的影響があった番組です。
この番組の内容の概略が、ABCニュースのウェブサイトで写真レポートとして掲載されていたものは、最初と2番目のエントリーで既に紹介していますが、この動画がカリフォルニア州のフォオナ・マ議員のウェブサイトで紹介されていていたものを見つけたので、日本語字幕をつけてみました。
『20/20』は60分番組ですが、人体展に関しては約20分の特集となっています。
| 写真:中国遼寧省の大連医科大プラスティネーション研究所の管理者にインタビューをするABCニュースのブライアン・ロス記者。隠しカメラ映像。(ABC News) |
Part 1 (8'57") Part 2 (9'48") 訳・字幕:Red Fox
Google Video. "Fiona Ma talks about AB 1519". February 20, 2008.
YouTube. "Bodies: The Exhibition ABC's 20/20" (Part 1) (Part 2). Posted by closecourse. March 8, 2008. (テキスト版) |
この番組に出て来るフィオナ・マ (馬世雲) 議員は1966年生まれ、公認会計士からカリフォルニア下院議員になった米民主党に所属する人物で、法輪功をサポートしたりなど反共系華僑の立場の方のようですが、一方で昨年米民主党界隈で騒ぎになったノーマン・シュー逃亡犯やポー一家からの献金を受けたり、香港マフィア (三合会) のレイモンド・ジョウ (周国祥) との関わりを批判されるなど、ダークなイメージの一面もある方のようです。[1]
間違いでプラスティネーション人体が配達されたミシガン州のラーマンド夫妻に関しては、2007年3月3日付けのUSAトゥデイの記事でその事件が報じられているのを見る事が出来ます。eBayで注文したテーブルと一緒に2つの小包が届けられ、まず夫のフランク氏が一つを開けたら人間の肝臓のような物が出て来て、2つ目を開けかけたら人間の耳が見えたのでそれ以上開けなかったとか。[2][3]
番組中で出て来る、人体をオンライン販売しているコーコラン・ラボラトリー社のウェブサイトは現在「改装中」と出るだけで事実上ウェブサイトが閉鎖されている状態。
追記 (2009年2月1日):コーコラン・ラボラトリー社のウェブサイトが再開されており、ABCの番組で見られる死体標本の販売の様子を見る事が出来る。
プレミア・エキシビション社のアーニー・ゲラー代表は現在67歳、1993年より約27年にわたり同社の代表など管理職を務めている人物。ABCニュースの『20/20』の放送の数週間後の3月に「引退の時である」として代表を辞職したものの、しかし引き続き理事会議長を務め事実上会社のトップの地位を維持し、理事会の承認を受け8月21日に再び代表に就任しています。[4]
「大連医科大プラスティネーション研究所」は大連医科大の隨鴻錦教授が経営する民間企業。隨氏は1994年にプラスティネーションの発明者のハーゲンス氏から技術を習得するために1年間ドイツに派遣され、その後ハーゲンス氏の大連の人体工場の責任者を務めた後、ハーゲンス氏との関係を解消して自ら中国に死体工場を設立。現在ハーゲンス氏と特許を巡って係争中[5]。当初は大連医科大が同社の資本の70%を所有しており、同社が2005年に英領バージョン諸島で「大連鴻峰生物化技有限公司」の名義で法人登録をして以降、大連医科大が経営から退いている[6]。プレミア・エキシビション社の展示用人体は全てこのプラスティネーション研究所がリースし、その収益の85%が中国側に渡っていると言われています[7]。
番組内で一切肩書きが出ないラビ・ルイス・フェルドスタイン氏は、現在は統一ユダヤ連盟の研究分析部門副会長で、過去にはアトランタユダヤ連盟の副会長、アトランタユダヤ青年会会長を務めるなど[8]、要するにユダヤコミュニティのお偉いさんのようです。番組中でも微妙に、それを宗教界の声として発言させているようなニュアンスになっていますが、見る人が見なければそれがユダヤだと分らないようなこの演出がやや不思議ではあります。
トッド・オールソン教授の肩書きは番組中では「アメリカ臨床解剖学協会の次期会長」となっていますが、現在はアメリカ臨床解剖学協会リストサーブ理事という立場。それからイェシーバー大学アルバート・エインシュタイン医科大学解剖構造生物学教授という肩書きもあり、イェシーバー大学はユダヤ系神学校なので、この方もユダヤ系という事でしょう。他にはロンドン動物学協会科学フェロー、ニューヨーク州医科大連盟解剖学委員会の委員長などの肩書きもあります。[9]
香港マフィアとも繋がった反共系在米華僑、ユダヤコミュニティ、そしてABCニュースがタグを組んでの中国の人体闇市場の追求というこの動きは興味深いものがあります。
2007年3月にミシガン州の一般家庭に人体パーツが誤配達された事件に関する報道。
これは恐らく事件後すぐの報道。
[脚註2に戻る]
