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【FOXニュースの研究所流出説報道②】2つの隠蔽工作

 FOXニュースの『ネクスト・レボリューション』での新型コロナウイルス「研究所流出説」報道の全訳の第二弾。

 武漢ウイルス研究所は昨年2月に、同研究所の2013年の収集サンプルに新型コロナウイルスに極めて近いコウモリコロナウイルス「RaTG13」が確認されたと発表しているが、それは実際は同研究所が2016年に発表していたコウモリSARSコロナウイルス「BtCoV/4991」と同一のものであり、同研究所が2016年時点でこのウイルスを研究していた事が指摘されている。

 武漢市から1500km以上離れた廃坑で採取された、ヒト間での感染性は当時認められなかったこのコウモリSARSコロナウイルス「BtCoV/4991」と酷似しながら、ヒト間の感染力が非常に高い今回の新型コロナウイルス「SARS-CoV-2」*1がなぜ突然武漢市内で発生したのかという疑問を、更に踏み込んで解説しているのが2月1日放送分の第二回の内容だ。

 また、武漢ウイルス研究所に、病原性や感染性の増強(機能獲得研究)を伴うコウモリコロナウイルスのウイルス改変実験を委託し、資金を渡していた米国の国立衛生研究所 (NIH) の責任をFOXニュースは指摘しているが、NIHから送られて来た返答は露骨な誤魔化しであった事も指摘されている。

FOXニュースの研究所流出説報道
1. 中国に委託されたウイルス改造研究 (1月26日放送分)
2. 2つの隠蔽工作 (2月1日放送分)
3. 中国を追求できない欧米の学界 (2月8日放送分)


・注釈番号をマウスオーバー (PC)、タップ (モバイル) で脚注の追加説明が表示されます。

米国の助成で行われた中国のウイルス研究
新型コロナウイルスとの関連を示す新たな証拠

ザ・ネクスト・レボリューション
FOXニュース
2021年2月1日放送
解説:スティーヴ・ヒルトン

動画1 (9'39")

 今夜、私達の特別調査は続く — コロナウイルスによるパンデミックの証拠の、驚くべき新事実と更なる証拠。


武漢ウイルス研究所のコロナウイルス研究をめぐる疑問

 先週表明した通り、私達は誰の事も、このウイルスを「故意に」作成し世界にばらまいたといったような非難はしていない。

 しかし私達には、200万人以上の死者が、ここ米国では40万人以上が、そして過去100年で類を見ない経済的・社会的な大惨事が降りかかっている — もし我が国の政府から委託を受けた研究所が、その起源である可能性が少しでもあるのであれば — しかし私達が知る限りは、それは未だに続けられているようだ*2

 これは公開調査すべき事というだけではなく、最優先事項にすべき問題ではないのか? さもなければ、ここ数年でまた別のパンデミックが起きた時に、私達はまたここで全て同じ事を繰り返すだろう。

 そして、今夜ご覧いただく、我が国の国立衛生研究所 (NIH) から直接送られて来た新たな証拠を見れば、このパンデミックの起源が武漢研究所であり、それは我が国の政府が開始し資金提供をしたプロジェクトの結果だったと、賢明な人なら誰でもそのように結論付けられるだろう。これは「少しの可能性」のようなものではなく、ほぼ確実と考えられるものだ。

 1月26日、カマラ・ハリス副大統領は、国立衛生研究所 (NIH) で2回目のワクチン接種を受けた。彼女はNIHのフランシス・コリンズ所長と、最前列にいる、その構成研究所の一つ*3であるNIAID(国立アレルギー感染症研究所)のファウチ所長に紹介された。以下は彼女が話した事の一部である:

メリーランド州ベセスダ 2021年1月26日(動画)(6:11〜39, 8:35〜36)
 “私が子供の頃、ベセスダという、この場所に母が行っていた事はいつでも知っていました。私達はカリフォルニアに住んでいますが、母がベセスダに行っていた事は、もちろん彼女が何をしていたか、彼女はここ国立衛生研究所に来ていました。そして、彼女は生化学的内分泌学の研究部にいました。母は査読者でした。(中略)これが母がやっていた事で、母は助成金の審査をしていました。” —— カマラ・ハリス

 NIHの助成金はこのように査読で決められる。副大統領の母親は乳がん研究のための査読をしていた。


国立アレルギー感染症研究所が推進していた「機能獲得変異研究」

 しかし、ある特定の分野に特定の年に変化があった。2017年12月に潜在的パンデミックの病原体に関する研究が、HHS(米国保険福祉省)の非公開の委員会を通過する事を必須とする新しい方針が導入された。

Science

【独占】鳥インフルエンザをより危険化する可能性のある 異論の多い実験が再開へ

 すぐさま、この委員会は秘密裏にウイルスの「機能獲得実験」を2つ承認した*4

 抗議を受けて、政府関係者は透明性の向上に取り組むと述べた。しかし、そもそもなぜ非公開なのか*5

Science

批判を受け、危険なウイルス実験を見直すため政策を再検討 政府関係者

 これは、副大統領と共に壇上に立っている人物、フランシス・コリンズ氏と、最前列にいる人物、ファウチ氏が、ほんの数年前には堂々と推進していた研究だ。

フランシス・コリンズNIH所長(左)、カマラ・ハリス副大統領(右)

 2011年にワシントン・ポスト紙で、彼等は「機能獲得研究」を「冒す価値がある危険」と説明している*6。彼等の言葉を借りれば「重要な情報と本質の理解は、潜在的に危険なウイルスの実験室での生成から得られる」のだという。

The Washington Post

冒す価値があるインフルエンザウイルスの危険


 “重要な情報と本質の理解は、潜在的に危険なウイルスの実験室での生成から得られるだろう。”

Fauci, Anthony S., Gary J. Nabel, Francis S. Collins. "A flu virus risk worth taking". Washington Post, The, December 30, 2011.

 しかし、2014年にオバマ政権が、「連邦研究施設における最近のバイオセーフティ事故」を挙げて、この種の研究にモラトリアムを出した。

The New York Times

危険な生物学的研究への助成金を停止 
ホワイトハウス


 “ホワイトハウスによると「連邦研究施設における最近のバイオセーフティ事故を受けて」モラトリアムの決定がなされたという。”

McNell, Donald G., Jr. "White House to Cut Funding for Risky Biological Study". New York Times, The, October 17, 2014.
the WHITE HOUSE
PRESIDENT BARACK OBAMA

生命科学系「機能獲得研究」のリスク及び利点評価のための精査を実施


 “哺乳類への呼吸器経路を介した病原性や伝染性が増強された特性を、インフルエンザ、MERSやSARSのようなウイルスに与える事が当然予想されるような機能獲得研究プロジェクトに、この助成停止は適用される。”

 ここではっきりさせておきたい事だが、これは政府の科学者による新たな実験を禁止するだけではなく、ここ米国国内に限らず、どこであっても助成禁止というものだった。

the WHITE HOUSE
PRESIDENT BARACK OBAMA

生命科学系「機能獲得研究」のリスク及び利点評価のための精査を実施


 “米国政府は、これらの実験に関するいかなる新しいプロジェクトにも資金提供せず、危険性と利点が再検討されている間は、政府助成の有無にかかわらず、現在行われているこの種の研究を自主的に停止する事を奨励する。

 進行中のプロジェクトの停止*7への要請も含むこの禁止は、2014年10月に告知された。

 しかし、先週ご覧いただいたように、NIAIDは、禁止前の2014年5月に66.6万ドル、禁止後の2015年に63万ドル、2016年に61.1万ドル、2017年に59.7ドルと、それとは関係なくこの研究への資金提供を続けていた*7

交付年度:2017年 (小計=$597,112) (約6697万円)
交付年度:2016年 (小計=$611,090) (約6648万円)
交付年度:2015年 (小計=$630,445) (約7631万円)
交付年度:2014年 (小計=$666,442) (約7061万円)
"Recipient Information: ECOHEALTH ALLIANCE INC". Tracking Spending - Increasing Accountability.

 この禁止措置は2017年12月に解除されたが*8禁止されていた期間内にも同研究所から3回の支出があり、期間内にも合わせて180万ドル以上が支払われている。

NIHNational Institute of Health
Turning Discovery Into Health

機能獲得研究への助成停止の解除に関して

"NIH Lifts Funding Pause on Gain-of-Function Research". National Institute of Health, December 19, 2017.

