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ミクシィニュースで、アメリカの9歳の男の子が恋愛マニュアル本を出版したというGigazineのニュースが紹介されていて、それに「女の子はやさぐれた男が嫌い」という一文があって、「やさぐれる」を英語で何と言うのかという疑問を持っている人がいたので調べてみました。尤もこれは元々英語で語られているものなので、むしろ何をどう訳したら「やさぐれる」になるのかという事ですが。
9歳の少年が書いた「恋愛マニュアル」の驚異の内容 GIGAZINE 2008年12月10日 11:00
何歳になっても、異性に話しかけるのは難しいもの。ましてそこから恋人同士になるのはもっと難しいのですが、そんな私たちの悩みにアメリカの9歳の少年が書いた「恋愛マニュアル」が役に立つかもしれません。先日映画化まで決まったこの本にいったいどのようなことが書いてあるのでしょうか。 詳細は以下。 Fox learns 'How to Talk to Girls' - Entertainment News, Film News, Media - Variety アメリカ・コロラド州のAlec Greven君は9歳の小学校4年生。クラスの女子とうまく仲良くできないクラスメート達のためにアドバイスを書いたのが出版のきっかけになりました。このアドバイス集を「How To Talk To Girls」というパンフレットにまとめて学校のバザーで販売したところ、「ナルニア国物語」「大草原の小さな家」「おおきな木(The Giving Tree)」など数々の名作児童書で有名な出版社Harper Collinsの目にとまり出版されました。その後4巻までの刊行も決まり、そして21世紀フォックスと映画化の交渉も始まったそうです。 Alec君の恋愛本にはいわゆる「自分のありのままを出せばいい」のような曖昧なアドバイスはなく「君を好きになる女の子はいるかもしれないけれど、いずれ君を捨てる。人生は厳しい」という恋愛への心構えから「いいところを見せろ。サッカーでもなんでも得意なことを女の子の前でやれ」など現実に真っ正面からぶつかったまるでホットドッグプレスの名コラムニストの北方謙三先生並のアドバイスが並んでいます。これを9歳の少年が書くとは末恐ろしいばかり。 実際に役に立つかどうかは不明ですが、Alec君はTVインタビューの中で「僕はモテるけど、ピンと来る子がいないからつきあってないんだ」とコメントしています。この本の通りに行動して本当にうまくいくかどうかは分かりませんが、もしダメだったとしても「やさぐれるな。女の子はやさぐれた男は嫌いだ」とAlec君はアドバイスしています。 YouTube - Alec Greven on ELLEN - Feb 20 2008Gigazine. 『9歳の少年が書いた「恋愛マニュアル」の驚異の内容』., 2008年12月10日 12時11分00秒.
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それにしても「やさぐれる」なんて国語辞典にも載っていない言葉をどうして使うかね?
やさぐれるの解説
やさぐれるとは家出や家出人を意味する『やさぐれ』に俗語によくある名詞を動詞化する接尾語『る』をつけたもので、当初は家出することを意味した。しかし、やさぐれるは『やさぐれ』と同じく『はまぐれ』から派生した『ぐれる』と取り違えられるようになり、「すねる」「自暴自棄になる」といった意味になった。
![]() 12月4日、NBCの『トゥデイ・ショー』に出演したアレック君 |
この単語「clown」には大まかに二つの意味があって:
1. おどけ者、悪ふざけをする人
2. 田舎者、無骨者、ばか
アレック君は「class clownには二つのタイプがある」と説明していますが、その二番目の意味の「無骨者」は女の子にモテないと言っている訳で、それがギガジンでは「やさぐれた男」つまり「投げやりになった男」と訳されたという事でしょうか。「clown」は「ひねくれたワル」よりもむしろ「がさつでうるさい馬鹿者」のニュアンスです。
この『How to Talk to Girls』は全部で7章からなる48ページの本で、以下はそのうちNBCニュースのウェブサイトで公開されている最初の2章。今度はそこに『やさぐれる』がないかどうか見てみます。
NBCテレビ『トゥデイ・ショー』 2008年12月4日 7:39 | ||
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アレック・グレーベン君はコロラド州キャッスルロックのソーリングホーク小学校の4年生。8歳の時に恋愛マニュアル本『How to Talk to Girls』を書いた。この本はもともと小学校の自由研究課題として書かれたものだが、担任教師や校長に強い印象を与え、学校のブックフェアで3ドルで売られ、トップ売り上げとなった。アレック君のデートへのアドバイスがどれだけ良いかは以下の抜粋を見れば一目瞭然。 Alec Greven, a fourth grader at at Soaring Hawk Elementary School in Castle Rock, Colo., wrote "How to Talk to Girls" -- about the dos and don'ts of dating -- when he was 8 years old. The book came out of a school writing assignment, and he so impressed his teacher and principal, that the book was sold for $3 at the school book fair -- becoming the fair's top seller. Read this excerpt to see how good Alec's dating advice really is. msnbc.com. '"Dating expert" Alec Greven, 9, shares advice on winning with the ladies', December 4, 2008, 7:39 AM CT.
