Red Fox

【人体展と中国の人体闇市場10】ペンシルバニア州で人体展禁止法案を検討

 全米の複数の州で人体の商業展示と売買行為を規制する法案が検討される動きが出始めたのは、2008年2月15日にABCニュースの『20/20』が、プレミア・エキシビション社のプラスティネーション人体展『BODIES展』(BODIES... The Exhibition) に中国の死刑囚が用いられている疑惑をスクープするそのもっと以前の、2006年8月にニューヨーク・タイムズがプレミア社の人体展では中国の公安局から来た身元不明の死体が用いられている事を報じて以来[>>1]の事です。

 例えばワシントン州では2007年1月17日に故人の許可のない人体の商業展示を禁止する法案が6人の議員によって提出[>>2]、ニューヨーク州では2007年2月27日にジム・アレシ上院議員が、合法的なプロセスで入手されていない人体の展示を禁じる法案S7000Aを提出[>>3]、同年3月にはフロリダ州では州解剖学委員会の許可なしにプラスティネーション持ち込み持ち出しが禁止される法案SB2554がビクター・クリスト上院議員が提出[>>4]、そしてカリフォルニア州では州内で商業展示される人体に詳細情報と完全なインフォームドコンセントの証明を義務化するAB-1519が華僑のフィオナ・マ議員によって2007年5月8日に提出され下院両院の両方で圧倒的支持で可決されています (9月27日に知事によって差し戻し)。[>>5]

 この動きは米国議会でもあり、2008年4月2日に米国下院でプラスティネーション人体の輸入禁止の法案HR5677がミズーリ州のトッド・エイキン議員によって提出され[>>6]、そこに全米26人の議員が法案共同支持者に名を連ねています。[>>7]

  その中でペンシルバニア州は、昨年の10月8日から今年の5月4日まで同州ピッツバーグでプレミア・エキシビション社の人体展『BODIES展』が開かれ、地元のカトリック団体がカトリック学校にボイコットを促す[>>8]など批判運動の舞台の一つとなった州ですが、3月10日にマイク・フレック議員によって提出された人体展規制法案に関して下院司法委員会において8月5日に聴聞会を開かれ、プレミア・エキシビション社のブライアン・ウェインガー法律顧問と労改基金会の呉弘達代表、そしてプレミア社の人体の精査を行ったウォルター・ホフマン検死官が証言を行うという、下院司法委員会議長自身が前向きに検討している動きが見られます。

 この人体展規制法案P.N. 2299は、人体の商業展示には郡政府の許可が必要で、郡政府は故人か身内の同意を確認しなければ許可を出さないというもの。[>>9]

Illustration by Jon MacNair (Pittsburgh City Paper) [a]

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紫文字の部分は前回の5月29日のクオモ合意を報じた記事と同一文章の部分。


米国で未だ展示されている中国人の死体
ペンシルバニア州議会議員が同意のない死体の展示を禁じる法案を検討
アンナ・シェクター
ABCニュース 2008年8月7日

 いよいよ北京オリンピックが開幕するが、その裏では米国の州議会議員達が中国からの死体輸入を厳しく取り締まる新法を検討している。今週初めにはペンシルバニア州の議員達が、人体を展示する企業に対し献体者からの同意書を得る事を必須とする法案に関して議論を行っている。こういった法案は他の州での立法への道筋を作り、米国への人体パーツの輸入を完全に禁止するという今年提出された連邦法法案を後押しする可能性もある。


 ペンシルバニア下院司法委員会議長である民主党トーマス・カルタジローネ下院議員は、火曜日に行われた法案に関する聴聞会において「これは人権問題であり私達が関心を持つべき問題」と述べた。
 カルタリジーネ議長は中国政府による人体身元証明の信用性に疑問を持っており、だからこのような行動が必要であると述べた。
 法案を提出したペンシルバニア州のマイク・フレック下院議員は「米国では人体の売買は出来ない。生死を問わず誰かの肉体をその意思に反して使用する事は搾取行為である」と述べた。


 この法案はプレミア・エキシビション社に対するABCニュース『20/20』の調査の結果でもある。プレミア社は中国人の「引取人のない」死体の展示を25ドルの入場料で米国や世界各地で行っている株式会社である。それが我々の調査によって、展示されている死体が死刑囚のものである可能性のある事が明らかとなった。


 法案にはまだハードルがある。カルタジローネ議長によれば、法案がペンシルバニア下院から上院に移るのは恐らく2009年の初め頃までかかるとの事である。

 それでもフレック議員はインタビューで、法案には波及効果があるだろうと語った。今のところカリフォルニア州のフィオナ・マ議員(サンフランシスコ)も同様の法案を提出しているが、フレック議員によればハワイに至るまでの他の州議会議員達から法案を支持するとの連絡があり、他州でも独自に法案を出す事を検討中という動きがあるそうだ。


 火曜日の公聴会では、中国の刑務所に19年間以上も投獄された人権活動家の呉弘達氏が証言を行い、中国の死刑執行の凄まじい写真を提示し、委員会メンバーにショックを与えた。呉氏が提示した写真には4人の銃殺死体が写っており、呉氏によればこれらの死体がこれから人体保存のプラスティネーション処理をされるところで、それがプレミア社の取引業者に渡った可能性があるという旨を証言した。

 しかしプレミア社側は、展示会に行くかどうかはペンシルバニア州の人々が決めればいい事であるとコメントしている。

 プレミア社のブライアン・ウェインガー法律顧問は、いずれの人体も死刑囚ではないと立証するのは不可能ではあったとしたが、「(中国側の取引相手の随鴻錦氏が) それらの写真を見た事も、トラウマや肉体損傷の証拠の認められるどのような標本もプレミア社に提供した事も、絶対的に断定的に否定した」と委員会の前で証言した。

 ウェインガー氏は『20/20』の報道を「センセーショナルである」と切り捨て、「私達はある一つの肝臓が死刑囚から来ていないかどうかの100%の保証は出来ない。社会的信用のある大学や施設の関係者を信用する以外に出来る事はない」と付け加えた。

 プレミア社で米国に到着するプラスティネーション死体を検査している、モンゴメリー郡のウォルター・ホフマン検死官は、公聴会で「私が調べた50か60体の死体のいずれにも負傷、拷問や虐待のいかなる証拠もなかったと何度でも言う」と反論した。