 この後で述べるが、これらは極めて重大な年だった。


中国に下請けに出された潜在的パンデミック研究

 NIAIDの助成金は、この人物、ピーター・ダザック氏が運営する「エコヘルス・アライアンス」に交付された。彼は、2002年のSARSのエピデミックが、中国の広東省で発生したコウモリコロナウイルスが起源である事を、武漢ウイルス研究所の新発伝染病部部長の石正麗氏との共同研究で立証した人物だ。

ピーター・ダザック氏(左)、石正麗氏(右)

 NIAIDは、次のウイルスがどこから来て、それが動物から人間に感染する「人獣共通感染症」であるだけでなく、実際に呼吸器システムを介してヒト間で空気感染するウイルスに変異する可能性があるのかどうかを知りたがっていた。

 それがこのプロジェクトが何たるかだ。それを解明する事を目的として、ピーダ・ダザック氏のエコヘルス・アライアンスが請け負ったものだ。

連絡先主席研究員/プロジェクト責任者:ピーター・ダザック
題名:コウモリコロナウイルス発生の危険性への理解
被助成団体:エコヘルス・アライアンス
EcoHealth Alliance, Inc. "Understanding the risk of bat coronavirus emergence" Project Number: R01AI110964-01. NIH RePORTER, May 27, 2014.

 そして、それはピーター・ダザック氏のSARS研究での共同研究者である、武漢ウイルス研究所の石正麗氏に下請けに出された。

武漢ウイルス研究所

雲南省の銅山のコウモリSARSコロナウイルス
ヒト間の感染性は認められていなかった

 彼女は多忙だった。鉱山の清掃作業でコウモリのフンをシャベルで取り除いていた6人の鉱夫がSARSのような病気になり3名が死亡した、雲南省昆明市の近くの墨江ハニ族自治県にある通関鉱山に、2012年と2013年に彼女のチームは何度も通っていた。

 武漢研究所のチームは、鉱山内で152種類の異なるコウモリコロナウイルスを発見している*9

NCBI

廃坑内の複数のコウモリ集団における
多様なコロナウイルスの併存


 “138点の陽性サンプルから、152点のRdRp部分コロナウイルスの配列(約400bp)が得られた。”

葛行義, 王寧, 張偉, 胡犇, 李貝, 張雲智, 周済華, 羅楚銘, 揚興婁, 呉利軍, 王博, 張雲, 李宗孝, 石正麗. Cited in "Coexistence of multiple coronaviruses in several bat colonies in an abandoned mineshaft". National Center for Biotechnology Information, February 2016.

 彼等は、そのうちの幾つが、その新たなSArSタイプの疾患に関連しているのかを調べたが、その答えは? ––– 1つだった。

 それが、BtCoV/4991*10

NCBI

廃坑内の複数のコウモリ集団における
多様なコロナウイルスの併存


 “系統樹では、RaBtCoV/4991*10は他のコウモリSARS様コロナウイルスよりもヒトSARSコロナウイルスからの分岐が多く、このウイルス系統の新株と考えられる。”

 「SARSのような病気を引き起こすコウモリコロナウイルスが、ヒト間で伝染するほど感染力が強くなり得るのか?
 まさしくその時期に、この問いへの答えを出すために、我が国のNIAIDが武漢研究所に資金を渡していたのだ*11。このプロジェクトは「発生と波及の潜在性」と呼ばれるものだ。

“コウモリコロナウイルス発生の危険性への理解”
“中国における、リスクの高いヒト=野生生物間の接点でのコロナウイルス波及の可能性の評価。”
エコヘルス・アライアンスのNIAID助成プロジェクト「コウモリコロナウイルス発生の危険性への理解」の要旨の一部。
EcoHealth Alliance. 1R01AI110964-01.

 鉱山内で鉱夫達はそれぞれ別個に感染しており、その家族やコミュニティ、治療にあたった医療スタッフの誰にも感染させていなかった事を留意してほしい。

 従って、この自然コウモリウイルスは大量摂取する事でヒトに感染し、SARSのような致命的な病気を引き起こし得るが、ヒト間での感染性はさほど高くないという事を武漢研究所側は知っていた。
 それは「発生の潜在性の調査」というNIAIDの助成金の目的とは完全に合致したものだった。

 彼等に求められたのは、助成金に明確に説明されている、ウイルスの「機能獲得研究」のツールを使用する事だけだった。

 以下が重要な一文である*6

 “宿主範囲(すなわち発生の潜在性)の予測モデルは、逆遺伝学、擬似ウイルス、受容体結合検定や、異なる種やヒト化マウスの細胞培養の範囲でのウイルス感染実験を用いて、実験的に検証される。”
エコヘルス・アライアンスのNIAID助成プロジェクト「コウモリコロナウイルス発生の危険性への理解」の要旨の一部。

 実験室で容易で効率的に、自然ウイルスに対するどのような変更が、ヒト細胞への感染を可能にするかどうかを、逆遺伝学を用いて確認する — つまり、彼等はこれを行ったという事なのか?

 さて、隠蔽工作が真実を浮き彫りにするのはよくある事だ。


新型コロナウイルスの近縁ウイルスと一致

 昨年、武漢研究所は、今回のパンデミックウイルス*12 が、彼等の収集サンプルにある「RaTG13」*13 とよく似ているとする論文を発表した。彼等は丁度その事を発見したという*14

nature

コウモリ由来とみられる新型コロナウイルスに関連した肺炎の激増


 “それから、以前に雲南省のナカキクガシラコウモリから検出されたコウモリコロナウイルス (BatCoV RaTG13)*13 のRNA依存性RNAポリメラーゼ (RdRp) の短領域が、2019-nCoV*15との高い配列相同性を示した事を私達は発見した。”

Zhou, Peng; Xing-Lou Yang, [...] Zheng-Li Shi. "A pneumonia outbreak associated with a new coronavirus of probable bat origin". nature, February 3, 2020.

 しかし、その配列を、遺伝子データベースの一種である「GenBank」で解析すると、100%一致するものが1つだけある。彼等が数年前に廃坑で発見したウイルス「BtCoV/4991」である*16, *17。152のウイルスのうち、唯一SARSの新株に関連したものだ。

コウモリコロナウイルス RaTG13、完全ゲノム
GenBank: MN996532.2
/注記="研究所による元の正式呼称:コウモリコロナウイルス Ra4991
NIAID助成プロジェクトで2016年に発表された「Ra4991」と、2020年2月に武漢ウイルス研究所が発表した新型コロナウイルスと96.2%一致する「RaTG13」は同一のもの。
"Bat coronavirus RaTG13, complete genome”. National Center for Biotechnology Information.

 彼等はなぜそれを明らかにしなかったのか? 彼等はなぜ名称を変更したのか?*17

 これは、パンデミックウイルス*12に最も近い既知のコウモリウイルスだ。

 変異を示す特徴はほぼ完全に2つの部位にある。専門用語では「スパイク受容体結合ドメインとフューリン切断部位」、簡単な英語では「いかに伝染性があるか、呼吸器システム内のヒト細胞にどれだけ効率的に侵入できるかに影響を与える部位」である。

 これらは、ランダムな例を選択するために、「機能獲得技術」が適用されるであろうウイルス配列における、まさにその部位だ。

 「発生と波及の潜在性」の調査のためのコウモリコロナウイルスの研究で、NIAIDから資金提供を受けるという、まさにその研究が、先週ご覧いただいた以下の中間報告にすらも記載されており、NIAID助成金と直接結びついていたのだ。

PLOS

コウモリSARS関連コロナウイルスの豊富な遺伝子プールの発見が、SARSコロナウイルスの起源に新たな理解を提供する


コウモリSARS関連コロナウイルスのレスキューとウイルス感染実験


 “単一個体のフンのサンプルから、更に新型のSARS関連コロナウイルスRs4874の培養に私達は成功した。(中略)WIV1*18をバックボーンとする感染性細菌人工染色体 (BAC) のクローン群と、8種類の異なるコウモリSARS関連コロナウイルス由来のS遺伝子変異体を私達は構築した。(中略)Rs4231とRs7327の感染性クローンのみが、トランスフェクション後にベロ6細胞における細胞変性効果に至った。”

胡犇, Peter Daszak, 石正麗 et al. "Discovery of a rich gene pool of bat SARS-related coronaviruses provides new insights into the origin of SARS coronavirus". Public Library of Science, November 30, 2017.