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第一章:人生の現実 君を好きになる女の子がいても、すぐに捨てられる事もある。 人生は厳しい。次に進もう! アドバイス:73%の普通の女の子は男の子を捨てる。98%の可愛い女の子は男の子を捨てる。 Sometimes, you get a girl to like you, then she ditches you. Life is hard, move on! Tip: About 73 percent of regular girls ditch boys; 98 percent of pretty girls ditch boys. 8
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また、時にはただなす術がない事もある。 幼稚園の時女の子を好きになった事がある。 でも家族が引っ越さなければならなかったので、彼女の事を忘れなければならなかった。 Or sometimes it just doesn’t work out. I had a crush on a girl in preschool. Then my family had to move, so I had to let her wash out of my mind. 9
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それから、大抵の場合口喧嘩に勝つのは女の子であり、殆どのパワーは彼女達が握っている事を忘れてはならない。それを理解するなら物事はもっとスムーズに行くかもしれない。 一度に沢山の女の子にアタックしたら、ジェラシーの渦に巻き込まれて結局最後には誰もいなくなる。 一人に絞るのがベストである。 You also have to be aware that girls win most of the arguments and have most of the power. If you know that now, things might be easier. Finally, if you try for too many girls, you will have jealousy issues and might end up with nobody. It is really best to go for just one. 10
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もし女の子が好きになってくれたらそれは勝利である。殆どの男の子にとって勝利は夢であり、でもそれは滅多に起きない事。 それなら何が勝利をもたらすのか? 続きを読んでみよう! If you do get a girl to like you, that is victory. Winning victory is a dream for most boys, but it is very rare. What does it take to win victory? Read on and find out! 11
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第二章:恋心多くの男の子が女の子を好きになる。 でも女の子に好きになってもらうのはとても大変である。 何年もかかる事もある! 何が起ころうとも自暴自棄になるな。女の子は自暴自棄な男の子は嫌いである。 それなら、もし女の子を好きになったらどうすればいいのか? それは好きになって貰う事である。 自分の能力を見せるのはいい。サッカーなど得意な事を。 アドバイス:女の子に好きになって欲しかったら、彼女に話しかけて知り合いになる事。 Many boys get crushes on girls. But it can be very hard to get a girl to like you. Sometimes it takes years! Whatever happens, just don’t act desperate. Girls don't like desperate boys. So what do you do if you have a crush on a girl? You need to get her to like you. You can also show off a skill, like playing soccer or anything else that you are good at. Tip: To get a girl to like you, talk to her and get to know her. 14
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もし君が小学生なら、女の子に愛してもらうのでなく、好きになって貰うように努めた方がいい。中学まで待ってそれから愛してもらえばいい。さもなければ女の子を長期間キープしなければならず、それはとても大変である。 アドバイス:殆どの小学生の男の子は女の子を最大30日しかキープ出来ない。 If you are in elementary school, try to get a girl to like you, not to love you. Wait until middle school to try to get her to love you. Otherwise, you have to hold on to her for a long time and that would be very hard. Tip: Most boys in elementary school can hold on to a girl for only 30 days. |
