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コーヴガーディアンズが入国拒否

 シーシェパードが和歌山県太地町に活動家を送っているキャンペーン「コーヴガーディアンズ」のリピーターの活動家が昨今相次いで入国拒否となっている。
 『ザ・コーヴ』以降にキャンペーン化し、こういった海外の活動家によるハラスメントが激化した3年目になって、ようやく法務省が動き出したようだ。

 現在のところ明らかになっているのはトマ・ゲナール (仏)、ロージー・クネケ (南ア)、ニッキ・ボーサ (南ア) の3名で、いずれも過去にコーヴ・ガーディアンとして太地町に滞在した事がある活動家だ。
 そのうち日本との相互ビザ免除国であるフランス国籍のゲナールは11月29日に関西空港で拘束され翌々日に強制送還されており、ビザ非免除国の南アフリカのクネケは11月来日予定だったのが日本入国ビザ発行が拒否されている。南アのボーサに関しては詳細不明だが恐らくクネケと同様だろう。

 関空での拘束が同行したアンディ・ロマノフスキによって当日に公表されたゲナールに対し[>>1]、南アの2名のビザ拒否は公表されていなかったが、シーシェパードが1月18日の声明で入国拒否があった事を言及したのを受けて[>>2]、ボーサが19日に、クネケが21日にFacebookで名乗りを上げた。[>>3]

写真:2011年11月8日、太地漁港の関係者外立入禁止の船着き場に侵入して警察と海保隊員に連れ出されるロージー・クネケとタラ・ミレン。撮影はマーティン・スチュワート。 (Martyn Stewart)




トマ・ゲナール
シーシェパードのスパイ活動


2010年11月、太地漁港で漁師のトラックにカメラを向けるゲナール (左)

漁師のトラックの前に座り込むゲナール。(テレビ朝日 報道発ドキュメンタリ宣言『イルカ漁の町で何が』より)
 フランス人で現在オーストラリアに住みシーシェパードのボランティアメンバーとして活動しているトマ・ゲナール (27) は[>>4]、太地町にはコーヴガーディアンとして少なくとも2010年11〜12月、2011年2月と11月に来ている。

 実際ゲナールの日本での行動は謎が多く、2011年以降にシーシェパードのスパイとして岩手県大槌町や北海道網走の沿岸捕鯨の偵察を行なっていた事が確認されている。[>>5]

 テレビ朝日の報道発ドキュメンタリ宣言『イルカ漁の町で何が』(2011年2月5日放送) やNHKスペシャル『クジラと生きる』(2011年5月放送) で放送された事で有名な2010年秋のコーヴガーディアンズによる漁師への直接的なハラスメント行為の現場にゲナールも居合わせ、トラックの前に座り込むなど業務妨害行為や、漁師にカメラを向けるなどハラスメントを行なっていた様子がテレ朝の番組にも映されていた。[>>6]

 罵声を浴びせるような活動は得意でない物静かな人物だが、活動そのものはかなり活発である。
 いろいろ謎の多い人物ではあるが、『Spana』などシーシェパード以外の団体の活動を行なったり[>>7]、特にFacebookなどネット上ではシーシェパードとの関係の善し悪しは関係無しに彼個人の交流範囲は広く、昨年のアマゾンの鯨肉販売禁止要求運動の初期段階で活躍していた痕跡も見られる。[>>8]

 今回の強制送還の顛末だが、ゲナールは11月29日に豪シーシェパードのアンディ・ロマノフスキと一緒に来日をして関空で二人とも拘束をされている。

 ロマノフスキは3時間で解放されたのに対し、ゲナールによれば43時間拘束された後に入国拒否を知らされ、異議申し立てを行なったが2時間経たないうちに再び却下されたという。そして12月1日に強制送還でオーストラリアに戻っている。

 ゲナールは入国拒否の理由を訊ねたが説明を拒否されたと主張している。[>>9]

 今回のゲナールの来日の目的は、太地町に来るよりも当時広島県の因島港に入港していた調査捕鯨船の日新丸の情報を得るスパイ活動ではなかったかとも見られている。


ロージー・クネケ
筋金入りの職業活動家


2011年10月28日、80mの崖の上で警察の警告を無視して撮影を行なうクネケ。(Maria Cristina Cely)