 彼等はコウモリコロナウイルスを分析し、それらの遺伝情報をシーケンスした。その後、彼等は様々なキメラを構築し、実験室で遺伝子操作によって新しいウイルスを人工的に作成した

 彼等は実験室でヒトの細胞をそれらに感染させ、自作の人工ウイルスが機能的ウイルスとして自己複製できる事を示した。

 重要な問題はここにある。彼等は廃坑で発見した、SARSのような病気を引き起こす全てのウイルスに対し、こういった事を行なっていたのだろうか?
 問題のウイルスとNIAID委託研究の一致は何とも完璧であり、そうではなかったと信じる事はおよそ不可能だ*19

 2019年秋に武漢研究所の複数の職員がCOVIDに感染していた事が今や分かっている。彼等が最初に発生が特定された症例だったのだ。

U.S. DEPARTMENT of STATE

ファクトシート
武漢ウイルス研究所における動き


 “米国政府は、武漢ウイルス研究所内部の複数の研究者が、大流行の症例が初めて確認される以前の2019年秋に、COVID-19*20や一般的な季節性疾患の両方と一致する症状の病気になっていたと確信する理由がある。”

"Fact Sheet: Activity at the Wuhan Institute of Virology". U.S. Department of State, January 15, 2021, sited in U.S. Embassy in Lebanon.

 そして、これに対抗する説とは何だったか? それは、中国政権と、現在WHOの調査団で唯一の米国代表であり、法外な「利益相反」*21にあるピーター・ダザック氏に直接関係しているものだ。

 彼等が推し進めているのは「自然起源説」だ。しかし、それを鵜呑みにするなら、馬鹿げたほどあり得ない一連の偶然を信じなければならない:

  • 雲南省において、異なる数種のコウモリと、その他の未知の生物が互いに感染し合わなければならない*22
  • それから、これらの動物あるいは感染した人間が武漢に到着するまで、その他の誰にも影響を与える事なく、1000マイル (1600km)*23 を移動していなければならない。
  • いかなる変異も起きる以前の最初の形で、それはこれまでに観察されたどの自然発生ウイルスよりも10倍から25倍も感染力が強かった*24
  • そして何よりも信じられないことに、数年間そのウイルスを研究し*25既に感染者を出している研究所がある中国全土で唯一の場所を、その感染した動物か人間がその1000マイルの旅の行き先になぜか選んだ。

動画2 (5’28”)

 昨年2月、中国政権は武漢ウイルス研究所のトップを、生物兵器プログラムの責任者に交代させた*26

The Washington Times
Reliable Reporting. The Right Opinion.

生物兵器の経歴を持つ中国の少将がコロナウイルスとの戦いで役割を担う

Gertz, Bill. "Chinese general with bioweapons background takes leading role in coronavirus fight". Washington Times, The, February 16, 2020.

 今週のNBCニュースの報道によると、重要な証拠が破棄されたという:

NBCニュース 2021年1月25日(動画) (0:33-55)
COVIDの起源はどこか別な場所だ 中国の科学者が示唆
 中国側が何を研究していたかの重要な手がかりになる、武漢ウイルス研究所の2万件のデータベースが、昨年春に削除されていた事を、NBCニュースは確認した。研究所の幹部はセキュリティ上の理由で削除されたと話している。

 1年もの間、中国政権は調査を阻止していた。しかし、中国だけが隠蔽工作を行なっている政府ではない。


NIHの返答は誤魔化しに終始

 私達は2週間の間、NIHやNIAIDに先週放送した内容に対する返答を求めていた。

 1月29日になって、ようやくNIHから以下の声明の形で返答が来た。

 私達にご確認頂きありがとうございます。特定の個人ではなく、NIH全般としての責に帰すべきものです。

 エコヘルス・アライアンスへの助成金に関する公開情報は、リンク先のNIHの「RePORTER」で入手できます。下請助成への配分に関しては「USAspending.gov」に行き、右上のスイッチで「元請助成金」から「下請助成金」に切り替えてください。

 確認しておきたい点ですが、エコヘルス・アライアンスへの助成金で支援されたその研究は、新たに発見されたコウモリのスパイクタンパク質および、自然発生病原体の機能の特徴を述べたものであって、対象ウイルスの病原性や伝染性の増強を含むものではありません。従って、この助成金は「機能獲得研究への助成停止」や、その後継、保険福祉省 (HHS) の「強化された潜在的パンデミック病原体の研究申請に関する助成決定指針フレームワーク」のいずれにも該当しないと、審査後にNIAIDが判断しています。

 更なる背景については、NIHの「機能獲得研究の停止措置の解除」に関する所長の声明に書かれています:https://www.nih.gov/about-nih/who-weare/rub-director/statements nihlitts-funding:pause gain function research

 国家情報長官オフィスが、発生の起源への独自調査に関する声明を出しています。発生の起源に関係した質問は、国家情報長官オフィスに直接お問い合わせ下さい。

 私達が彼等に求めたのは、2014年に委託されたプロジェクトに関するコメントである*27

 プロジェクト番号は「1 R01 AI1109464-01」であり、以下はそれが「機能獲得研究」である事を具体的に説明している重要な一文だ*6

 “宿主範囲(すなわち発生の潜在性)の予測モデルは、逆遺伝学、擬似ウイルス、受容体結合検定や、異なる種やヒト化マウスの細胞培養の範囲でのウイルス感染実験を用いて、実験的に検証される。”
6年度にわたるエコヘルス・アライアンスのプロジェクト「コウモリコロナウイルス発生の危険性への理解」の、これは「機能獲得研究」の説明が書かれている1期目 (2014)〜5期目 (2018) の要旨。
EcoHealth Alliance. 1R01AI110964-01.

 NIHの声明には、エコヘルス・アライアンスへの助成金で支援された研究は「対象ウイルスの病原性や伝染性の増強を含むものではありません」と書かれている。

 しかし、彼等の声明に貼られているリンク先のプロジェクトは「2 R01 AI110964-06」だ。

6年度にわたるエコヘルス・アライアンスのプロジェクト「コウモリコロナウイルス発生の危険性への理解」で、これは要旨が異なる6期目 (2019) の番号。
EcoHealth Alliance. "Understanding the Risk of Bat Coronavirus Emergence", Project Number: 2R01AI110964-06. National Institutes of Health, July 24, 2019.

 それは別な番号の別なプロジェクトだ。「このプロジェクトは機能獲得研究を含まない」という彼等の言葉はその通りかもしれないが、それは私達が問い合わせたものではない。私達が問い合わせたのは、上に示したように「機能獲得研究」を含むもの*27, *28

 それだけではない。彼等の声明を見てみよう。NIHは「下請助成への配分に関しては『USAspending.gov』に行き、右上のスイッチで『元請助成金』から『下請助成金』に切り替えてください」と書いている。

 さて、私達はその通りにやったが、そこで見つけたものは、武漢ウイルス研究所への6回にわたる支出*29

USASPENDING.gov
下請助成金の支出
下請助成番号
2019-3805-1
1 R01 AI110964-01
1 R01 AI110964-01
1 R01 AI110964-01
1 R01 AI110964-01
1 R01 AI110964-01
被下請助成者
武漢ウイルス研究所
武漢ウイルス研究所
武漢ウイルス研究所
武漢ウイルス研究所
武漢ウイルス研究所
武漢ウイルス研究所
助成日
2019年12月17日
2019年5月31日
2018年5月31日
2017年5月31日
2016年5月31日
2015年5月31日
助成額
$216,108
$66,500
$133,000
$133,000
$133,000
$133,000
助成
機関
HHS
HHS
HHS
HHS
HHS
HHS
副助成
機関
NIH
NIH
NIH
NIH
NIH
NIH
元請番号
RF1 MH120020
R01 AI110964
R01 AI110964
R01 AI110964
R01 AI110964
R01 AI110964
元請者
カリフォルニア大学アーバイン校
エコヘルス・アライアンス
エコヘルス・アライアンス
エコヘルス・アライアンス
エコヘルス・アライアンス
エコヘルス・アライアンス
保健福祉省 (HHS) とその下にあるNIHから、元請けのエコヘルス・アライアンスへの元請助成金とは別に、武漢ウイルス研究所へ下請助成金が支払われている。
Advanced Search: "Wuhan Institution of Virology". USAspending.gov. (アクセス後、右上のスイッチで「Sub-Awardsに切り替える)

 そして、そのうち5回の支出に対するプロジェクト番号「1 R01 AI110964-01」を見てほしい。それはNIHが否定のために出して来た番号「2 R01 AI110964-06」*28 ではなく、疑う余地なく「機能獲得研究」を含むプロジェクトの番号だ*27

武漢ウイルス研究所への下請助成金のうち5項目 (HHS USAspending.gov) (左) と、エコヘルス・アライアンスのプロジェクト「コウモリコロナウイルス発生の危険性への理解」の要旨の「機能獲得研究」の説明文 (NIH RePORTER) (右) に、同一のプロジェクト番号がある。
ibid. (left); EcoHealth Alliance. 1R01AI110964-01. (right)

 そして、同じNIAIDのプロジェクト番号が、以下の武漢研究所の2017年の中間報告にも表示されている。これはまさしく彼等が以前行なっていた「機能獲得実験」の説明であり、NIHが声明で否定した、対象ウイルスの病原性や伝染性を増強する研究である。

PLOS

コウモリSARS関連コロナウイルスの豊富な遺伝子プールの発見が、SARSコロナウイルスの起源に新たな理解を提供する


コウモリSARS関連コロナウイルスのレスキューとウイルス感染実験


 “ベロ6細胞が、2つのレスキューされたキメラ型SARS関連コロナウイルス、WIV1-Rs4231S、WIV1-Rs7327Sと、新たに分離されたRs4874にそれぞれ感染した時、全ての感染において効率的なウイルス複製が検出された。(中略)全てのウイルスは、ヒトACE2発現細胞において効率的に複製した。”

Hu, Daszak, Shi et al. op. cit.