 『20/20』が2月に行ったインタビューにおいて、報道の後に辞職したプレミア社の元代表のアーニー・ゲラー氏は、中国の取引業者から来た死体の一部が死刑囚のものである可能性があると聞いて驚いたとABCニュースに語っている。

 
 ゲラー氏は、プレミア社の医療職員がそのような証拠を見た事もなく、取引業者が「これらは全て大連医科大学を経由した合法的で引取人のない死体である」と保証したと述べている。

 『20/20』の報道開始と共に、ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ検事総長は独自の調査を行い、プレミア社がどの人体も死刑囚のものでないと証明出来ない事を明らかにした。クオモ氏とプレミア社は、ニューヨーク州内での展示に但し書きを表示し、展示会のウェブサイトに検事総長の調査結果を表示する事を必須とする合意に達した。同案はまたプレミア社がドナーの同意書と「死体の出所と死因を示す」書類を入手する事も求めている。[法的合意に関する報道はここをクリック]

 プレミア社側は、大連医科大プラスティネーション研究室から死体を入手していると宣伝用資料では書いている。そこでは商業登記としては大連医科大の随教授からプレミア社に貸与されたとなっている。

 大連医科大は、プラスティネーションの発明者のドイツ人医師グンター・フォン・ハーゲンス氏に人体を一時期提供していたにもかかわらず、2月に『20/20』が大連医科大に電話取材をしたところ、大学の学長は大学側から米国企業に人体を提供した事は決してないと主張している。中国の人権問題が批判の的となっているため、ハーゲンス氏は中国人の死体は金輪際用いないと表明している。

 ABCニュースは大連から1時間郊外にある随氏のプラスティネーション研究室を訪ね、工業地帯の裏通り沿いの民間企業の倉庫で死体がプラスティネーション処理をされている様子を目撃した。


 ウェインガー氏は、プレミア社が1つの展示会につき10-20体の人体と、数百の器官や人体パーツをの使用許可を得ていると公聴会で述べた。同社は現在17の展示会を進めている。プラスティネーション処理された人体が半永久的に使用出来るためプレミア社がこれ以上の標本の製造は必要ないだろうと付け加えた。

 来週、カルタジローネ氏その他の司法委員会のメンバーは、プレミア社のショーが行われているハリスバーグのウィテイカー博物館を視察する。
 カルタジローネ氏は「決定的な結論に達する前に、展示会をこの目で確かめなければならない」と語った。

Schecter, Anna. "Chinese Corpses Still on Display in the U.S.". ABC News, Autust 7, 2008. [魚拓 1 2 3]
訳:Red Fox (原文:英語)
(写真は元記事付録のもの。関連記事リンクおよび本文中リンクは元記事の通り)


2008年3月、ピッツバーグの『BODIES展』の宣伝。(Pittsburgh Pist-Gazette) [D]
 後半の内容の多くはこれまでの概略ではありますが、5月のクオモ検事総長の調査発表までABCニュースの報道では名前が伏せられていた大連医科大教授で大連医科大プラスティネーション社 (大連鴻峰生物化技社) を経営する随鴻錦氏が、この記事では実名で報じられています。

 またこれまでプレミア社は、専門家を雇って人体標本を検査しそこに拷問や処刑の痕跡のある死体は見つからなかったとした自社調査に基づいた報告書を展示会場に提供をしており[>>10]、またこれは死刑囚を使用していない事の根拠として同社がこれまで一貫して主張していたもの[>>11]ですが、その検査を行った一人がメリーランド州モンゴメリー郡のウォルター・ホフマン検死官であった事がこの記事では触れられています。

 この法案PN2299の全文訳はエントリー末の関連資料参照。



労改基金会の呉弘達氏のペンシルバニア議会での証言

 このペンシルバニア州下院司法委員会での公聴会において、当シリーズで何度か取り上げた事のある労改基金会の呉弘達氏が証言を行っていますが、その内容が労改基金会のウェブサイトで公表されているので、以下関連情報としてその訳です。



呉弘達代表がペンシルバニア下院司法委員会で人体展に関して証言
労改基金会 2008年8月6日

 昨日、労改基金会の呉弘達代表が、ペンシルバニア下院司法委員会の公聴会で、如何なる人体の商業展示においても故人又は近親者のインフォームドコンセントを義務とする法案「HB 2299」に関連して証言を行った。呉代表は、有名な人体展『BODIES展』と『人体の暴露展』を主催するプレミア・エキビション社などの企業に対し、死刑囚を含む可能性のある引取人のない中国人の死体を用いて利益を得る事への禁止に関して強い調子で発言した。

 『BODIES展』は今年初旬に同州ピッツバーグのカーネギーサイエンスセンターで展示を行っている。

 呉代表のスピーチ内容は以下である。




HB2299に関するペンシルバニア下院司法委員会公聴会での証言
呉弘達 労改基金会代表
2008年8月5日

 労改基金会と私自身にとって非常に大きな懸念であるこの問題への証言者として私をお招き頂いた事を、カルタジローネ委員長とマルシコ委員長に感謝申し上げます。

 1949年に中国共産党が権力を握った直後に、ソ連の指導で毛沢東の下に作られた中国の大規模な強制労働刑務所システムである「労働改造所」の事実を世界に露呈させるために、私は1982年に労改基金会を創設しました。

 労改システムの機能とは、犯罪者と「悪分子」を労働を通して改造する事です。一般犯罪者と政治犯の両方が労改に収監されますが、中国はそれを通常の刑務所システムと反論しています。

 しかし事実上、労改は中国共産党の経済的道具として機能しており、中共は労改を、政治・宗教や被支配民族の反体制者を威圧・迫害・沈黙させる目的に利用しています。そのうえ、労改の収監者への強制労働は、労改キャンプを運営する共産党関係者と、大規模公共事業を強制する国家に利益をもたらすものであり、建設・農業・採掘・製造などの大規模な営利事業を運営するのに賃金のかからない囚人労働を利用しています。