![]() 人間の肝臓と頭部が間違って一般家庭に配達される AP通信 2007年3月3日11:29 【AP通信:カスケード・タウンシップ】人間の肝臓と頭部を入れた二つの小包が、研究所に届けられる筈が一般家庭に配達された。関係者によれば2ダース以上の同様の小包が全米で流通している可能性があるとの事。 中国から発送された人体パーツは間違ってラーマンド夫妻の家に届けられた。DHLの配送ドライバーは、気泡包装されたアイテムはテーブルの部品だと思ったそうだ。 ルディビン・ラーマンドさんはグランド・ラピッズ・プレス紙の取材に対して「夫はそのうちの一つを開封し始め、『何だこれは、肝臓みたいに見える』と言いました。もう一つを開けようとしたら、耳が見えたのでそれ以上開けませんでした」と語った。 「何だか訳が分からなくて、恐ろしくて、でも開けなくて良かったです」 ロジャー・ペアレント警部補によれば、それらの人体パーツは医学研究用に保存処理されたものとの事で、「こういう物を見れば人々はショックを受けるだろうが、健康被害をもたらす危険物ではない」とペアレント警部補は述べた。 その研究所に向かったその他の2つの小包は途中で開いて中身が出てしまった。 DHL社は現在捜査に協力していると広報担当のロバート・ミンツ氏は述べた。問題はDHL社がそれを人体パーツとして発送しているのか、そして小包はどこに届けられているかなど。ミンツ氏は「当社は医学標本を扱う事もあるが、それらが許可されたものかどうかを見極めなければならない。全てが直ちに明確になる訳ではない」と述べた。 Associated Press. "Human liver, partial head mistakenly delivered to home". USA Today, February 2, 2007. [魚拓]
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次は数日後の地元のWood8テレビの報道。もう少し詳しく書かれている。
[脚註3に戻る]
![]() 人体宅配への調査は引き続き行われている Wood8テレビ 2007年3月7日 10:18
ルディビン・ラーマンドさんと夫はeBayでテーブルを注文した。それが届けられた時余分な包みが一緒に来た。夫妻はそれらがテーブル付属の部品だと思ったが、それが人間の肝臓と頭部だとは思いもしなかった。 ラーマンドさんはニュース8に対し「その包みをひっくり返してみたら、ビニール越しに耳が見えました。だから開けるのを止め、私達は『これはただ事ではない』と思いました。何が何だか訳が分かりませんでした」と語った。 それらの人体パーツはトラヴァース市のコーコラン・ラボラトリー社に届けられる筈であった。コーコラン社は医学部や医療機関に研究と教育のためにアイテムをリースする企業である。 包みを配送したDHL社の関係者によれば、中国の企業がコーコラン社へ出荷するためにDHL社に依頼したと言う。5つの人体パーツを入れたダンボール箱が何かの拍子に開いて、そのうち2つが外に出てしまい、DHL社の配送ドライバーはこれらの包みはラーマンド夫妻に届けられるテーブルの付属品だと思ってしまったのだとか。 誤配送騒ぎの後、ラーマンド夫妻はDHL社に電話をし、警察に届けるように言われた。ケント郡保安局の捜査官はそれらの包みを検疫のためデビッド・スタート博士の所に持ち込み、バイオハザードはないとの結果が出た。 スタート博士は「それらは臓器を数段階のプロセスでプラスチック化するプラスティネーションという処理法で保存されたものに見えた。標本は博物館展示をしてもいい状態であり、解剖学部での教育か博物館展示に出来るクオリティの標本である」と語った。 政府関係者は我々の取材に対し、人体パーツがバイオハザードを示さない限りは取り締まり対象とはならないと述べた。 DHL社は、それらの患部パーツに対する適切なパッケージと内容確認の規則を遵守していると米国運輸省によって認可されたと述べた。ニュース8の調査によれば、UPSやFedEXなど多くの運送会社は自体パーツの配送は扱わないとの事。 Wood8. "Investigation continues in body parts delivery". March 7, 2007. [魚拓]
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同じくWood8テレビのウェブサイトに、誤配達された人体パーツの写真が載っています。ややグロ写真のためクリックで見られるようにしています。
![]() 誤配達された人体パーツの写真 Wood8テレビ 2007年3月5日 14:34 トラヴァース市の研究所に届けられるはずで間違ってカスケード・タウンシップの一般家庭に届けられた人体パーツの写真。 (写真を見る)Wood8. "Pictures of body parts mistakenly delivered". March 5, 2007. [魚拓]
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肝臓は丸ごと、頭部はスライスされたものだったようです。
20/20のテキスト版。
『人体展』に関する不透明な死体入手ルートと、中国の死刑囚の人体闇市場に関するABCニュースの報道に関する特集、今回は問題の番組、ABCニ...
Author:岩谷文太
米国在住。主に海外の英文記事や中国語記事から得られる情報をまとめています。
タイムリーなニュースの話題よりも、調査系の規模の大きなエントリーが多いため数を絞っており、気が向いた時にしか更新しないのでたまに覗いてみて下さい。
特集エントリーはアーカイブとして書いており、情報を分散させないために関連情報は該当エントリーに加えているため、内容は随時更新されます。
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