 私達がNIHから受け取った声明は完全に、体のいい誤魔化しという事だ。

 声明の冒頭には「特定の個人ではなく、NIH全般としての責に帰すべきものです」と書かれているが、そんなものでは不十分だ。200万人を殺し、世界を荒廃させたパンデミックの起源に関して、私達は議論しているのだ。

 NIHの責任者であるフランシス・コリンズ氏は、この声明が送信される前にそれを承認したのだろうか? これがいかに人を欺く事を意図した誤魔化しであるかを私達が実証した後でも、彼は責任を持てるのだろうか? いずれにせよ、これはファウチ氏の責任である。

 今夜の放送で、これが私達の立ち位置だ。

- ◇ ー ◇ ー ◇ -

 実験室事故と漏洩の事で中国を非難してもいいが、それは、ここ米国をはじめ世界中で起こる事だ。オバマ政権が「機能獲得研究」を禁止した理由はまさにそこにある。

 ひとたび漏洩が起こり、ウイルスが武漢市で流行してしまった時に、それを隠蔽し、世界的パンデミックとなる事を許した事に関しては、間違いなく中国政権を非難出来る。

 しかし、ウイルスの起源、その存在する理由、その非常に高い感染性の理由に関しては、その責任の所在はますます明確になった。

フランシス・コリンズNIH所長(左)、アンソニー・ファウチNIAID所長およびバイデン政権最高医療顧問(右)

 この2人が、オバマ政権が禁止した実験を、彼等曰く「冒す価値のある危険」として、その禁止を無視する事を決定した人物だ。

 もちろん、コリンズ氏やファウチ氏は、意図的にパンデミックを引き起こしたのではない。彼等は病気との闘いに自らのキャリアを捧げた人々だ。しかし、その闘いのために彼等が選んだ武器(手段)の一つが今回のパンデミックに繋がった事に、今となっては疑いの余地は殆どなくなった。

 そして実際、それがあり得ない事故であり、寝耳に水だった訳ではなく、それは起こり得ると彼等は警告されていたのだ。警告されていただけでなく、この種の研究をやめ、資金援助をやめるように、オバマ政権に明確に求められた。

 しかしいずれにせよ、彼等はやめなかった。この件に関しては、彼等には確実に説明責任がある。さもなくば、他の誰に責任があるというのか?

 この件に関しては党派は関係ない。ジョー・バイデン大統領は、自身が副大統領だった2014年に、少なくとも彼の政権はこの研究を禁止していた。

The New York Times

危険な生物学的研究への助成金を停止 
ホワイトハウス


 “ホワイトハウスによると「連邦研究施設における最近のバイオセーフティ事故を受けて」モラトリアムの決定がなされたという。”

McNell, Donald G., Jr. "White House to Cut Funding for Risky Biological Study". New York Times, The, October 17, 2014.

 しかし、コリンズ氏とファウチ氏はその禁止を無視し、その研究に資金提供を続け、このパンデミックを引き起こすに至ったのはほぼ確実な事だ。

 その件に関して、ジョー・バイデン大統領はなぜ激怒しないのか? なぜ大統領、ジェン・サキ報道官、コリンズ氏、ファウチ氏の誰もその事を問われないのか?

 米国はまだこの研究を助成し続けているのだろうか? 中国かどこか他の場所でまだ研究が続けられているのか? なぜNIHは彼等の役割について誤魔化す声明を出したのか?

 米国が次のパンデミックに今現在も助成金を出して培養している潜在性を抜きにしても、今回のパンデミックは十分に悪いものではないのか?

[聞き取り・訳=岩谷]
小見出し(色付き)と各画像下の説明文は訳者が追加。黒の小見出しは画面上のテロップより。画像は番組で表示されたもの。黄ハイライトはオリジナル、赤ハイライトは訳者による。

ヒトへの感染性の部位が変異

 2012〜13年に通関銅山で採取されたうち唯一のSARS関連ウイルスでヒト間の感染性が認められなかった「RaBtCoV/4991」が、新型コロナウイルスと96.2%の近縁性を示したウイルス「RaTG13」と同一のものだった事から、元々「機能獲得変異研究」のエキスパートであり、2014年以降は米国のNIAIDの助成プログラムでこの実験を行なっていた武漢ウイルス研究所が、遅くとも2016年には今回の新型コロナウイルスの最も近縁なウイルスを研究対象にしていたというのがここでの状況証拠だ。

 こういった状況証拠的な追及がこのFOXニュースの特集の大部分ではあるが、前週に続き今回も一箇所直接的なアプローチの記述がある:

It's the closest known bat virus to the pandemic virus.

The variations are almost entirely in two places. In technical language: The spike-receptor binding domain and the furin cleavage site. In plain English: The places that affect how contagious it is and how effectively it can enter human cells in the respiratory system.

Those are the exact places in the viral sequence where gain-of-function techniques would be applied to pick a random example.

 これは、パンデミックウイルスに最も近い既知のコウモリウイルスだ。

 変異を示す特徴はほぼ完全に2つの部位にある。専門用語では「スパイク受容体結合ドメインとフューリン切断部位」、簡単な英語では「いかに伝染性があるか、呼吸器システム内のヒト細胞にどれだけ効率的に侵入できるかに影響を与える部位」である。

 これらは、ランダムな例を選択するために、「機能獲得技術」が適用されるであろうウイルス配列における、まさにその部位だ。

 これは、文章的には何のウイルスの事を指しているのかが不明確だが、文脈的には、新型コロナウイルスと、96.2%の近縁性を持つ「RaTG13」との違いが、ヒトへの感染性の部分の変異だという、つまりヒトへの感染性に影響する部位に遺伝子改変が行われたとも読める、これもこの特集の主張の核心部分である。

 しかし、これも説明と理解に専門知識を必要とする領域であり、前週と同様にこの主張に関して直接的な根拠は番組内では提示されていない。今後の報道でその辺りをどのように展開して行くかに注目したい。

 一方で、武漢ウイルス研究所側は2020年2月3日の論文で早々に、新型コロナウイルスのゲノムに「組み替えが行われた証拠は検出されなかった」と発表している。しかし当初は中国当局が「感染症発生はデマだ」と医師を処分していた前月の状況から、随分と迅速に結論が出せたものである。


新型コロナウイルス発生の4ヶ月半前に消された「機能獲得研究」の記述

 エコヘルス・アライアンスのNIAID助成プロジェクト「コウモリコロナウイルス発生の危険性への理解」は、NIHのデータベース「RePORTER」には現時点で、以下の通り2014年度から2019年度にわたり6期の助成金支出が計上されている。

RePORTER
コウモリコロナウイルス発生の危険性への理解
T Act プロジェ
クト番号
2 R01 AI110964 -06
5 R01 AI110964 -05
5 R01 AI110964 -04
5 R01 AI110964 -03
5 R01 AI110964 -02
1 R01 AI110964 -01
首席研究員
プロジェクト責任者
ピーター・ダザック
ピーター・ダザック
ピーター・ダザック
ピーター・ダザック
ピーター・ダザック
ピーター・ダザック
団体・組織
エコヘルス・アライアンス
エコヘルス・アライアンス
エコヘルス・アライアンス
エコヘルス・アライアンス
エコヘルス・アライアンス
エコヘルス・アライアンス
年度
2019
2018
2017
2016
2015
2014
顧問
機関
NIAID
NIAID
NIAID
NIAID
2015
NIAID
助成
機関
NIAID
NIAID
NIAID
NIAID
NIAID
NIAID
機関による
年度支出合計
$661,980
$581,646
$597,112
$611,090
$630,445
$666,442
Search results: "AI110964". RePORTER, National Institute of Health, 2020/02/13.