 私が労改に関して知っている事は自身の経験から来ています。1960年に私は北京の地質学の学生でしたが、中国共産党によって生み出された不平等や、ソ連のハンガリー侵攻への中国の協力を批判しました。その後間もなく私は「反革命右派」のレッテルを貼られ逮捕され、裁判なしに労改送りの処分となりました。私はその後19年間を12の労働キャンプで過ごし、そこで飢餓、身体的虐待や疲労に耐え、多くの仲間の収監者の死を目撃しました。毛沢東の死後に私は労改からの釈放を保証され、米国に来る事になりました。

 1990年にジェシー・ヘルムズ氏が私に米国上院での証言を持ちかけ、それ以来私は労改の残虐性に関して世界に知らせるために努力して来ました。労改でこれまで5000万人の人々が苦痛を受け、その多くが飢餓に苦しむか処刑をされ、300-600万人が現在も労改に収容されていると見られていますが、世界は中国にそのようなシステムが存在している事にまだ気付いていません。

 当基金会の研究は長年にわたり、それは労改システムだけでなく、宗教や少数民族の迫害、「一人っ子」人口抑制方針、死刑、公開処刑や、死刑囚からの臓器摘出など、中国の他の組織的人権抑圧問題も手がけています。


 中国の医療は1980年代に大きく発展し、1985年にシクロスポリンA[*]が導入され、医療レベルは恒常的に臓器移植を行うのに十分となりました。
* シクロスポリン:臓器移植時の拒絶反応防止薬。

 しかしそのジレンマは臓器の提供でした。中国には臓器提供の文化はなく、それは今なお一般的ではありません。そのような文化を伸ばすキャンペーンは、無傷で埋葬するという中国人の伝統の前に効果はありませんでした。しかし需要の増加に伴い、中国の病院と政府機関は労改を健康な臓器の供給源とする事を決定しました。


 中国では現在、不正、麻薬取引や泥棒などの非暴力犯罪を含む68の罪状が死刑宣告を可能としています。貧困層の経済移住者が毎年大量に中国の地方から都市部に移動しており、それに対し中国公安局は「厳打」と呼ばれるキャンペーンの結果犯罪数を増加させ、中国の死刑囚の数は莫大になりました。

 毎年の死刑執行数の正確数は国家機密として厳重に隠蔽されており、殆どの非政府組織はその年間執行数を数千と見積もっており、それは中国を除いた全世界の執行数の合計よりも多いのです。


 1990年代前半まで遡った私の調査では、中国人や他国人の需要のために死刑囚の臓器を中国の病院が手配していた事が明らかになっています。救急車が刑場で待機しているのは中国では全く普通の事であり、医療関係者が必要な臓器を素早く摘出し (手術の) 準備の出来ている病院に急行します。

 1994年にこの件に関するBBCのレポートに対し、この問題が国策である事を示すための協力をしました。2001年に当基金会はこの問題に関する動かぬ証拠の詳細をまとめた『共産党チャリティ』と題したレポートを発表しています。

 それでもなお、2006年に中国の衛生部の黄潔夫副部長が、中国の臓器提供者の大半が死刑囚であると認めるまで、中国はこの疑惑を否定し続けました。中国が今や米国に次いで第二位の臓器移植数を誇る中、このような主張は信じられるものではありませんでした。


 それでもなお、数年前に更に驚かされたのが、中国の人体臓器の行き先が中国の病院のみならず、ここ米国で有名な解剖学的展示会である事を知った事です。 人間の細胞の水分と脂肪分を除去しプラスチックのポリマーを注入させるプラスティネーションとして知られる技術で、これらの死体や臓器の展示会で一人あたり20〜30ドルの入場料を取っています。

 それは特に、アトランタに本拠地を置くプレミア・エキシビション社(以下「プレミア社」)のケースで、同社が中国の随鴻錦氏が経営する大連鴻峰生物化技有限会社を経由して人体供給を受け、少なくともその一部がほぼ確実に死刑囚のものである事は今や明らかとなっています。プレミア社と大連鴻峰生物化技社の契約は2500万ドルに相当すると報告されています。


 まず、プレミア社の人体標本の起源に関する説明は、それら人体が「最高の倫理基準の法的手段で入手された」という説明のみであり非常に不明確であります。それから、プレミア社は「引取人のない」死体を利用するにあたって、大連医科大学から入手したと主張しているものの、それらの人体がどのように「引取人がない」のかの正式な説明を行っていません。

 それらの人体が実際引取人がないものだとしても、中国においてそれが死刑囚を意味する事は周知の事実です。通常、死刑囚の家族は刑の執行後までその通知を受ける事はなく、稀に火葬の残存物を受け取る事はあっても遺族が遺体を要求する事は出来ません。なぜならそれは刑務所の所有物となるからです。


 ここ数ヶ月、プレミア社の展示人体に関する私の疑いを確認しながら、証拠が表面化して来ました。2月に放送されたABCニュースの『20/20』では、中国の公安局を出所とする100を越える死体を購入して大連鴻峰生物化技社に販売したとするブローカーを突き止め、不法な人体取引の証拠が示されました。その人物はまた、最初の取引で自身が目撃したという手縄の解かれていない血まみれの死体の写真を提供しました。

 この問題はまた、ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ検事総長のプレミア社の展示への調査を促し、クオモ検事総長の調査では、プレミア社のニューヨーク展での人体は「もともとは中国公安局から受け取ったもの」との事が判明しています。

 更にその調査では、プレミア社が展示用人体パーツが死刑囚のものでない事を独自調査で確認出来るとの主張が間違っていた事も判明しました。その結果、プレミア社はこれらの結果をウェブサイトとニューヨーク展のロピーに表示する事に同意をしています。


 展示用人体が中国の死刑囚である事をプレミア社は否定し続けています。証拠はそれとは正反対に非常に説得力があります。いずれにしても、プレミア社がこのような形での展示に同意していない人々の人体と人体パーツを展示し、それによって莫大な利益を得ている事に疑う余地はありません。このような搾取行為は倫理とはほど遠く、それは違法行為であるべきです。また、プレミア社が「リース」している人体の一部が死刑囚である事を私は確信しています。

 生前に大きな苦しみを受けた人々に、その死後にもこのような侮辱を受けさせる事は、少なくとも人倫に悖る行為として非難されるべきです。人命の価値を尊び、将来のこのような行為を禁止する法案をペンシルバニア州がカリフォルニア州に続いて通過させる事を願っています。

訳:Red Fox (原文:英語)