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恋心を持った男の子の多くは女の子の前でどう振る舞えばいいのかを知らない。女の子をからかったり意地悪な事を言ったりする男の子もいる。女の子に馬鹿な事を言ったりいかれた振る舞いをする。そういう男の子達はひけらかしが格好いいと思っている。 これはいいアプローチではない。 Many boys who have crushes don’t know how to act around a girl. Some boys tease girls they like and are mean to them. Some boys say silly things to girls and act goofy. Some boys think they are acting cool by showing off. This is not a good approach. |
誰かを好きになった時の正しい行いは:・度の過ぎたひけらかしや目立ちたがり行動は絶対にしない ・愚かでいかれた行動は取らない ・感情をコントロールする(必要があれば砂糖を減らすように) ・好きな子を横取りしたりしないようないい男友達ばかりである事を確認する 結局もし上手く行かなかったとしてもそれは乗り越えなければならない。恋心は病気のようなものである。それは人を狂わせる。 こういう事で落ち込んだりしないように。 The right thing to do when you have a crush is: ・Never show off too much ・Don't be silly and goofy ・Control your hyperness (cut down on sugar if you need to) ・Make sure you have good friends who won't try to take the girl you like. Finally, you have to be able to get over a crush if it doesn't work out. A crush is like a love disease. It can drive you mad. Try not to let it get you down. |
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アレック・グレーベン著『How to Talk to Girls』より抜粋。 イラスト:ケイ・アシディラ。『How to Talk to Girls』の詳細はこちら。 Excerpted from "How to Talk to Girls" by Alec Greven. Illustrations by Kei Acedera. To read more from "How to Talk to Girls," click here. |
ここで出て来る似たような表現は、第二章の14ページの「自暴自棄になるな。女の子は自暴自棄の男は嫌い」(don't act desperate. Girls don't like desperate boys)で、Gigazineに出て来る「女の子はやさぐれた男は嫌いだ」と文脈が似ています。
この「desperate」の意味は:
しかし、ニュアンスとしては「desperate」の持つ語感は、「やさぐれる」の「投げやりになる、すねる」よりも、むしろガツガツした「がむしゃら」というある意味正反対であるため、ニュアンスとしては微妙な感じはします。
ただ、『How to Talk to Girls』には、この他にも「からかったり意地悪な事を言う」「愚かな事を言ったりいかれた振舞いをする目立ちたがり」などの表現もあるので、全体を総合すれば (女の子の気を惹きたい時に) 「天の邪鬼になるな」「悪ぶるな」という事をアレック君は言っている訳で、そうすればそれを一言で表す単語として「やさぐれる」を選んだという事なのでしょう。
もともと成立も歴史も違う言語で、それぞれの単語の意味の背景にあるニュアンスが違うものを訳して正確に同じ意味で同じニュアンスにするなどおよそ不可能であります。
それにしてもアレック君本人によれば、この本を自分の夫へのプレゼントで買った大人の女性がいたのが面白かったとか。この本がどうして大人にウケるのかが最初の14ページを見ても何となく分かる気はします (笑)
またこの本の売り上げは全て小学校の運営基金に寄付をされたとか。『How to Talk to Moms』『How To Talk to Dads』という姉妹編も来年春に発売予定。
先日の田母神論文を扱ったエントリーへの補足として、このエントリーと関係ないようで関係あるような話 (笑)
田母神論文のエントリーに関連した某所でのやり取りで、サンフランシスコ平和条約第11条の英語版と日本語版の「内容の違い」に関しての話題が提供されたのをきっかけにこの問題を少し見る機会がありまして、それと同じテーマが『日比野庵』さんの「田母神氏の弁明と東京裁判(田母神論文問題について 補追1)」で書かれていたため、私がそちらに投稿したコメントをこちらでも紹介させて頂きます。
これはウィキペディアの『日本国との平和条約第11条の解釈』や、『今尚進行するWGIPに対抗する為の資料収集を目的とするサイト』の『サンフランシスコ平和条約第十一条の正しい解釈』でも詳しく説明されていますが、昭和27年のサンフランシスコ平和条約の英文の:
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Japan accepts the judgments of the International Military Tribunal for the Far East and of other Allied War Crimes Courts both within and outside Japan, and will carry out the sentences imposed thereby upon Japanese nationals imprisoned in Japan.
NationMaster - Encyclopedia. "Treaty of Peace with Japan".
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が、外務省の訳では:
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日本国は、極東国際軍事裁判所並びに日本国内及び国外の他の連合国戦争犯罪法廷の裁判を受諾し、且つ、日本国で拘禁されている日本国民にこれらの法廷が課した刑を執行するものとする。
中野文庫. 『日本国との平和条約 (昭和27年条約第5号)』.