 そのうち、1期目「1 R01 AI110964-01」(2014) から5期目「5 R01 AI110964-05」(2018) まではプロジェクト要旨などの説明文は同一のものがそのまま用いられているが、6期目「2 R01 AI110964-06」(2019) のみ要旨の内容が刷新されており、その大部分が書き換えられている。

 更新前のオリジナルの要旨では、「宿主範囲の予測」(人間への感染性の実験による予測) に重点が置かれていた内容が、更新後には「自然ウイルスの感染性の調査」という、趣旨そのものが変更されている*30

 2014年度から現在も継続中となっているプログラムの、その期間の大部分である最初の5年間を無視し、しかもモラトリアム実施期間とは関係のない2019年度の更新内容でもって、「機能獲得実験と無関係だから認可した」というNIHの謎の返答は、これが意図的であれば何とも悪質な対応ではある。

 また、エコヘルス・アライアンスのプロジェクトが問題ないとNIH側が主張するなら、トランプ政権下の2020年4月にこのプログラムへの助成金をNIHが突然打ち切った事との整合性も説明する必要があるだろう*31

 この更新版が出された2019年7月24日は、同年12月8日とされる新型コロナウイルス初症例の4ヶ月半前だが、同年秋には武漢ウイルス研究所内に感染者が出ていたという米国国務省の主張を加味すれば、その少し前に武漢ウイルス研究所への委託プロジェクトから「機能獲得研究」の説明が徹底的に抹消されていたという点も、何か釈然としないものは残る。(次エントリーに続く)

FOXニュースの研究所流出説報道
1. 中国に委託されたウイルス改造研究 (1月26日放送分)
2. 2つの隠蔽工作 (2月1日放送分)
3. 中国を追求できない欧米の学界 (2月8日放送分)




資料:

エコヘルス・アライアンスのプロジェクト「コウモリコロナウイルス発生の危険性への理解」の2種類のプロジェクト要旨

1期目 (2014年5月27日付)〜5期目 (2018年6月18日付) のプロジェクト要旨(更新前)

「宿主範囲の予測」に重点が置かれた内容

RePORTER
コウモリコロナウイルス発生の危険性への理解
プロジェクト番号1 R01 AI110964-01
首席研究員ピーター・ダザック
被助成団体エコヘルス・アライアンス
要旨

 説明(応募者により提供):本プロジェクトは、中国におけるヒト=野生生物間の接点にまたがる徹底的な現地調査、各種の新種コロナウイルスと宿主受容体結合ドメイン遺伝子の分子キャラクタリゼーション、伝染と進化の数理モデル、そして、宿主範囲の試験管内と生体内の実験室での研究を用いて、未来のコロナウイルス (CoV) の出現リスクを調査するものである。

 人獣共通感染症のコロナウイルスは、2002年に中国で発生したパンデミックの重症急性呼吸器症候群 (SARS) のコロナウイルス (SARS-CoV) や、近年発生し進行中の中東呼吸器症候群 (MERS-CoV) で示されたように、グローバルヘルスに対する重大な脅威である。

 コウモリはこれらのウイルスの自然宿主であると考えられ、過去20年で数百種類の新種のコウモリコロナウイルスが発見されている。コウモリ、そしてその他の野生生物の種は、アジア各地で捕獲、売買、屠殺、消費され、ヒト=野生生物間の大規模な接点となり、未来の新種コロナウイルス発生の高いリスクを作り出している。

 このプロジェクトは、新たな病気のホットスポット(中国)にある発生リスクが高い場所(野生生物市場)で、危険な人獣共通感染症の宿主(コウモリ)が持つコロナウイルスの多様性を研究する事により、人々に発生する次のコロナウイルスのリスクを高める要因を理解する事を目的としている。

 このプロジェクトの3つの具体的な目的は:

  1. 中国における、リスクの高いヒト=野生生物間の接点でのコロナウイルス波及の潜在性の評価。これには以下が含まれる:
    • コウモリやその他の野生生物と人々との接触の性質や頻度の数値化;
    • 生鮮市場で働き野生生物に非常に暴露されている人々の血清学的スクリーニングおよび分子スクリーニング;
    • 野生捕獲および市場でサンプリングされた30種以上のコウモリの分子アッサイを用いたスクリーニング;
    • そして、新種のコロナウイルスのゲノム特性の評価と単離。
  2. コウモリコロナウイルスの発生リスクと宿主範囲の予測モデルの開発。統合モデルの方法には以下の系統発生解析が含まれる:
    • 宿主受容体と新種コロナウイルス遺伝子(機能的受容体結合ドメインを含む);
    • 宿主範囲とウイルス共有を予測するための生態学的・進化的な融合モデル;
    • そして、進化と伝染の原動力を調べるための数学的マトリックスモデル。
  3. コロナウイルスの異種間伝染予測の検証。宿主範囲(すなわち発生の潜在性)の予測モデルは、逆遺伝学、擬似ウイルス、受容体結合検定や、異なる種やヒト化マウスの細胞培養の範囲でのウイルス感染実験を用いて、実験的に検証される。

公衆衛生関連声明

 公衆衛生関連:2002〜03年のSARSコロナウイルスのパンデミックや、中東で進行中のSARS様エピデミックが示すように、新種ヒトウイルスの大半は野生生物由来であり、これらはグローバルな公衆衛生とバイオセキュリティに対する重大な脅威を代表している。

 本プロジェクトは、動物コロナウイルスがどのような要因で進化しヒト集団に飛び火するようになるのかを、危険な動物集団(コウモリ)や、新種の疾病発生のホットスポット(中国)における発生リスクが高い場所(野生生物市場)のウイルスの多様性の研究により、理解する事を目指している。

EcoHealth Alliance. 1R01AI110964-01.

6期目 (2019年7月24日付) のプロジェクト要旨(更新後)

「自然ウイルスの感染性の調査」に趣旨が変わっている。

RePORTER
コウモリコロナウイルス発生の危険性への理解
プロジェクト番号2 R01 AI110964-06
首席研究員ピーター・ダザック
被助成団体エコヘルス・アライアンス
要旨

プロジェクト概要:コウモリコロナウイルス発生の危険性への理解

 新種の人獣共通感染症、コウモリ由来のコロナウイルスは、2002年の中国のSARS、進行中のMERS発生、そして中国で新たに発生したブタ急性下痢症候群 (SADS) の原因として、グローバルヘルスと食料安全保障に対する重大な脅威である。

 先のR01グラントプロジェクトの一つで、中国南部のコウモリがSARS関連コロナウイルスの驚異的な多様性を保有しており、その一部がヒトACE2を用いて細胞に侵入する事ができ、ヒト化マウスモデルを感染させSARSのような病気を引き起こし、既存の治療法やワクチンが効かない事を私達は発見した。

 SARSコロナウイルスゲノムの全ての遺伝要素を含む多様なSARS関連コロナウイルスが1つの場所に存在し、コウモリの生息地近くの住民が波及の主要リスク集団である事を私達は発見し、ヒトが暴露されている事の血清学的な証拠を近隣住民の中から特定した。

 これらの調査結果により、ネイチャー誌の2つの論文とセル誌のレビューを含む18本の査読論文に繋がった。しかし、これらのウイルスの起源、多様性、病気を引き起こす能力、波及リスクには、顕著な疑問が残っている。

 このR01グラントプロジェクトの更新で、私達は3つの具体的な目的を通じてこれらの問題に取り組む:

目的1:
 中国南部のコウモリの、波及リスクの高いSARS関連コロナウイルスの多様性と分布の特性を明らかにする。

 更なるコウモリサンプル採取とコロナウイルスの分子スクリーニングを目標とするために、私達のこれまでのサンプルとのギャップを埋め、自然SARS関連コロナウイルスの多様性の特性を完全に明らかにするため、系統地理学とウイルス発見曲線分析を用いる。

 波及の潜在性が最も高いウイルスを特定するために、受容体結合ドメイン(スパイクタンパク質)をシーケンスする。これは私達の実験的調査(目的3)に含める。

目的2:
 SARS関連コロナウイルスの波及、暴露経路や、公衆衛生に与える影響の潜在性を捕捉するための、地域社会、そして臨床に基づく症候群の調査監視。

 1) コウモリSARS関連コロナウイルスの血清学とPCRによる証拠の危険因子を特定し、2) SARS関連コロナウイルス感染による人々の健康への影響の可能性を評価するために、地域社会や臨床現場における、既知のコウモリとの接触のある高リスク集団で、生物学的行動調査を実施する。

 SARS関連コロナウイルス波及の危険因子と健康への影響を数値化するために、ヒトー野生生物間の接触と暴露データに対するコウモリコロナウイルスの血清学的分析を行う。

目的3:
 公衆衛生上の懸念のある地域とウイルスを特定するための、空間的・系統発生学的分析と組み合わされた、SARS関連コロナウイルスの波及リスクの試験管内と生体内での特性評価。

 Sタンパク質配列の分岐閾値%が波及の潜在性を予測するという仮説を検証するために、Sタンパク質配列データ、感染性クローン技術、試験管内・体内感染実験、そして受容体結合の分析を用いる。