中国では囚人の体は刑務所の所有物


2006年12月、湖南省株洲市の公開裁判で死刑判決を受ける囚人。(Reuters/Spiegel) [b]
 ここで主張されているのは、囚人は実質的に刑務所の所有物となるため、労働改造所での強制労働によって中国国家や共産党が利益を得ているだけでなく、死刑囚の死体や臓器も刑務所の所有物であるから、その用途を決めるのも刑務所であり、この移植大国プロジェクトもプラスティネーション人体事業にしても刑務所を管轄する公安局が絡んだ「中国の国家プロジェクト」であるという事。

 2006年には中国衛生部が、移植臓器の95%が死刑囚のものだと認めており[>>12]、公安局が死刑囚の死体を病院に提供していた事が公然のものとなっています。

 それなら中国では人体取引で公安が儲け放題かというとそうではなく、刑務所や裁判所が臓器を転売したとして訴訟沙汰になったとか[>>13]、不法に人体標本を作成した業者への摘発があったり[>>17a]、2006年には人体の商業利用と輸出を禁じる法律が施行されているなど[>>14a]全く野放しという事ではない訳ですが、しかしその一方で事実として、公安局が大連鴻峰社に人体を提供し[>>15]、それを加工したプラスティネーション商業展示が中国国内で堂々と行われており[>>16]この一貫性のなさは一体何なのかというのもまた呉弘達氏が指摘するところです。[>>17b]



中国での「証明」自体が何の意味も持たない


(photo: WN / Denise Yong) (World News) [c]
 どうしてそういう事が通用するのかに関しては、これは全て「科学・医学・研究目的」というキーワードに集約されています。

 つまり、2006年に中国で実施された『死体の出入国と死体処理の管理規定』とは、医学・研究目的を除いて人体の商業利用と商業目的の輸出を禁じるという法律であり[>>14b]、臓器移植の場合はこれは純粋に医学目的であるから、公安局は「医学・研究・科学目的」と言えば全てが正当化される訳であり、実際に公安局が「死亡時に引き取り人のない」死体を「研究目的」という名目で大連医科大その他の大学や研究施設に提供していたとクオモ報告書には書かれています。[>>15b]

 つまり、プレミア社に人体標本を輸出していたジェンライフ・バイオメディカル社が「プラスティネーション教材」として[>>18]、輸入社のプレミア社が「医学教育用のプラスチック模型」として[>>19]貿易申告をしていたように、これが中国から「教材」として輸出申告されているのであれば、中国では違法行為とはならないという事になります。

 勿論、プレミア・エキシビション社が世界規模で人体標本の商業展示を行っているのは中国も知らない事ではないはずであり、いくらプレミア社側がその「教育的」性格を強調してみたところで[>>20]教育や研究には必要ではないサッカーなどのポーズを取らせた人体標本を入場料を取って展示している時点で、それが商業展示の性格を持ったものである事は否定出来なくなる訳で、それは中国国内で開催されている人体展 --- 隋鴻錦氏の『人体世界科普展覧』やハーゲンス氏の『神奇的人体』(Body Worlds 3) に関しても同じ事。

 そうすれば、何が「商業目的」で何が「教育・研究目的」であるかを誰がどうやって判断するかというガイドラインとチェック体制の問題になりますが、そもそもそんな事は中国の法律『死体の出入国と死体処理の管理規定』には書かれていない訳で、特に中国のように党の意向が正義となり、書面を嫌い口約束で物事が進むような国の場合は、物事が通るかどうかはいかにその人物や業界に政治力があるか次第であり、そういう国が発行した証明書など最初から世界のスタンダードに見合った信用などないというのは今回の呉氏やカルタリジーネ議長に留まらず各方面から指摘されている事です。[>>21][>>22]

次回に続きます

本文:2008年10月24日、「中国では囚人の体は刑務所の所有物」「中国での「証明」自体が何の意味も持たない」追加:2009年8月20日



特集『人体展と中国の人体闇市場』

特集シリーズ1「ABCニュースの報道から見る人体展問題」
 1. プラスティネーション発明者が中国から撤退 (2008.7.25)
 2. ニューヨーク州検察と中国当局が人体闇市場の調査を開始 (2008.8.1)
 3. 中国人人権活動家が人体展示に関して深刻な問題を提起する (2008.8.9)
 4. 『20/20』の報道を受けて、議員達が人体展に関する徹底調査を議会に要求 (2008.8.20)
 5. 「人体展」責任者の不可解な辞任と復帰劇 (2008.9.2)
 6. 人体輸入取引規制法案を全米21人の議員が支持 (2008.9.8)
 7. ニューヨーク州検事総長による人体展への厳重取り締まり (2008.9.13)
 8. 「人体展:彼等はどこから来たのか?」米ABC"20/20"の特集番組 (2008.9.20)
 9. 大連のプラスティネーション死体企業の調査 (2008.9.28)
 10. ペンシルバニア州で人体展禁止法案を検討 (2008.10.14)
 11. カリフォルニア州の人体展禁止法案 (2008.11.9)
 12. プレミア・エキシビション社の献体同意書は偽物だった (2008.12.22)

アップデート追加エントリー
 13. ハワイ州で人体展禁止が法制化 (2009.8.8)
 14. フランスの裁判所、人体標本の展示に中止命令 (2009.8.12)
 15. プレミア社の経営悪化で株主が反乱 (2009.10.13)

特集シリーズ2「初期の報道に見る人体展問題」
 1. 南京死体事件と『人体の不思議展』(1) (2009.10.27)

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関連資料:

法案 P.N. 2299 (2009年4月27日改訂版)
ペンシルバニア州議会

下院法案
No. 13522009年度会期

2009年4月27日に司法委員会に提出
条令

人間の死体の商業展示、および民事刑罰に関する、ペンシルバニア州法第20章 (故人、遺産と受託者) の修正。

議会は以下の通り評決を下し宣言する:

(1) ペンシルバニア州法第20章第86項 (解剖学的献体に関する) は、解剖学的献体が医学や歯学教育、研究、医学歯学科学、両方又は移植の進歩のために行われる事を要求するものである。
(2) 引き取り人のない死体に責任があるそれぞれの州、郡、市や自治体の職員は、故人の親類への通知に対して注意を払わなければならない。
(3) 個人の身体の高潔さや、連邦の社会と文化の価値を守るために、人間の死体の展示は規制されなければならない。
(4) 展示されている全ての人体の故人や親族から、それが人々の健康と安全を促進するために教育、医学、科学の分野で用いられるというインフォームドコンセントを提出する事を、商業目的の人体公開展示に関わる人物に義務付ける事が議会の意図である。