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となっていて、つまり「judgments」を「判決」と訳すか「裁判」と訳すかでその意味合いが違って来るという議論。
これは日本語の「判決」と「裁判」ではその意味が違うため、東京裁判に関して日本が一体何を受諾したのかの根本的な部分に関わる問題であるという議論はこれまでも随分されており、日比野さんはこの問題を、東京裁判とそれに基づいた歴史観にどこまで日本が縛られるのかの指針として、渡部昇一氏の指摘や田母神氏の更迭の例を挙げながら、「裁判」と「判決」の定義や、日本が受諾したものに関して論じた興味深いエントリーを書かれています。
しかし、日本語の「裁判」と「判決」のそれぞれ単語の持つ定義や意味に関して議論をしてみても、該当する英語の各単語の定義と意味の範囲が日本語と完全に一致してはいないため、日本国内での議論の多くがどうも日本語の語感や意味・定義の視点から見た日本語の範囲内での解釈の議論であり、それを対外的にどう説明するのかにまで議論が至っていない印象はいささか否めないため、私はこの件に関して単純に英文として読んだ場合にどういう印象を受けるかに焦点を絞って書いてみました。
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この「裁判」と「判決」の問題は、祥平さんの [ブログの] コメント欄でやまとさんが紹介していたウェブサイトでも、佐藤一男氏の『世界がさばく東京裁判』の引用で言及されていましたが、そもそも日本語の「裁判」と「判決」のそれぞれ持っている意味の範囲と、該当する複数の英単語のそれぞれの意味の範囲がそもそも違うので、これが混同や誤訳かと言えばそうとも言いきれないように思います。 「judgment」という単語は「罰則としての判決」よりもむしろ「判断・決定」のニュアンスであり、日比野さんの指摘された「裁判は訴訟を審理して法律に基づいた判断を行うこと」に関してはむしろ「judgment」の方がニュアンスが近いようにも思えます。 一方「法に照らして判断する業務」としての「裁判」なら「trial」(試験・試み) 「proceeding」(手続き・処分) の方が近いかもしれません。 また、「判決」を表す単語としては、「裁判の決定」の意味では「judgment」や「decision」になりますが、日比野さんの指摘された「判断に基づいた罰則」のニュアンスならむしろ「penalty」(罰) の方が近いと思います。また、判決や罰則を言い渡す行為に関しては「sentence」(宣告) になります。 つまり、『日本が「裁判」には納得しないが「判決」だけは受け入れた』という場合に、日本が納得していないのが「judgment」であり、受け入れたのは「penalty」というニュアンスの方が近いかなとも思います。 講話条約にある「Japan accepts the judgments of 〜」は文章自体のニュアンスとしては「裁判の決定を受け入れた」なので、日本語における「裁判」と「判決」の違いをこの英文に見付けようとする事自体が余り意味がないようにも思えます。 文太 2008/12/06 14:22 日比野庵本館. 『田母神氏の弁明と東京裁判(田母神論文問題について 補追1)』, 2008/11/20, 10:00 (コメント欄).
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結局のところ「裁判とは判決を伴うもの」であり、原文は単純に「裁判と判決はセット」という以上のニュアンスは特に含んでいないので、「判決」「裁判」のいずれに訳したところで、日本がその「裁判の判決」を受け入れた事に変わりはない訳で、そこに意味の違いを見いだす事はいささか言葉のパズル論に思えます。
実際、日本語では訴訟に関する全てをリプレゼントする「裁判」という厳格な単語が存在するのに対し、英語で「裁判」を表すのにそこまでの重さを持つ絶対的かつ唯一無二の単語が存在せず、ケースバイケースで使われる様々な単語が存在します。むしろ日常的に用いられている表現で裁判をリプレゼントする重みのある単語は「court」(法廷・裁判官)、それからその結果を表す「judgment」ではないかと思います。
東京裁判の「Tokyo Trial」の「Trial」は要するに陪審員や判事による特に刑事訴訟に関するトライアル、つまり「試み」や「試験」のようなニュアンスを持つ単語で、一方東京裁判の正式名の「極東国際軍事裁判」(The International Military Tribunal for the Far East) の「Tribunal」は、「裁判所、法廷」や「判事団、裁定委員会、審判委員会」といった「裁きの場」や「審判団」のニュアンスのあるラテン語の単語で、この単語は「国際法廷」や「労働裁判所」に用いられています。日本語で「裁判」と一口に言っても、英語ではその意味によって単語が使い分けられています。
ちなみにキリスト教などの「最後の審判」(Last Judment) では「Judgment」。「宗教裁判」は「Inquisition」。
この外務省の訳の場合は、「International Military Tribunal for the Far East」を「極東国際軍事裁判所」、「Allied War Crimes Courts」を「連合国戦争犯罪法廷」という風に単語の持つ意味に忠実に「裁判所・法廷」と訳してあり、つまり「審理・判断としての裁判」ではなく「場・機関としての裁判所」という訳になっているため、日本語の語感としてはそこに「裁判」という単語が必要となると (いずれにしても裁判は判決を伴うもの)、そういう意図で訳されたのではないかと、そういう印象はあります。