 これらのデータを、コウモリの宿主分布、ウイルスの多様性と系統学、人間の危険行動と疾患の調査、そして中国南部一帯のSARS関連コロナウイルスの波及リスクのホットスポットを特定する血清学と組み合わせる。

 これらのデータと分析を総合すれば、SARSの再発生や新種のSARS関連コロナウイルスを防ぐための、将来の公衆衛生の治療介入や監視強化の発展にとって、重要なものとなるだろう。


公衆衛生関連声明

プログラム責任者/主任研究員:ピーター・ダザック更新
プロジェクト「コウモリコロナウイルス発生のリスクへの理解」の説明

 2002-03年のSARSコロナウイルスのパンデミックで示されたように、新種ヒトウイルスの大半は野生生物由来であり、これらは米国と世界の公衆衛生とバイオセキュリティに対する重大な驚異を代表している。

 本プロジェクトは、SARSの近縁ウイルスを含むコロナウイルスが、どのような要因で進化しヒト集団に飛び火するようになるのかを、その動物宿主(コウモリ)でのウイルス多様性の研究、コウモリコロナウイルス感染の証拠を集めるための中国の高リスク地域社会の住民に対する調査、そして新たに発見されたウイルスのうち、どのウイルスがヒトの健康に最大の驚異をもたらすかを、分析し予測するために、研究室での実験を実施する。

EcoHealth Alliance. 2R01AI110964-06.

武漢ウイルス研究所が「RaBtCov/4991」を発表したVirologica Sinica掲載論文 (2016年2月18日) から関連部分の抜粋

Virologica Sinica Volume 31第1号 (2016年2月): pg.31〜40.
doi: 10.1007/s12250-016-3713-9. 電子版:2016年2月18日.

廃坑内の複数のコウモリ集団における多様なコロナウイルスの併存
葛行義、王寧、石正麗 他

(抜粋)
コウモリ種の同定

 墨江ハニ族自治県の鉱山で、合計276匹のコウモリ (2012年8月に83匹、2012年9月に97匹、2013年4月に52匹、2013年7月に44匹) からサンプル採取された (図1)。

 形態学に基づきコウモリの6種が同定され、シトクロムbまたはND1遺伝子のシーケンスによって確認された (表1)。

 コウモリの種、または最も近い近縁種は、シナキクガシラコウモリ、ナカキクガシラコウモリ、ポモナカグラコウモリ、ヨーロッパユビナガコウモリ、ユビナガコウモリ、およびリュウキュウユビナガコウモリだった。全長シトクロムbとND1遺伝子シーケンスは、アクセッション番号「KP876547」~「KP876557」で「GenBank」に寄託された。

コウモリのコロナウイルスの検出

 収集された276点の排泄物サンプルのうち、138点 (50%) がコロナウイルスの陽性だった:2012年8月が45.7% (81点中37点)、9月が74.7%(99点中74点)、2013年4月が46.2% (52点中24点)、7月が6.8% (44点中3点)。6種のコウモリの全てで35%~73%の高い感染率を示した (表1)。

 シナキクガシラコウモリ、ナカキクガシラコウモリ、ヨーロッパユビナガコウモリは、2012年9月に最も高い感染率を示した。サンプルサイズが小さいため、ポモナカグラコウモリ、ユビナガコウモリ、リュウキュウユビナガコウモリの感染率の変化を正確に評価する事はできなかった。

 138点の陽性サンプルから、152点のRdRp部分コロナウイルスの配列(約400bp)が得られ、2種類のウイルスの同時感染を示した。

 2つの配列 (「HiBtCoV/3740-2」と「RaBtCoV/4991」) はベータコロナウイルスと相同であり、その他の150の配列は、確定コウモリコロナウイルス種の「BtCov 1」、「Bt-CoV HKU2」、「BtCoV HKU8」、未割当の「BtCoV HKU7」と「BtCoV HKU10」、未分類のアルファコロナウイルスを含む、アルファコロナウイルスと相同だった (表2、図2)。

 これらのコウモリコロナウイルス間の系統発生関係をよりよく理解するために、系統樹の異なる分岐を表す12点のサンプルを選び、部分RdRpスクリーニングフラグメントの配列を816bpまで広げた (図3)。この研究で得られた部分RdRp配列は、アクセッション番号「KP876505」~「KP876546」、および「KU343189」~「KU343200」で「GenBank」に提出された。

コウモリで検出されたアルファコロナウイルス

 アルファコロナウイルスに相同した150点のRdRp部分配列のうち、51点が「BtCoV 1」に、37点が「BtCoV HKU2」に、1点が「BtCoV HKU7」に、51点が「BtCoV HKU8」に、4点が「BtCoV HKU10」に、4点が未分類のアルファコロナウイルスに関連していた (表2)。

 大半の配列は、確定種のコウモリコロナウイルスと87%~98%のヌクレオチド (nt) 同一性、そして95%~100%のアミノ酸 (aa) 同一性を共有し、これらのコロナウイルスの一部が既知のウイルス種の異株に相当する事を示唆している。未分類コロナウイルス関連はごく少数だった。

 ナカキクガシラコウモリで検出された2つの配列のうちの1つ (RaBtCoV/4307-1) は、816-bp配列に基づき、83%ntと92%aa同一性で、タイで検出された未分類アルファコロナウイルス「カグラコウモリ コロナウイルスRatcha-67/THA/2007」と関連していた (図3) (Guilh他, 2011)。

 3つの配列 (ユビナガコウモリx1、シナキクガシラコウモリx2) は、80%ntと93%aa同一性で、ケニアで検出された「アラコウモリ コロナウイルスKenya/KY43/2006」と関連していた。

コウモリで検出されたベータコロナウイルス

 この研究で検出されたうち、2つの配列のみがベータコロナウイルスと相同だった。そのうちの1つ (RaBtCoV/4991) はナカキクガシラコウモリのサンプルで検出され、SARS様コロナウイルスに関連していた。

 「RaBtCoV/4991」の保存された440-bp RdRpフラグメントは、SARS様コロナウイルス「Rs672」(Yuan他, 2010) と89%nt同一性と95%aa同一性を持っていた。

 系統樹では、「RaBtCoV/4991」は他のコウモリSARS様コロナウイルスよりもヒトSARSコロナウイルスからの分岐が多く、このウイルス系統の新株と考えられる (図2)。

 ポモナカグラコウモリのサンプルで検出されたもう一つの配列 (HpBtCoV/3740-2) は、ガーナで発見された「カグラコウモリ コロナウイルスHipposideros/GhanaBoo/348/2008」と最も近い類似性 (816-bp配列に基づき81%ntと89.1%aa同一性) を共有した (Quan他, 2010)。

 これらの2つの株は、「ザリアコウモリZBCoV」(オオカグラコウモリが宿主) と「タイコウモリBtCoV/B56054」(ホースフィールドカグラコウモリが宿主) (Tong他, 2009; Wacharapluesadee他, 2015) と併せて、SARS様コロナウイルスと遠戚の独自な系統を形成した (図2, 3)。

 この系統の部分RdRp配列は、系統Bの最も近いコロナウイルスと比較して90%未満のaa同一性を共有していた事から、この系統は新種のベータコロナウイルスに相当し得る。(後略)

葛行義, 王寧, 張偉, 胡犇, 李貝, 張雲智, 周済華, 羅楚銘, 揚興婁, 呉利軍, 王博, 張雲, 李宗孝, 石正麗. "Coexistence of multiple coronaviruses in several bat colonies in an abandoned mineshaft". NCBI Pubmed, February 2016.; Full text: Virologica Sinica, 2016 Feb; 31(1): 31–40, DOI: 10.1007/s12250-016-3713-9. Cited in PMC and Springer Link, February 18, 2016.