ペンシルバニア州議会はこれにより以下を制定する:

セクション1. ペンシルバニア州法第20章は以下の通り修正される:

第89項
人間の死体の商業展示
セクション
8901. 定義
8902. 展示に関する義務、例外と罰則
8903. 許可プログラム
8904. 適用性


§8901. 定義

この項で用いられる以下の単語やフレーズは、文脈が明確に示す場合を除き、このセクションで述べる意味を持つ:

「商業目的」は以下のいずれかである:
(1) 閲覧に対して料金等が発生する展示。
(2) 展示者が支払い等を受け入れる展示。

「衛生局」:州衛生局。
「展示者」:人間の死体を期間限定の展示に出品する、又は出品の契約をする人物またはその主体となるもの。

「博物館施設」:米国博物館協会認可の公立・私立の非営利施設、又は認可されたカレッジや大学付属のもので、教育や美学が永続的な本質目的であり、具体的な展示物を所有または使用師、それらの展示物の手入れをし、通常展示でそれらを一般公開するもの。


§8902. 展示に関する義務、例外、罰則。
(a) 展示に関する義務: (b) に示されている場合を除き、セクション8903 (認可プログラム)で説明されている衛生局発行の許可証を事前に所持している場合を除き、商業目的に人間の死体を展示しないものとする。
(b) 例外事項:以下の場合はこのセクションは人間の死体の展示に適用されないものとする:
(1) 75歳以上。
(2) 歯や毛髪のみ。
(3) ありきたりの展示の一部か、葬儀や、同様の弔いやメモリアル礼拝における故人の遺体を見る行為など。
(4) 宗教的崇拝の対象。
(5) 博物館施設の所有物。しかしもしその博物館施設が他の展示主催者に人体展示のために提供した人体が、この章の (1) から (4) に準ずる規定から免除されない場合、展示者はセクション8903で要求される許可証を入手するものとする。
(6) 写真
(c) 罰則:このセクションに違反する何者も、違反一件につき1万ドル以下の民事罰金を課せられるものとする。

§8903:許可プログラム
(a) 発行:人間の死体展示に関して以下に述べる個人から書面による許可を受けたと、衛生局長官またはその指名する人物が判断した場合にのみ、セクション8902 (展示に関する義務、例外、罰則) で説明されている目的の者に対して衛生局は許可証を発行するものとする。
(1) 故人、意思による許可を含む。
(2) セクション8611 (解剖学的献体を行う人物に関して) における人物が許可をした解剖学的献体。
(b) 費用:このセクションによって発行された許可証の費用総額は、衛生局によって決定され、この項の内容を執行する資金として正当に必要な額を越えないものとする。

§8904:適用性
第86項 (解剖学的献体) で説明された目的を満たす方法における、人間の死体の利用に適用するために、本項の何物も解釈されないものとする。

セクション 2. この法令は60日以内に発効するものとする。

Pennsylvania General Assembly. "House Bill No. 1352", April 27, 2009. (Doc)
訳:Red Fox (原文:英語)





脚註

  1. ^ Barboza, David. "China Turns Out Mummified Bodies for Displays". New York Times, August 8, 2006.
    デビッド・バーボザ. 『中国が展示用ミイラを製造』 ニューヨーク・タイムズ, 2006年8月8日. [全訳]
    Premier says its exhibition uses unclaimed Chinese bodies that the police have given to medical schools.
    None of the bodies, it says, are those of executed prisoners or people who died of unnatural causes. “We don’t deal with it directly, but we want to do what is morally and legally correct,” Mr. Geller said. “We traced the whole process. None of these would be executed prisoners.”
    Officials at the Customs Bureau here in Dalian and the Dalian Medical University, however, said they had no records showing the supplier of Premier having acquired bodies and then transporting them to exhibitions abroad.“I don’t know where the bodies came from,” said Meng Xianzhi, a spokesman for the university. ...
    Part of the reason for the tension is that Premier’s sole supplier of bodies is Dr. Sui Hongjin, a former general manager of Dr. von Hagens’ s operation in Dalian. Dr. von Hagens contends that while serving as his general manager, Dr. Sui secretly ran his own body operation in Dalian. Dr. von Hagens said he then fired Dr. Sui.
    Dr. Sui, who operates his own body factory in Dalian, declined to be interviewed.
     プレミア社は、公安局が医大に与えた引き取り人のない死体を使用しており、死刑囚や不自然な死因のものは一つもないと表明している。
    ゲラー代表は「弊社は直接 (人体入手に) 携わっていないが、道徳的に法的に正しい事を望んでいる」とし、「私達は全体のプロセスを辿り、そこに死刑囚の可能性はない」と述べた。
     しかし、大連の税関局と大連医科大学の関係者は、プレミア社への供給者が人体を入手し海外での展示に輸送した事を示す記録がないと言っている。大連医科大の広報のメン・シャンツー氏は「それらの人体がどこから来たかが分らない」と述べた。...
    この緊張状態の理由の一部は、プレミア社の独占的人体供給者が、ハーゲンス氏の大連に於ける事業の総経理 (社長) であった隋鴻錦氏である事である。ハーゲンス氏の総経理として働きながら隋氏は秘密に大連で自分自身の人体事業を行ったために隋氏を解雇したと主張している。
     大連で人体工場を運営する隋氏はインタビューを拒否した。

  2. ^ Washington State Legislature. "HB 1253 - 2007-08"
    ワシントン州議会. 『HB1253 - 2007-08』.

  3. ^ New York State Sanate James S. Alesi. "Alesi Legislation To Regulate "Body" Exhibits", February 27th, 2008.
    ニューヨーク州上院議員ジェームス・S・アレシ. 『「人体」展示を規制するアレシの法案』. 2008年5月21日.

  4. ^ Florida Senate. "Senate Bill sb2554", March 12, 2007.
    フロリダ州上院. 『上院法案 SB2554』. 2007年3月12日. [全訳]

    The State of Sunshine. "Florida Legislature: Top Ten Amusing Bills for the 2007 Session", March 12, 2007.
    State of Sunshine. 『フロリダ州議会:2007年度トップ10法案』. 2007年3月12日.