2011年11月8日、漁港船着き場侵入事件の後に警察に抗議するクネケとミレン。(Martyn Stewart)
 昨年2011-12年度前半の9月〜12月にキャンペーンリーダーとして3ヶ月間滞在した南アフリカ人のロージー・クネケは、2010年10〜11月の初来日と合わせて2回コーヴガーディアンとして太地町に来ている。

 今回は今年のキャンペーンリーダーのメリッサ・セーガル (米) の役目を11月に引き継ぐ予定で日本入国ビザの申請をしていたが、2ヶ月待たされてビザが拒否されたとクネケは説明している。

 クネケによると、日本大使館から多くの尋問を受け、更に日本本国まで申請書が転送された上で本国で決定が下されたが、それは彼女のシーシェパードとしての活動が原因なのは明らかだと主張している。

 クネケは映画『ザ・コーヴ』を観て菜食主義になり動物保護活動を始めたという。[>>10]

 彼女は2010年10月に金融関係の仕事を辞めてディニエル・シュテッキクトやニッキ・ボーサらとシーシェパード南アフリカ支部を設立し職業活動家となり、同月のコーヴガーディアンとしての活動の後にボブ・バーカー号の乗組員として南極海での捕鯨妨害活動に参加し[>>11]、『ホエールウォーズ』シーズン4にも出演している。[>>12]

 またクネケらは南アの隣国ナミビアのオットセイ猟の批判運動で隣国に無人機を飛ばしたり不法入国行為を行なっており、2011年3月に同地で逮捕歴のあるマーティン・スチュワートとも共同活動を行なっていたと見られる。

 クネケは2011年の2度目の来日時に不法侵入や警察の警告無視、そして根拠不明の誘拐未遂事件の被害者を語るなど、日本でも何度か問題を起こしている。

 10月28日には、畠尻湾南岸の80mの崖の上の「たかばべ園地」の柵の上に上ってカメラを構えて警察や海保に注意を受けても「法律違反ではない」と言い張って撮影を強行。[>>13]

 11月8日には、太地漁港の漁船が係留されている船着き場にタラ・ミレンと共に侵入し漁師とトラブルになって警察と海保に連れ出されるが、警察はシーシェパード側にしか聴取をしないとしばらく大声でまくしたてていた。[>>14]

 そして翌日11月9日にはドルフィンベェイス近くでヤクザか右翼に誘拐されかかったと主張。[>>15]

 これらの滞在時のトラブルが入国拒否の原因になったかどうかは不明だが、彼女はいささか直情的な性格であり、当局を煩わしていた事は確かである。

 なお11月8日の侵入事件はマーティン・スチュワートとタラ・ミレンという特に過激派の活動家が揃った時に起こっている。



ビザ相互免除国と非免除国

 南アフリカのクネケとボーサの場合は来日にはビザの申請が必要な国であり、特にクネケのようにシーシェパードに全てをかけている本格的な職業活動家に関してはビザそのものを出さないという判断がされたのだろう。

 一方でゲナールの本国のフランスは日本とは相互ビザ免除関係にあり、従ってシーシェパードの活動家の大半を占める北米や西欧諸国、オーストラリアからは日本へは観光ビザで入り放題であり、こういったビザ免除国からの活動家の侵入を今回のように水際で食い止める対策が徹底される必要がある。

 今回の3名とは公表されている数でありその他にどれだけ入国拒否がされているかは不明である。
 しかし、過去3年間で通算200名近い活動家が太地町に来てその多くが悪質な人権侵害行為を白昼堂々と行なっている中、入国拒否が3名とはまだまだ微々たるものである。

 また、日本での過去の活動ではこれら3名と比べても悪質度と実害の高い活動家であるマーティン・スチュワートが平気で入国出来ている点も問題大ありであり、今後の更なる対策の強化が期待される。


コーヴガーディアンズはボランティア不足か?