武漢ウイルス研究所が、新型コロナウイルスと「RaGT13」の近縁性を発表したネイチャー誌掲載論文 (2020年2月3日) から関連部分の抜粋

論文 | オープンアクセス | 2020年2月3日公開
コウモリ由来とみられる新型コロナウイルスに関連した肺炎の激増
周鵬、揚興婁、石正麗 他
Nature
volume 579, pg. 270〜273 (2020)

 (抜粋)それから、以前に雲南省のキクガシラコウモリから検出されたコウモリコロナウイルス (BatCoV RaTG13) のRNA依存性RNAポリメラーゼ (RdRp) の短領域が、2019-nCoVとの高い配列相同性を示した事を私達は発見した。

 このRNAサンプル (GISAIDアクセッション番号 EPI_ISL-402131) の全長シーケンスを私達は行なった。

 シンプロット解析では、「2019-nCoV」はゲノム全体で「RaTG13」と非常に類似しており (図1c)、全体のゲノム配列同一性は96.2%だった。

 「2019-nCoV」「RaTG13」「SARS-CoV」や、以前に報告されたコウモリSARS関連コロナウイルスのゲノムシーケンスアラインメントを用いても、「2019-nCoV」のゲノムに組み替えが行われた証拠は検出されなかった。

 全長ゲノムや、RdRpとスパイク (S) の遺伝子配列の系統発生解析は、全ての配列で「RaTG13」が2019-nCoVの最近縁であり、その他のSARS関連コロナウイルスとは異なる系統を形成している事を示した (図1d、拡張データ図2)。

 S遺伝子にコードされる受容体結合スパイクタンパク質は、他のコロナウイルスとは大きく異なり (拡張データ図2)、「RaTG13」との93.1%のヌクレオチド同一性を除き、前述の全てのSARS関連コロナウイルスとのヌクレオチド配列同一性は75%未満だった (拡張データ図3)。

 「2019-nCoV」と「RaTG13」のS遺伝子は、他のSARS関連コロナウイルスよりも長い。

 SARSコロナウイルスの配列と比べて、「2019-nCoV」のS遺伝子の配列における主な違いは、5つの受容体結合モチーフのうち4つの主要残基の変化だけでなく、アミノ末端ドメイン内の3箇所の短い挿入である (拡張データ図3)

 「2019-nCoV」のSタンパク質のアミノ末端ドメイン内の挿入が、MERSコロナウイルス内で起こるのと同様に、シアル酸結合活性を与えるかどうかは、更なる研究が必要となる。

 「RaTG13」との密接な系統発生関係は、「2019-nCoV」がコウモリ由来である証拠となるかもしれない。(後略)

周鵬, 揚興婁, Wang Xian-Guang, 胡犇, 張磊, 張偉, 司昊叡, 朱燕, 李貝, 黄朝林, 陳慧冬, 陳静, 羅雲, 郭華, 蒋人地, Chen Ying, 沈旭蕊, 王希, 鄭小双, 趙鍇, 陳全姣, 鄧菲, 劉琳琳, 厳兵, 占発先, 王延軼, 肖庚富, 石正麗. "A pneumonia outbreak associated with a new coronavirus of probable bat origin". nature, February 3, 2020.



脚註:

  1. *1 ^ SARS-Cov-2:2020年2月7日までに国際ウイルス分類委員会が名付けた、新型コロナウイルスの正式名称。SARSウイルス「SARS-Cov」の姉妹種の意味。三和 護. 『病名はCOVID-19、ウイルス名はSARS-CoV-2』. 日経メディカル, 2020/02/13.
  2. *2 ^ この特集で問題にされている、米NIAIDからエコヘルス・アライアンス経由で武漢ウイルス研究所に外注されているプロジェクト「コウモリコロナウイルス発生の危険性への理解」は、2019年の最新報告では更に延長され2025年までのプロジェクトとなっている。 EcoHealth Alliance. "Understanding the Risk of Bat Coronavirus Emergence." Project number: 2R01AI110964-06. NIH, RePORTER, July 24, 2019.
  3. *3 ^ アメリカ国立衛生研究所 (NIH) は21の研究所と6つのセンターで構成されており、国立アレルギー感染症研究所 (NIAID) はその構成施設の1つ。
  4. *4 ^ 2017年12月19日にNIHがモラトリアムを解除した翌年の2018年に、2つの研究所に機能獲得が承認されているが、これは2014年10月にオバマ政権がモラトリアムを出して以降初の承認となる。うち1つはNIAID助成のプロジェクト。 Kaiser, Jocelyn. "EXCLUSIVE: Controversial experiments that could make bird flu more risky poised to resume". Science, February 8, 2019, 8:45 PM.
  5. *5 ^ HHS委員会の審査が非公開で委員の名前も非公表なのは、助成金の獲得競争や特許の問題だと、HHSの広報は説明している。ibid.
  6. *6 a b c 「機能獲得」(gain-of-function) は、「so-called gain-of-function」(いわゆる機能獲得) や「known as gain-of-function」(機能獲得として知られる) と表現される事もあるなど、正式名称ではなく通称扱いであるためか、ファウチ氏とコリンズ氏の2011年のコラム、今回のNIHの声明や、実際のエコヘルス・アライアンスのプロジェクト要旨にこの用語自体は直接出て来ない。従って、それが「機能獲得」であるかどうかの判断は、具体的な実験内容の説明による。 Fineberg, Harvey V. "Editorial: Wider attention for GOF science". Science, 27 Feb 2015: Vol. 347, Issue 6225, pp. 929.; "Doing Diligence to Assess the Risks and Benefits of Life Sciences Gain-of-Function Research". White House, the, October 17, 2014 at 3:30 PM ET.
  7. *7 a b c 2014年のモラトリアムの時点で停止された進行中のプロジェクトは18本あり、そのうち半数は精査後に再開されたが、ここでFOXニュースが提示している助成金はエコヘルス・アライアンスに対するもののみ。Kaiser. op. cit.
  8. *8 ^ このモラトリアムはトランプ政権下の2017年12月に解除されるが、新型コロナ流行下の2020年4月27日に再び禁止されている。 Owermohle, Sarah. "Trump cuts U.S. research on Bat-human virus transmission over China ties". Politico, April 27, 2020.
  9. *9 ^ この論文は中国微生物学会 (Chinese Society for Microbiology, CSM) の学術誌「Virologica Sinica」の2016年31号で発表されたもので、現在は中国の雑誌サイトは非公開となっているが、米国国立医学図書館アーカイブの「PubMed Central」とシュプリンガー社のオンラインジャーナルデータベース「Springer Link」で閲覧する事ができる。 "Coexistence of multiple coronaviruses in several bat colonies in an abandoned mineshaft." Virologica Sinica, 2016 Feb; 31(1): 31–40, DOI: 10.1007/s12250-016-3713-9. Cited in PMC, February 18, 2016 and Springer Link, February 18, 2016.
  10. *10 a b RaBtCoV/4991:通関銅山で2012〜2013年に行われた調査で、武漢ウイルス研究所が採取した複数の種のコウモリのサンプルのうち、ナカキクガシラコウモリのサンプルから発見した2つのベータコロナウイルス属の1つで、SARS様コロナウイルスに関連したウイルス。「Rhinolophus affinis bat (ナカキクガシラコウモリ) coronavirus (コロナウイルス)」の略。 Zhou, Peng; Xing-Lou Yang, [...] Zheng-Li Shi. "A pneumonia outbreak associated with a new coronavirus of probable bat origin". nature, February 3, 2020.
  11. *11 ^ 2015年から2019年にかけて、NIHからエコヘルス・アライアンス経由で、武漢ウイルス研究所に合計で598,500ドル (約6500万円) が支払われている。 Advanced Search: "Wuhan Institution of Virology". USAspending.gov. (アクセス後、右上のスイッチで「Sub-Awardsに切り替える)
  12. *12 a b 「パンデミックウイルス」は新型コロナウイルスの事を指す。
  13. *13 a b RaTG13:通関銅山で2013年7月24日に採取され武漢ウイルス研究所が保存していた、新型コロナウイルス (COVID-19) と96.2%の遺伝子配列の一致を持つコウモリSARS関連コロナウイルス。2020年2月3日のネイチャー誌で石正麗氏ら中国の研究チームが発表。「ナカキクガシラコウモリ (Rhinolophus affinis) 通関 (Tong-Guan) 2013」の略。平井良和. 『第1回「あそこへは行くな」 中国・雲南、ウイルスが潜む山』. 朝日新聞デジタル, 2020年12月10日 17時30分.
  14. *14 ^ 通関銅山で武漢ウイルス研究所のチームが2013年に発見したウイルス「RaTG13」の遺伝子構成が新型コロナウイルスと96.2%一致したという情報は、2020年2月3日のネイチャー誌掲載の中国チームによる論文で発表されたもので、これは昨年7月以降にサンデー・タイムズをはじめ各メディアで報じられている。 Arbuthnott, George; Jonathan Calvet and Philip Sherwell. "Revealed: Seven year coronavirus trail from mine deaths to a Wuhan lab". The Times, Saturday July 04 2020, 6.00pm BST, The Sunday Times.; Seal, Thomas. 『新型コロナに類似した標本、7年前に武漢研究所に送付-英紙サンデー・タイムズ』. Bloomberg, 2020年7月6日 9:36 JST.; カシュミラ・ガンダー. 『新型コロナの起源は7年前の中国雲南省の銅山か、武漢研究所が保管』. NewsWeek, 2020年7月13日(月)11時10分.; 平井良和. 『第1回「あそこへは行くな」 中国・雲南、ウイルスが潜む山』. 朝日新聞デジタル, 2020年12月10日 17時30分.
  15. *15 ^ 2019-nCoV:新型コロナウイルス感染症の正式名称がWHOによって「COVID-19」と定められる以前の呼称。「2019 novel (or new) coronavirus」(2019年新型コロナウイルス) の略。日本の法令による「新型コロナウイルス感染症」の呼称はここから。 『COVID-19 (旧称: 2019年新型コロナウイルス、2019-nCoV)よくあるご質問について』 (PDF). Hawaii State Department of Health, 2020 年 2 月 13 日改定.
  16. *16 ^ 「BtCoV/4991」と「RaTG13」が同一株ではないかという疑いは、早くは2020年5月に欧米などの学者から指摘されていた。 Rahalkar, Monali C. and Rahul A. Bahulikar. "Understanding the Origin of ‘BatCoVRaTG13’, a Virus Closest to SARS-CoV-2". Preprints, May 19, 2020. cited in Latham, Jonathan and Allison Wilson. "A Proposed Origin for SARS-CoV-2 and the COVID-19 Pandemic". Independent Science News, July 15, 2020.; Segreto, Rossana and Yuri Deigin. "The genetic structure of SARS‐CoV‐2 does not rule out a laboratory origin". Wiley Online Library, 17 November 2020.
  17. *17 a b 2020年7月のサイエンス誌における石正麗氏へのインタビューで、「Ra4991」と「RaTG13」のRdRpが完全一致すると指摘され、石氏は「『Ra4991』はコウモリのサンプルのIDであり、『RaTG13』はそのサンプルから見つかったコロナウイルスのIDだ。収集サンプルの時期と場所を反映するために名称を変更した」と説明し、それが同一である事を認めている。 "Reply to Science Magazine" (PDF). Science, July 24, 2020. cited in Fridstrøm, Aksel. "Contradicting statements cast doubts on Chinese raw data". minerva, 10. september 2020 - 13:28.
  18. *18 ^ Bat SARS-like coronavirus WIV1 (Bat SL-CoV-WIV1)(コウモリSARS様コロナウイルスWIV1):中国のナカキクガシラコウモリから見つかったSARSの症状を引き起こすコロナウイルス。WIVは「武漢ウイルス研究所」(Wuhan Institution of Virology) の略。 葛行義; Jia-Lu Li [...] Peter Daszak, 石正麗. "Isolation and characterization of a bat SARS-like coronavirus that uses the ACE2 receptor". nature, October 30, 2013.; Cited in Segreto, Rossana and Yuri Deigin. "The genetic structure of SARS-CoV-2 does not rule out a laboratory origin" (PDF). Sience Open, September 2, 2020.
  19. *19 ^ 2012年から通関銅山でコウモリウイルスの採取を始めていた武漢ウイルス研究所に、2014年から資金を渡して「コウモリコロナウイルスからパンデミックが発生する危険性の研究」を米国の研究所が迂回委託していた事、そして、米国委託の研究で発表されていたウイルス「BtCov/4991」と、新型コロナウイルスに最も近いウイルス「RaTG13」が同一のものであった事は、NIAID委託プロジェクトと新型コロナウイルスはもはや無関係とは考えられないというのがFOXニュースの主張。
  20. *20 ^ COVID-19:2020年2月11日にWHOによって定められた新型コロナウイルス感染症の正式名称。「Coronavirus disease(コロナウイルス感染症) 2019」の意味。三和. op. cit..
  21. *21 ^ 利益相反 (conflict of interest):武漢ウイルス研究所に機能獲得研究を下請けに出した当事者でありその責任を問われるべき立場であるはずのダザック氏が、その調査の立場にあるという「ねじれ現象」をヒルトン氏は「利益相反」と形容している。
    利益相反:信任を得て職務を行う地位にある人物が立場上追求すべき利益・目的と、その人物が他にも有している立場や個人としての利益とが、競合ないしは相反している状態をいう。『利益相反』. Wikipedia, 2021年3月4日 (木) 19:35‎更新版.
  22. *22 ^ 1月25日放送回において、新型コロナウイルスに関してFOXニュースは「全く異なる2種類の種のコウモリのウイルスが組み合わされ、そこに一部数種の全く異なる種の生物のウイルスと混ぜ合わせられたものに見える」と指摘している。
  23. *23 ^ 通関銅山から武漢市までの距離が直線距離で約1,515km。幹線道路経由の距離は最短でも1,700km程度になる。日本でいうと、新幹線ルートで鹿児島ー盛岡の距離に相当。
  24. *24 ^ 自然発生であるなら、既にSARSの10〜20倍も感染力が強かったSARS関連ウイルスである新型コロナウイルス (COVID-19) が、コウモリSARSの発生源である通関銅山から武漢までのおよそ1,600kmを、その間のいかなる人間や動物に感染させる事なくどのように移動できたのかというのがFOXニュースの指摘。
  25. *25 ^ コウモリのSARS関連ウイルスが、変異の繰り返しによってヒト間の感染力を獲得する事が出来るか?というのが、そもそもファウチ氏主導で武漢ウイルス研究所に委託された研究だったが、一方で、新型コロナウイルス (COVID-19) と96.2%の一致を示し、元来ヒト間での感染力が認められなかったコウモリSARS関連コロナウイルス「RaTG13」を、既に持っていた世界で唯一の研究所が武漢ウイルス研究所、というのがFOXニュースの指摘。
  26. *26 ^ 中国工科大学の学者で、中国軍事科学アカデミー軍事医学研究所の研究者である、人民解放軍の陳薇少将は、コロナウイルス対策全権を委任されたのであって、武漢ウイルス研究所の所長になったという記述は不正確。 『漢新型コロナウイルス対策全権を委任された中国人民解放軍チェン・ウェイ少将のインタビュー全文』. In Deep, 2020年2月13日、2020年8月20日更新.
  27. *27 a b c NIHのデータベース「RePORTER」における、エコヘルス・アライアンスのNIAID助成プロジェクト「コウモリコロナウイルス発生の危険性への理解」は現在2014年〜2019年の6期にわたっているが、うち1期目 (2014)〜5期目 (2018) のプロジェクト要旨は同一で、6期目 (2019) のみ異なる。FOXニュースが「機能獲得研究」の説明だと指摘している文言は1〜5期目の要旨に書かれている。NIHの声明のリンク先に貼られた6期目「2R01AI110964-06」の要旨には書かれていない。 Search results: "AI110964". RePORTER, National Institute of Health.
  28. *28 a b 6期目「2 R01 AI110964P-06」は2019年であり、2014年10月〜2017年12月に出されていた「機能獲得研究」へのモラトリアムとは時期的に関係ないため、「禁止されていた期間に助成が行われていた」というFOXニュースの問い合わせに対し、NIHがなぜ2019年の番号を出して来たのかがそもそも意味不明ではある。
  29. *29 ^ 「USAspending.gov」のデータベースで見られるのは、保健福祉省 (HHS) の下部機関の国立衛生研究所 (NIH) による武漢ウイルス研究所への6回の下請助成金のリストであり、うち5回がエコヘルス・アライアンスを元請けとしたものである。その5回は全てNIHのデータベースにおけるエコヘルス・アライアンスの1期目 (2014年) と同一のプロジェクト番号「1 R01 AI10964-01」となっている。2015年から2019年にかけて、NIHからエコヘルス・アライアンス経由で、武漢ウイルス研究所に合計で598,500ドル (約6500万円) が支払われている。 Advanced Search: "Wuhan Institution of Virology". USAspending.gov. (アクセス後、右上のスイッチで「Sub-Awardsに切り替える)
  30. *30 ^ この6期目は2019年7月24日付であり、額面通りならこの更新自体は新型コロナウイルスの発生とは時期的には無関係となる。なお、このプロジェクト自体は2025年までの予定となっているが、2020年7月にあったはずの7期目の表記がデータベース上にないのは、2020年4月のトランプ政権による禁止の影響とみられる。 EcoHealth Alliance. Project Number: 2R01AI110964-06.
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コメント

武漢熱はチャイナの重大な過失であり、いまはそれを利用しようと躍起になっている。

  • 2021/04/11(日) 09:58:49 |
  • URL |
  • ednakano #-
  • [ 編集]

ednakanoさん

新型コロナの発生国でありながらこれだけ感染を押さえ込んだのも人権のない独裁国家ならではですが、独裁国家にとって、自国民に対する偉大な国家の演出は不可欠なので、そのためなら何でもやる国ですね。

  • 2021/04/12(月) 00:33:24 |
  • URL |
  • 岩谷文太 #Ameeps6k
  • [ 編集]

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