  5. ^ . Schecter, Anna. "Bodies Exhibitions Face Possible Ban in California". ABC News, Autust 21, 2008. [魚拓 1 2 3]
    アンナ・シェクター. 『人体展への徹底取り締まりを議員達が要求 』. ABCニュース, 2008年5月21日. [全訳]
    In an unprecedented victory for human rights activists, California legislators have passed a new law that would ban the display of unclaimed bodies from China for profit in the state.
    Majority Whip Fiona Ma of San Francisco who introduced the legislation said its passage shows that California does not accept the commercial exploitation of the deceased. "This bill will end the practice of unwilled dead-body trafficking," said Ma after her bill recently passed in both the Assembly and the Senate by an overwhelming majority.
     カリフォルニア議会は中国からの引取人のない死体を使った展示で州内で利益を得る事を禁じる新法を可決し、それは人権活動家の空前の勝利となった。
    この法案の提案者である院内幹事フィオナ・マ議員(サンフランシスコ)は、この法案の可決はカリフォルニア州が「故人への商業的搾取行為」を認めないという意思表示を示すものだと語った。自身の提案した法案が下院と上院の両方を圧倒的多数で通過した事を受けて、マ議員は「この法案は故人の意思に反する死体取引の悪習を終わらせる事になる」と語った。

  6. ^ Library of Congress. "H.R.5677 --- To amend the Tariff Act of 1930 to prohibit the importation into the United States of plastinated human remains. (Introduced in House)", April 2, 2008.
    議会図書館. 『H.R.5677 --- 米国にプラスティネーション人体輸入を禁止するための1930年の関税法の変更案 (下院に提出)』. 2008年4月2日. [全訳]

  7. ^ Candid Congress. "H.R. 5677: To amend the Tariff Act of 1930 to prohibit the importation into the United States of plastinated human remains.", 09/10/2008 - 04:02.
    Candid Congress. 『H.R.5677 --- 米国にプラスティネーション人体輸入を禁止するための1930年の関税法の変更案 (下院に提出)』. 2008年9月10日.

  8. ^ National Catholic Reporter. "Body exhibits: Issues more than skin deep", June 27, 2008. [魚拓]
    全国カトリックレポーター. 『人体展問題は皮膚の厚さより更に根が深い』. 2008年7月27日.
    Among Catholics, no consensus rules. While the Pittsburgh diocese used the exhibit last fall to make the case for God’s handiwork, other dioceses have strongly criticized the shows and encouraged Catholic school children to stay away.
     カトリック教徒の間では了解のルールはない。昨年の秋にピッツバーグ教区が神の創造物として展示会を利用したのに対し、その他の教区はショーを強烈に批判しカトリック学校の生徒達に展示会に近付かないよう奨励した。

  9. ^ Pennsylvania General Assembly. "House Bill No. 2299", March 10, 2008.
    2008年第一版:ペンシルバニア議会. 『下院法案2299番』. 2008年3月10日.
    Pennsylvania General Assembly. "House Bill No. 1352", April 27, 2009. (Doc)
    2009年再提出版:ペンシルバニア議会. 『下院法案1352番』. 2009年4月27日.

  10. ^この「医療専門家」というものが、単数で書かれたりチームとなったりプレミア社側の主張に一貫性がないので、一人なのか複数いたのかは定かではない。

    Harris, Peggy, Associated Press. "Skin Tight: Human Body Exhibits Grow In Popularity". Morning News, JULY 5, 2008 5:41 PM . [魚拓]

    ペギー・ハリス/AP. 『人体展がますます有名になる』. モーニングニュース, 2008年7月5日
    Marquart says the museum was satisfied with documentation from Premier and the Baltimore company that the bodies at Mid-America did not come from people who had been tortured or imprisoned or had not given their consent. The documentation was detailed, he says, showing that a medical doctor had inspected the remains and also outlining the procurement process used by the Anatomical Sciences and Technologies Foundation in Hong Kong.
     (ミッドアメリカ科学博物館の) マークオート代表は、プレミア社とボルティモアの会社 [エキシビション・インターナショナルLLC] が提供した、博物館にある人体が拷問や投獄されたり同意のない人々のものではないという報告書に満足していると述べた。マクオート代表によれば、その報告書は詳細に及び、医療専門家が人体の検査をした事、そして香港の解剖科学技術基金会が用いた入手プロセスの概要を示すものである。

  11. ^ Attorney General of the State of New York. "In the matter of: Premier Exhibitions, Inc. d/b/a BODIES. . . .The Exhibition" (Column 14) (PDF), May 23, 2008.
    ニューヨーク州検事総長オフィス. 『株式会社プレミア・エキシビション:商標“BODIES...The Exhibition”に関して』 (第14項) (PDF), 2008年5月23日. [全訳]
    Premier as also affirmatively represented that it conducted its own internal due diligence and, as result thereof, independently concluded that the Specimens currently on display in New York are not, and do not come from, Chinese prisoners who were subjected to execution, torture or other forms of physical abuse. Premier has represented that it conducted an independent analysis of the Specimens after it received them from DMUP. Premier's ability to independently analyze the Whole Bodies is not at issue here. Premier, however, cannot independently confirm that any of the over 200 Parts in the New York Exhibit were not taken from Chinese citizens or residents who were executed, tortured or subjected to other physical abuse.
     プレミア社はまた、自社の内部努力を行いその結果として、現在ニューヨークで展示されている標本は中国で処刑や拷問その他の肉体的虐待を受けた囚人ではないと断言した。プレミア社は大連医科大プラスティネーション社から受け取った標本を独自の検査を行ったとして来たが、同社の検査能力はここでは問題ではない。しかし、プレミア社はニューヨーク展での200以上の人体パーツのどれ一つとして処刑、拷問やその他の肉体的虐待を受けた中国国籍者や居住者のものではないと自社で確認する事が出来ない。