 そして18日に発表されたシーシェパードの声明はスコット・ウェストの名義になっているが、その内容は日本バッシングの限りを尽くした後にボランティアを募るという明らかにワトソンの筆跡が見られる。

 そして興味深いのは、そこでは2月と3月のコーヴガーディアンズを募集しており、金銭の寄付より実動隊が欲しいとかなりはっきり書かれている事であり、来月以降のボランティアが足りていない事を伺わせる。(了)




脚註:

  1. ^ sandymce. CNN iReport, November 29, 2012.
    Save Misty the Dolphin. Facebook, Nov 30, 2012, 12:23 JST.
  2. ^ Sea Shepherd Conservation Society, January 18, 2013.
  3. ^ Kunneke, Rosie. Facebook, Jan 21, 2013, 21:07 JST.
  4. ^ sandymce. The Mercury, May 23.
  5. ^ International Whales Protection Organization, 01 September 2012 - 11:13 AM.
    Sullivan, Patricia. examiner, September 5, 2012.
    Sea Shepherd Conservation Society, March 10, 2011.
    Stop Whaling and Killing Dolphins - Boycott Japanese Products. Facebook, March 10, 2011, 22:04.
    Save Blood Dolphins. Facebook, Dec 9, 2011, 14:36.
  6. ^ 報道発ドキュメンタリ宣言『イルカ漁の町で何が』テレビ朝日 2011年2月5日放送
  7. ^ Independent, 25 April 2010.
    Barnmice, April 10, 2010 at 6:13pm.
    Just Giving, April 2010.
  8. ^ STOP killing Whales & Dolphins. Facebook, Feb 26, 2012, 10:36.
  9. ^ Gainard, Thomas. Facebook, Dec 1, 2012, 13:25 JST.
  10. ^ People, 18 October 2012.
  11. ^ Sea Shepherd Conservation Society Netherland, Dec 31, 2010.
  12. ^ "Whale Wars". Wikipedia.
  13. ^ Kunneke, Rosie. Sea Shepherd Conservation Society, November 10, 2011.
    crispycely. YouTube, 2011/10/28.
  14. ^ West, Scott. Sea Shepherd Conservation Society, November 10, 2011.
    mijdog. YouTube, 2012/01/31.
  15. ^ Kunneke, Rosie. Sea Shepherd Conservation Society, November 10, 2011.

フル脚注・資料:

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コメント

翻訳ありがとうございます。
やっと法務省が動きましたか。
環境保護の活動なんて全くせず、住民に嫌がらせしに来るだけなんだから、どんどん入国拒否にしてほしいです。

  • 2013/01/30(水) 20:23:03 |
  • URL |
  • かつらぎ #LMs.iqQA
  • [ 編集]

かつらぎさん

民主自由主義国家の政府が「思想」や「宗教」や「言論の自由」を取り締まる事に慎重なのはこれは独裁国家や恐怖政治の時代を経た歴史的な経緯で、それがオウム対策が遅れた原因となったのはさほど記憶に古くないと思います。

ただしこういったイルカ狂集団は「アニマルライツ」という思想信条や「環境」という耳障りのいい名目を隠れ蓑にしたカルトであり、やっている事は事実上集団ストーカー以外の何物でもないと当局も認識せざるを得なくなったのでしょう。

最近首相官邸の英語版FBがイルカ狂の集団荒らしに会っていますが、そういった政府や当局を直接ターゲットにしたサイバー攻撃もこういった取り締まり強化に影響し始めているのかもしれません。

  • 2013/01/31(木) 03:17:21 |
  • URL |
  • 岩谷文太 #gJtHMeAM
  • [ 編集]

テロ対策法

欧米各国はテロ組織対策(エコテロ含む)を行っている。日本も法制化が急がれる。

  • 2013/01/31(木) 08:22:38 |
  • URL |
  • ednakano #olb1JwF2
  • [ 編集]

ednakanoさん

法制化は政治家を動かさないと実現しませんので、いかに永田町が問題を認識するかを照準にする必要があります。
世界中で数十万人規模のカルト集団対策にネット上の小競り合いはほぼ意味がありませんので。

  • 2013/01/31(木) 22:17:54 |
  • URL |
  • 岩谷文太 #gJtHMeAM
  • [ 編集]

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