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さいばん 裁判 a trial; a hearing 裁判する judge; try; 〈判決を下す〉 decide on 《a case》; pass judgment on 《a case》 裁判の傍聴人 a spectator at a trial 裁判を開く hold a court 裁判を受ける be tried; face (a) trial; come up for trial; be on trial 裁判に勝つ[負ける] win [lose] a case [suit] 裁判にかける bring sb to trial [justice]; try sb (in court). 裁判官 a judge; a justice; 〈一裁判所の裁判官全員〉 the court; the bench 裁判権 《have》 jurisdiction 《over》 裁判沙汰(ざた) (court) proceedings; 〈民事〉 a lawsuit; an action; 〈刑事〉 a trial 裁判沙汰にする take 《sb, a matter》 to court; sue sb; bring an action 《against sb》; take [《fml》 institute] (legal) proceedings 《against sb》; go to law 《against sb》; 《口語》 have the law 《on [onto] sb》; prosecute sb (刑事事件で検察が) 裁判沙汰にしないで解決する settle 《a matter》 out of court [without going to law] 裁判沙汰になる come to [end up in] court; result in court action 裁判事件 a court case 裁判所 〈建物〉 a courthouse; 〈法廷〉 a (law) court; a court of justice 裁判所長 the president of a court 裁判長 the presiding [chief] judge; 《米》 the chief justice 裁判手続き court procedure 裁判費用 judicial costs. 新英和中辞典 第6版 (研究社). 『裁判』. excite 辞書.
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おはようございます。
渡部昇一氏は、judgementsを裁判と訳したら、辻褄が合わないから、「諸判決」とすべきとしているようです。
ただ、論理的整合性から見てそうであっても、説明しないと中々通じないように思いますし、説明を必要とする時点でプロパガンダ的には不利ですね。
−渡部昇一氏 指摘部分抜粋−
例の第11条を読んでみたまえ。そこには「諸判決(Judgments)を遂行する」としている。もしJudgmentsを「判決」でなく「裁判」と訳したら、日本政府が遂行できるわけはないではないか。東京裁判を遂行したのは連合国である。その裁判所は死刑の他に無期刑やら有期刑の諸判決を下した。その諸判決の期間が終わらないうちに講和条約が成立し、日本が独立したので、「その刑期だけはちゃんと果たさせなさいよ」ということである。
このエントリーを書く前に、日比野さんのエントリーをもう一度じっくり読ませて頂いて、それから単語の意味と原文もじっくり考えてみたのですが、先日日比野さんにお話ししたのは「裁判は誤訳とは言い切れない」ですが (これを「誤訳」と称しているケースも見かけた事もあるので)、この場合はそれでもやはり「判決」と訳した方が妥当ではないかと思いました。
私の解釈としては最後のパラグラフに書いた通り、外務省訳では東京裁判等の名称「Tribunal・Court」が「裁判所・法廷」と直訳になっていますが、実際英語の原文には「裁判所・法廷=裁判」のニュアンスがあるのに対し日本語にはそれがないため、「judgments」の部分に「訳の可能性の一つ」から機関名ではなく行為・場として「裁判」の単語を選んだと、それ以上の理由はないのではという印象です。
これは恐らく訳の際の「裁判所・法廷による裁判を受諾」か「裁判所・法廷による判決を受諾」のどちらがしっくり来るかという選択であって、厳密には「裁判所・法廷による裁判の判決を受諾」と訳さなければ意味は通じないし、原文の訳としては片手落ちになってしまうように思います。
この「論理的整合性」はもちろん説明すれば通じますし、説明する方法はあると思います。ただこの問題に限ってはあくまでも「それがどう訳された」かの問題であって、日本が何を受諾したかに関して原文をどう解釈するかは、またそれとは別な問題に思います。
いずれにしても単純明快で感情に訴えるプロパガンダが世界で勝利しているというのは「原爆は多くの日本人を救った」が未だにまかり通っている現状が物語っていますね(最近になってようやく「原爆は日本人でなく米兵を救ったのだ」とアメリカ人が言い出すようになりましたが)。核兵器が非人道的であるという非常に分り易いテーマですらもこんな状態です。
Author:岩谷文太
米国在住。主に海外の英文記事や中国語記事から得られる情報をまとめています。
タイムリーなニュースの話題よりも、調査系の規模の大きなエントリーが多いため数を絞っており、気が向いた時にしか更新しないのでたまに覗いてみて下さい。
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