  12. ^ Congressional Executive Commission on China Annual Report 2006, p. 59; note 224, p.201: ‘‘Organ Transplants: A Zone of Accelerated Regulation’’ [Qiguan yizhi: jiakuai guizhi de didai] [器官移植:加快規制的地帯], Caijing Magazine [財経雑誌] (Online), 28 November 05, reporting that over 95 percent of organs transplanted in China come from executed prisoners. Cited in Wikipedia. Reports of organ harvesting from Falun Gong in China.
    中国に関する議会・政府調査委員会. 『年次報告2006』, p.59; note 224, p. 201: 『器官移植:規制地帯の加速』, 財経雑誌, 2005年11月28日号, 95%以上の中国での臓器移植は死刑囚のものとの報告。英語版ウィキペディア. 『中国における法輪功からの臓器収穫の報告』の脚註より。

  13. ^ 産経WEB. 『中国が臓器移植法 「死刑囚ドナー」認める 近く公布、管理強調』. 2005年12月9日. [全文]
     中国での臓器移植は、司法機関と医療部門が連携して準備される。二〇〇〇年五月には江西省の裁判所が銃殺の死刑囚の腎臓を勝手に病院に売却したため、死刑囚の父親が悲観して自殺、姉が裁判所を訴える事件が起きている。〇三年九月には、甘粛省の刑務所が死刑囚の同意なしに死刑執行後の臓器を取り出したことが発覚して、遺族に二千元(約二万八千円)の賠償金を支払っている。

  14. ^ a b 労改基金会. 干死肢解了法律和人体的尊厳――対隋鴻錦塑化死体企業的調査, 2008年6月6日. [魚拓]
    労改基金会. 『ミイラは法律と人体の尊厳を粉砕した − 隋鴻錦氏のプラスティネーション死体企業の調査』, 2008年6月6日. [全訳]
     2006年5月12日経中国衛生部部務会議討論通過,並経科技部、公安部、民政部、司法部、商務部、海関総署、国家工商総總局、国家質検総局決定頒布至2006年8月1日開始実施《死体出入境和死体処理的管理規定》;
     第八条;厳禁進行死体売買,厳禁利用死体進行商業性活動。
     第九条;除医療機構、医学院校、医学科研機構以及法医鑒定科研機構因臨床、医学教学和科研需要外,任何単位和個人不得接受死体捐贈。前款規定情況下使用完畢的死体,由接受死体的単位負責対死体進行殯葬意義上的最終処理。
     『死体の出入国と死体処理の管理規定』は、2006年5月12日に中国衛生部部務会議の討論を通過し、並びに科学技術部、公安部、民生部、司法部、商務部、税関総署、国家商工総局、国家検査総局を通じて公布され、2006年8月1日に実施が開始された:
     第八条:死体売買と死体を利用した商業活動を厳禁とする。
     第九条:医療機関、医学院と医大、医学科学研究機構および法医学者による臨床・医学教育と科学研究の必要の場合を除き、いかなる団体や個人も死体の寄贈を受け入れてはならない。前述の規定の状況下で、死体を使い終わったら、死体を受け入れた機関が出棺と埋葬の最終処理の責任を負う。

  15. a b Attorney General of the State of New York. "In the matter of: Premier Exhibitions, Inc. d/b/a BODIES. . . .The Exhibition" (Column 14) (PDF), May 23, 2008.
    ニューヨーク州検事総長オフィス. 『株式会社プレミア・エキシビション:商標“BODIES...The Exhibition”に関して』 (第9項) (PDF), 2008年5月23日. [全訳]
    DMUP obtained, dissected and plastinated the full body cadavers and body parts several years before leasing them to EI. All of the full body cadavers and body parts were (in the case of full body cadavers) or derived from (in the case of body parts) Chinese citizens or residents. There is no written record that any of those persons consented to the plastination and exhibition of their bodies and/or its parts. Rather, these bodies were unclaimed at death, collected by the Chinese Bureau of Police, and delivered to the Dalian Medical University and other universities in China for education and research. The universities then provided DMUP with the cadavers for plastination and, ultimately, lease to EI.
     大連医科大プラスティネーション社はEI社のリースを開始する数年前から、完全な人体や人体パーツを入手し解剖しプラスチック化して来た。全ての人体や人体パーツは中国国籍者か居住者のものであるが、遺体やパーツをプラスティネーションして展示に用いるという事へのそれらの人々の同意を示す書類が存在しない。むしろこれらの死体は死亡時に引取人がなく、中国の公安局によって集められ、大連医科大や中国のその他の大学に教育と研究目的で届けられたものである。そしてこれらの大学が大連医科大プラスティネーション社にプラスティネーションのために死体を提供し、最終的にEI社にリースされた。

  16. ^ 大連鴻錦生物科技社の子会社の大連鴻峰文化発展有限会社は2004年4月8日以来人体や生物のプラスティネーションを展示する『人体世界科普展覧』を中国各地で開催している。現在は「大連鴻峰文化発展有限公司」の名義で運営されている。
    大連鴻峰文化発展有限公司. 『神奇的人体-神奇的人体科普展覧-神奇的人体巡展-人体世界科普展覧』.

    大連鴻峰文化発展有限会社. 『人体の不思議--人体の不思議科学普及展示--人体の不思議巡回展示--人体世界科学普及展示』
    主弁單位:中国解剖学界、承弁単位:大連鴻峰文化発展有限公司
    主催:中国解剖学界、協力:大連鴻峰文化発展有限会社

    2004年の記事では入場料が大人50元、学生25元であるとの記述があるが、商業展示の性格を前面に出さないためか、2006年の法施行を意識してか『人体世界』のウェブサイト上に入場料の情報がなく、ネット上にも情報が非常に少ない。
    新京報. 『“人体展”門票50元観者嫌貴』. 捜狐新聞, 2004年4月9日 2:12.

    新京報. 『「人体展」の入場料の50元は高い』, Sohu, 2004年4月9日

  17. ^ a b 労改基金会. 干死肢解了法律和人体的尊厳――対隋鴻錦塑化死体企業的調査, 2008年6月6日. [魚拓]

    労改基金会. 『ミイラは法律と人体の尊厳を粉砕した − 隋鴻錦氏のプラスティネーション死体企業の調査』, 2008年6月6日. [全訳]
     據中国官方媒体報道,2006年5月16日,与大連医大生物塑化有限公司從事相同的死体加工行業的丹東科芸生物技術有限公司被警方查封。...
    事件発生後,丹東市委、市政府迅速責成公安、工商、環保、衛生等部門進入現場,尽快查清情況,採取有效措施,依法妥善処置。
     目前,公安機関正在対死体来源等有関情況進行調查。工商部門初歩認定該公司涉嫌超範囲違法製作人体標本,已責令該公司立即停止加工生産,並将依法予以查処。環保部門對該公司在加工人体標本過程中産生的汚水進行監督処理。衛生部門責令該公司提供医学死亡証明,並按衛生防疫標準進行消毒。 ...
     既然如此,那麼大連医大生物塑化有限公司進行的死体加工就是合法的�?衛生部門就不用責令該公司提供医学死亡証明瞭�?是不是大連医大生物塑化有限公司是官弁的就合法,而丹東科芸生物技術有限公司是民弁的就不合法�?
     中国政府メディアの報道によれば、2006年5月16日、大連医大生物プラスティネーション社と同様な死体加工業界の「丹東科芸生物技術有限公司」が警察に差し押さえられたとのこと。...
     事件発生後、丹東市委員会、市政府は迅速に公安、商工業、環境保護、衛生などの部門に対し、現場に入り極力早く状況を調べ明らかにして有効な処置を取り、法律に基づいて適切に処理するよう責任を課した。
     現在公安機関は死体の出所などの関連状況に関して調査を行っている。商工部門は該公司が範囲を超えて違法に人体標本を制作したと認定し、同社に直ちに加工生産を停止するよう責任を課し、法律に基づいた調査で処分をする。環境部門はこの企業が人体標本を加工する過程で発生した汚水に対して処理監督を行った。衛生部門はこの企業に医学死亡証明を提供する事と、衛生防疫によって消毒を行う事を課した。
     それでは大連医大生物プラスティネーション社の死体加工は合法なのか? 衛生部門は死亡証明の提供を課しているではないか? 大連医大生物プラスティネーション社が官営だから合法で、丹東科芸生物技術社が民間だから非合法になるとでも言うのか?

  18. ^ TPal貿易情報センターのウェブサイトには、2007年の日付での台湾の基隆のジェンライフ・バイオメディカル社からプレミア社への輸出記録が記載されている。その内訳は:
    輸出者:ジェンライフ・バイオメディカル社、輸入者:プレミア・エキシビション社、輸出産品:プラスティネーション教材、B/L番号:ORLCELAX70407、予想到着日:2007年**月4日、実際到着日:2007年**月4日、北米港:ロサンゼルス、船舶会社コード:YM MARCH(PA)、運送人:ORLC、原産地:台湾基隆、貨物重量:9209kg、貨物数量:81、TEU:5
    この『TPal貿易情報センターのホスト「infospy.co.cn」は中国ドメイン。
    TPal Trade Intelligence Searching System. "GENLIFE BIOMEDICAL CORP.EXPORTER". [魚拓]

    この台湾の企業『ジェンライフ・バイオメディカル』(銀杏林生物科技社) は、2004-05年に台湾で人体展『人体大捜索』を開催したという以外は、ウェブサイト情報もなく、イエローページにも住所と電話番号、そして「卵白ゴムの開発をしている」以外の企業概要が全くネット上で見つからない、実体不明の企業。 台湾黄頁. 『銀杏林生物科技股�有限公司 』. [魚拓]

  19. ^ ABC News. "Anatomy or worldwide body trade". Feb 15, 2008. [魚拓]
    ABCニュース. 『世界規模で取引される死体』. 2008年2月15日. [全訳].
    Shipping documents obtained by "20/20" show how suppliers for Premier Exhibitions -- one of the top companies for bodies exhibits -- avoid the laws relating to human remains. As seen at left, they declare the human bodies as plastic models intended for medical teaching."
    『20/20』が入手した発送明細では、人体展示の代表的な主催者の一つのプレミア・エキシビション社への提供業者が、遺体に関する法律をいかにくぐり抜けていたかを見る事が出来る。明細の左側で人体は、医学教育目的のプラスチック模型と申告されている。

  20. ^ ABC News. "20/20: Human Bodies On Display -- Where Did They Come From?". Feb 15, 2008.
    ABCニュース. 『人体展:彼等はどこから来たのか』. 2008年2月15日. [全訳].
    Geller: "We've invested a lot of money, and our belief is that this was gonna be a great educational program. And if it is successful, then our shareholders will benefit from that."
    ゲラー:当社は多額の投資を行い、それが素晴らしい教育プログラムとなる事が私達の信念です。もし成功を収めるなら、それは株主にも利益をもたらします。

  21. ^ Schecter, Anna. "Lawmakers Call for Crackdown on Bodies Exhibits". ABC News, May 21,2008, Page 2. [魚拓 1 2 3]
    アンナ・シェクター. 『人体展への徹底取り締まりを議員達が要求』. ABCニュース, 2008年5月21日. [全訳]
    "In the U.S. we have very specific laws as to what constitutes 'unclaimed.' Premier's use of 'unclaimed' is 'unknown,'" said Sarah Redpath.
     サラ・レッドパス氏は「米国において“引取人がない”とは具体的な法的根拠に基づくものだが、プレミア社が言うところの“引取人がない”とは、“不明である”との意味で用いられている」とコメントした。

  22. ^ Journey is the Reward. "My impressions of seeing Harry Wu, human rights activist", May 14, 2008 1:45 PM. [魚拓]
    Journey is the Reward. 『人権活動家の呉弘達氏に会った印象』, 2008年5月14日. [全訳]
    However, all certification documents in China are relatively easy to obtain and really don't mean anything.
    しかし、中国において証明書を得る事は容易であり、中国での「証明」自体が何の意味も持たない。



写真
  1. ^ O'Driscoll, Bill. "A critical examination of the cotroversial exhibit". Pittsburgh City Paper, Feb 28, 2008. [魚拓]
  2. ^ Spiegel Online. "UN Committee Votes for Wordwide Death Penalty Moratorium", Nov 16, 2007. [魚拓]; Picture by Reuters from China Debate, The. "Death Penalty". [魚拓]
  3. ^ Daily Yomiuri. "China officials 'told firm to buy recalled gyoza'". World News, 2009-01-25. [魚拓]
  4. ^ Pittsburgh Pist-Gazette. "A Body By Any Other Name", March 2, 2008.

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